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JAXA相模原キャンパス一般公開に行ってきました

2008-08-10 | 宇宙
毎年恒例、夏の宇宙科学研究本部相模原キャンパスの一般公開。
今年も行ってきました、九州熊本からブルートレイン「はやぶさ」に乗って!




横浜駅で「はやぶさ」から降りて、京浜東北線と横浜線を乗り継ぎ、途中で友人Kと合流して淵野辺駅に着いたのが既に10時半過ぎ。無料の送迎バスで相模原キャンパスに到着したのはその40分後。
「しまった…出遅れたか。もう売り切れてるかなぁ。。。」
今年も大入り大盛況の人並みに続いて学内に入り、第1会場の研究棟前の噴水横の売店を目指してダッシュ!
テントの売店に駆け込み、
「スミマセン、『祈り』のDVDは、まだ残ってますか!?」
そうなのだ、今日は宇宙研に来たらまずは500枚のみ限定で先行販売される小惑星探査機「はやぶさ」のイメージビデオ「祈り」が収録されたDVDを入手したかったのだ。
超美麗CGで再現される波乱万丈の「はやぶさミッション」と、美しいジャズの旋律で構成される「祈り」は昨年の相模原キャンパス一般公開で上映されたが、その出来栄えが評判となり大好評だったもので、ついに一般発売されるということですぐに売り切れてしまうだろうと心配だったのだが…

運良くまだ在庫があり、無事に「祈り」のDVDをゲット!
「ああ~よかった!さあ、落ち着いたところでゆっくり見て回ろうかな」


まずは研究棟に鎮座ましました御馴染みの「はやぶさ君」を拝んでから、はやぶさコーナーを一回り。
「ミネルバはイトカワには到達できなかったんだよ。今でも宇宙を独りで飛んでる。でも、最後にはやぶさの姿を撮影して送ってきたからね、頑張ったんだよこの子は」
「そうか…なんか泣ける話だな」
今年から初参戦のKにいろいろと説明しながら展示を見て回るのも楽しい。
注目の「はやぶさ2」「はやぶさマーク2」に関しては目新しい話はなかったが、「はやぶさ2」は打ち上げは遅れるが必ず飛ばしたいと頑張っておられるとのこと。
また、「はやぶさ」は今後イオンエンジンを再点火し、地球帰還数ヶ月前まで吹かし続けてからイオンエンジンを止めてサンプルリターンの最終微調整に入る予定で飛行計画を立て始めていることや、サンプルの回収に伴う人員の派遣計画や欠員の補助、サンプル回収場所のオーストラリア当局との各種契約締結など事務方の仕事もこれから始まろうとしていること、
そして、スラスタの燃料がすべて失われていることから地球帰還後は軌道を変えられずそのまま大気圏に突入し燃え尽きる運命にあると思われていた「はやぶさ」を何とか救うための各種対策の検討も、今後行われるという。

「はやぶさ」は、助かるかも知れないのだ!
しかし、一体どうやって…?
今まで数々の秘策で「はやぶさ」を窮地から救い出してきたはやぶさチームは、旅の最後にどんなマジックを見せてくれるのだろうか!?



月周回衛星「かぐや」を引き継ぐセレーネ2関連で展示されていた再生型燃料電池システム。
文系の僕にはいまいちピンとこなかったのだが、工作大好きの工学人間のKは大興奮。

研究棟2階の天文衛星大集合コーナーでは、自宅から打ち上げを見送ったので思い出深い赤外線衛星「あかり」の模型を前に担当研究者の方に「あの~、あかりって要するにコタツの光と同じものを見ている訳ですよね」と大バカ質問をしてみたら「いえいえ、コタツの光は人間の目に赤外線っぽく見えるように赤色にしているんですよ。本当は、太陽より見えにくいものが見えるんですよ赤外線で」と丁寧に解説して頂いた。
将来的には太陽系外惑星、それも木星サイズのものを直接観測する後継ミッション「スピカ」も計画がスタートしているとのこと。
「太陽系外の惑星を直接観測するなんて、想像しただけでワクワクしますね!今後の計画に期待してます!」


宇宙に大輪のアンテナの花を咲かせる国際的な天体観測プロジェクト「VSOP-2」の電波天文衛星「ASTRO-G」の展示を見ながら、パラボラアンテナの特性を水紋で説明しておられた女性研究者の方と「きく8号はアンテナを展開するのが途中で一度止まったでしょう?あの時はドキドキしました」などと歓談。
実際にモリブデン線で編んだ反射鏡のメッシュを解説されていた先生は福岡出身とかで、九州出身者同志ですねなどと第一線の研究者の方と世間話するのも楽しい。


環境試験棟の黒いハイゲインアンテナ、これはやはり火星探査機「のぞみ」のプロトタイプだそう。
ちなみに去年まではここに打ち上げられなかった悲運の月探査機「LUNAR-A」の収められた?謎の白いコンテナがあったのだが…今年はなくなっていた。何処へ?


イオンエンジンより強力で「短距離走ランナータイプ」だというMPDアークジェットの実演中。
隣の部屋では「はやぶさ」に搭載されたイオンエンジンとその増強型が青い光を放ちこれまた実演中。
説明してくれた若い研究者の方に「はやぶさは姿勢制御スラスタが使えなくなった当初はあの中和器で姿勢制御したんでしょ?そんな使い方をするなんて、どう思いました?」と聞いたら、
「まさかそんな使い方するとは考えてもいませんでした」やっぱりそうですよね~


構造機能試験棟で再使用ロケットRVTの担当教授の先生と学生さんから熱い話を伺い、それから子供たちと並んでミウラ折りの実践をして感動。
ちょうど通りかかった対外協力室の阪本先生にサインを頂いて感激。「先生、来月の佐賀のタウンミーティングにも参加させて頂きますので、また宜しくお願いします」などと言いつつ厚かましくも記念写真をお願いしたら爽やかに応じてくださったので大感激。
午後から雨が降り出して、雷警報も出て屋外に出ないようにとアナウンスされる有様で大変だったようだが、次期固体ロケットのプロマネ森田先生の講演を聴いてから、夕方近くに一通り展示を見終えて公開会場を出てくると雨は上がって少し涼しくなっていた。
もうすぐM-Vの実機展示が始まるM-3SIIが横たわるプロムナードを歩いて、そろそろ帰ろうか…

と帰りかけると、

「ああ~見ろ!このマンホール、宇宙研の刻印がしてあるぞ!」

という訳で、今年度の相模原キャンパス一般公開も大満足で無事に見学終了。
Kも楽しんでいたようで何より。早速「来年もまた来たい」とか言ってたし。
木立の中の道を正門のほうに向かっていたら、大急ぎで歩き去っていく的川泰宣先生を見かけた。
「あっ、的川先生!」挨拶しようと思ったが、かなり急いでおられたようなので遠慮する。
正門で阪本先生に再びお会いして、「ああ阪本先生、今日はありがとうございました!さっき、的川先生をお見かけしたんですが…」
「ええ、行っちゃいましたね」
きっと、ご多忙なスケジュールの合間を縫って宇宙研の一般公開に顔を出しに来られたんだろうな。
的川先生、どうぞ御体には気をつけられて下さい。

宇宙科学研究本部相模原キャンパスの先生方、今日は本当にありがとうございました!

さて、僕は今日から夏期休暇なので…明日から青春18きっぷで北海道に向かおうかな。