先月30日から、大阪府高槻市にある画廊アートデアート・ビューで、長島充 版画展『日本の野鳥 in 大阪』がオープンした。早いもので当画廊で3回目の個展、6年目のお付き合いとなる。
10/31(土)午後3時からギャラリートークを開いてほしいという画廊からの要望があり朝早くから千葉の工房を出て、東京駅から新幹線とJRを乗り継いで行ってきた。 高槻駅を降りて画廊に着くとちょうど1時となっていた。オーナーのSさんに挨拶し、一通り作品の展示状態を見てから中央のテーブルでSさんとお茶をいただきながら話していると数人のお客さんが、ぼちぼち来始めた。Sさんが庭に来る野鳥やお客さんの持ってきてくれた「エビフライ」と呼ばれるホンドリスが食べた松ぼっくりの芯などを見せていた。この画廊には野鳥好き、生きもの好き、自然好きの人が多くみえるようだ。オーナ-のお人柄なのだろう。古民家を改造したギャラリー・スペースは家庭的でホッコリとする空間でもある。
2時を過ぎたあたりからギャラリートークに参加する人たちが増え始めた。2年前に日本の野鳥をテーマとした個展を開催したが、この時もギャラリートークを行った。その時にも参加していただいた方の顔もチラホラ見える。リピーターの人も定着しているようである。トークの時間まで少しあるので今夜の宿のホテルにチェックインを済ませてくることにした。とんぼ返りで画廊に戻ると、参加者も増えてスタンバイ状態となっている。さっそくトーク・モードに頭のスイッチを切り替える。僕自身は特別話上手というわけではないのだが、自分の興味のあること好きなことに関しては話したい事、伝えたい事はたくさんある…誰でもそうか。
4年前の個展のトークでは『私と野鳥と版画』というタイトルでデジタル画像も使いながら野鳥を観察し始めたきっかけや、どのようにして版画制作に繋がっていったかということを中心に話したのだが、今回は同じタイトルなのだがデジタル画像は使用せず、せっかく自作の野鳥たちに囲まれて話すので、作品の中のそれぞれの野鳥たちとの出会いのエピソードを中心に話した。住まいのある千葉県は四方を水環境に囲まれていて高い山が無く、山の野鳥たちに憧れてきたこと、長野の山中でどうしても会いたくてテントを張って待ったイヌワシとの出会い、昔は東京湾の干潟や内陸水面に普通に渡来していた渡り鳥のガン類への想い…話せばきりがないのだが、時間の許す限り話し続けた。するとその熱が伝わったのか熱い質問が多く飛んできた。それもそのはず、今日のお客さんは京阪神地域の「野鳥の会」の会員の方々が多いということだった。それからトークの最中に渡って来たばかりの冬鳥のジョウビタキが画廊の庭を訪れるというサプライズがあった。”ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ…”と強い声で鳴いていて途中中断してみんなで姿を捜す。「僕の個展が呼んだんですよ」と一言添える。
1時間半の予定の「作家を囲む会」は時間を大幅に過ぎても質問や購入した作品へのサインなどでなかなか終了せず、それでもやまずに2次会の海鮮飲み屋から3次会のJAZZクラブまで延々と続き、高槻の秋の夜はシンシンと更けて行くのでした。
展覧会は11/6(金)の1700まで、まだお見えになっていない京阪神地域の野鳥ファン、版画ファンのみなさま、この機会に是非ご高覧ください。 もう一度画廊アドレスを http://www.artdeart.jp
画像はトップがトーク中の僕。下が向かって左からトーク会場のようす、作品展示風景、「エビフライ」(ホンドリスの落し物)