天燈茶房 TENDANCAFE

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どれからなりとおためしください

観測ロケットS-520-24号機、リフトオフ!

2008-08-03 | 宇宙
(写真:熊本県八代市の球磨川河畔から内之浦の方角を眺める)

“夏のロケット”観測ロケットS-520-24号機、打上げ成功です!

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、ロケット飛行中の微小重力環境を利用した結晶成長のメカニズム解明を目的とした観測ロケットS-520-24号機を平成20年8月2日17時30分(日本標準時)に、内之浦宇宙空間観測所から打ち上げました。(JAXA宇宙科学研究本部トピックス)

さて打ち上げ当日の午後、僕は町家のアートオープンスペースで御点前の支度をしていたのだ。
今日は夏の茶会の日だったのです。


「あ~あ、S-520-24の打ち上げが今日になると判っていたら、始めから茶会を欠席して内之浦に見に行ってたのになぁ」などとぼやきつつ、それでもしっかり打ち上げ時刻の午後5時半の少し前には茶席を抜け出して、町家の近くを流れる球磨川の河川敷にやってきた。
ここからは打ち上げ場所である鹿児島県大隈半島のJAXA内之浦宇宙空間観測所がある南の方角が広く開けて見える。

携帯電話の時計を睨みつつ、日本標準時17時30分を待つ。夕方とは言えまだ陽は高く、真夏の陽射しが照りつける。正装してるので暑い…
「午後5時半になった!さあ飛べS-520-24!」
球磨川の向こう岸の九州山地の上、南の空に目を凝らすと…

「見えた!ロケット雲だ!」
やや日暮れ色を帯び始めた夏空に、鮮やかに白く細い雲がグングン上昇していく。
速い速い!あれぞまさしく、固体燃料ロケットの飛翔!!


「青空を駆け抜けろ、宇宙へ行って来い、夏のロケットよ!」

S-520-24のロケット雲は余りにも細く、携帯電話の搭載カメラでは写し込むことは出来なかったが、僕の視界にはくっきりとシャープな軌跡を描いて夏のロケットは旅立って行った。そしてすぐに雲に飛び込み、そのまま消えていった

「行ってしまったか…。」

ロケット打ち上げでいつも感じる寂寥感だけが後に残った。
「もうじき、真夏も終わるな…」


そそくさと茶会に戻ったが、既に夏の空を駆け抜けたロケットの感慨に心を奪われてしまいまさに「心此処に在らず」な状態での御点前だったので、酷い仕上がりになってしまった。
「いやぁ、どうにも緊張してしまって…申し訳ありません」などと言い訳しつつも、それでも僕の口元は緩みっ放しだったに違いない。
そして水屋で先生の点てた絶品の薄茶を戴きながら心に誓ったのだ。

「ロケット打ち上げ、今度は射場に見に行くぞ!次のロケット、温室効果ガス観測技術衛星GOSATを打ち上げるH-IIAは、種子島で見る!」

それから、まだ愛称のないGOSATの名前も皆で考えてあげよう。
温室効果ガス観測技術衛星GOSAT愛称募集キャンペーン
募集は9月10日までです。
茶道の侘び寂びの精神は温室効果ガス排出抑制にもつながると思うので、侘び寂びに関する音感の良い茶道用語を調べて応募してみるか…