天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

HTV/H-IIB、はやぶさイベント、観測ロケットS-520-25…忙しくなりそう

2009-09-07 | 宇宙
HTV/H-IIB 画像提供:JAXA

さて、
国際宇宙ステーション補給機HTV技術実証機と、HTVを載せた新大型ロケットH-IIB初号機の打ち上げが迫ってきました!

HTV/H-IIB特設サイト

スペースシャトル退役後の国際宇宙ステーション(ISS)への船外用物資や大型の実験装置の輸送を一手に担うことになる「宇宙のハイテク運び屋」HTVと、
そのHTVを軌道上へと引っ張り上げるべく、日本が誇る超高性能液体燃料ロケットエンジンLE-7Aを2発束ねた「双発第1段」と、更にその周りに固体ロケットブースターSRB-Aを4発巻き付け足回りを固めた、日本宇宙史上最大最強の怪物ロケットH-IIB。

異例の深夜2時過ぎに、漆黒の種子島の夜空に打ち上げられるH-IIB。
カウントダウンゼロを待たず2条のクリアな地獄の業火を射場に叩きつけるタンデムのLE-7Aと、
闇夜を真っ赤に染め上げて、一度着火してしまえば最早人類には制御する術のない固体燃料を容赦なく爆裂させる4つのSRB-A。
凶暴なまでの加速度で全長56メートル重量531トンの建造物が夜空に突進していく壮絶なリフトオフ、今や昼間のように明るくなった夜空から島全体を打ち壊さんばかりに降り注ぐ衝撃波…

ああ~想像しただけで興奮する!!
種子島まで打ち上げを見に行きたい!!

…でも、打ち上げ予定日の9月11日って平日の金曜日なんだよね。
しかも、未明の打ち上げだから前日のうちに現地入りする必要があるし…実質、有給休暇を2日取らないといけない。
まぁ、今までの僕なら勤め先に懇願してでも見に行ったでしょうけど、何しろ先日エジプトから日本に帰国できずに3日も仕事を休んだばっかりなので、
おいそれと「種子島にロケット見に行きたいんで、今月も2日ばかり休ませて下さ~い」とは言えないよ、オトナとして…

という訳で、今回は自宅のある熊本県八代地方からの遠距離打ち上げ観測を行いたいと思います。
夜中だし、物凄い数のロケットエンジンを噴かすし(通常のH-IIAだとメインエンジンLE-7A×1・ブースターSRB-A×2の計3発だが、前述の通りH-IIBはLE-7A×2・SRB-A×4で計6発!)、晴れてさえいればかなり明るい軌跡が見える筈。
コンデジをミニ三脚に括りつけて、夜景モードで何とか画像も撮れないかなぁ…

ともあれ、9月11日未明は天燈茶房で速報記事も書き上げますので、夜中にお付き合い下されば幸いです。

HTV/H-IIBの次は、はやぶさ君です。

小惑星探査機「はやぶさ」 画像提供:JAXA

「はやぶさ」地球帰還プレイベント

小惑星探査機「はやぶさ」の地球帰還まで、あと9ヶ月!
地球帰還プレイベントと銘打って、JAXAの先生方と一緒にはやぶさ君と遊ぼうという楽しいイベントです!
これは、来年6月に「はやぶさ」の帰還予定地であるオーストラリアのウーメラ砂漠まで出迎えに行こうと画策している僕としては参加するしかない!即、ネットで参加申し込み完了!!

会場は京都市青少年科学センター、9月13日(日曜日)の午前10時から。
おお、京都は妹夫婦kamimogファミリーの地元だ、kamiちゃんとmogmogも一緒に行くぞ!!
今週末は、仕事が終わったら特急「リレーつばめ」に飛び乗って博多から最終「のぞみ」に乗り換えて京都を目指せ~!
(もう京都まで乗りたくてもブルートレイン「なは」も「はやぶさ」もいないんだよね…寂しい…)


ところで、情報が殆ど出ていませんが内之浦から観測ロケットS-520-25が打ち上げられるとのこと。
今のところ、9月18日の早朝になりそうだとのことですが…
H2A/H2Bロケット打上げレポートさんに詳しい記事がありました。参考にさせてもらってます。)
こちらも、晴れてれば出勤前に自宅から見られるかな。

こんな感じで、今週から宇宙関連のスケジュールが急に忙しくなってきました。
気合入れて追いかけますよ~

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 18、夜のダマスカス旧市街

2009-09-06 | 旅行
ダマスカス・カイロ2009夏旅行 17、ダマスカス旧市街 キリスト教徒地区の路地とねこからの続きです

すっかり暗くなったのでホテルに帰ります。
旧市街のイスラーム地区に戻ってきたところで通りかかったモスク。
A-Sayyda Ruqayyaというモスクだそうですが、世界遺産にして聖地のウマイヤド・モスクと違って庶民的です。

日本の田舎のお寺さんや神社みたいに、地域の寄り合い所のような場所になっているようですね。


A-Sayyda Ruqayyaモスクの眩いシャンデリア。
イスラーム文化にはやはり「キンキラ豪華装飾」が欠かせませんね(笑)
シリアのモスクの照明には必ず緑系の燈が含まれていて、キンキラでもどこか涼しげです。


こちらは闇に包まれたウマイヤド・モスク。
人のいなくなった中庭が回廊の照明に浮かび上がり、幻想的です。


中庭を覗き込んでいたら、門が閉められました。
ウマイヤド・モスクの千三百年目の1日が終わります。


ウマイヤド・モスクは閉まっても、参道のスーク・ハミディーエはまだまだ大賑わい。
日中の炎天を避けるかのように、アラブの人々は夜を楽しみます。
実際、空気が乾燥しているせいか夜になると急に気温が下がって肌寒い程。


ライトアップされた夜のヒジャーズ駅。
これで駅構内にはヨルダンへと向かうヒジャーズ鉄道の夜行国際列車が入線していて、発車を待っていれば最高なんですがね…

こうしてダマスカスの一日が終わりました。
それでは、おやすみなさい。

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 19、ダマスカス・謎のトラム線路跡に続きます

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 17、ダマスカス旧市街 キリスト教徒地区の路地とねこ

2009-09-06 | 旅行
ダマスカス・カイロ2009夏旅行 16、ダマスカス旧市街 “真っ直ぐな道”と聖アナニア教会からの続きです

ダマスカス旧市街のキリスト教徒地区はイスラーム地区以上に道が狭く入り組んでいます。
でも、その雰囲気はイスラーム地区とはかなり違います。どことなく、ヨーロッパ的な感じがするのです。以前訪れた、ルーマニアのシギショアラに似ているような気もします。


路地には見慣れたモスクにかわり、小さな祠が。
台座に刻まれた十字架が印象的。


どこまでも続く狭い路地。


路地の先には、また路地が続く。


路地の塀の上にいたシリアねこ。
イスラーム地区ではあまりねこを見かけませんでしたが、キリスト教徒地区にはねこがたくさんいます。

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 18、夜のダマスカス旧市街に続きます

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 16、ダマスカス旧市街 “真っ直ぐな道”と聖アナニア教会

2009-09-06 | 旅行
写真:ダマスカス旧市街、ウマイヤド・モスク裏の路地

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 15、ダマスカス旧市街 ウマイヤド・モスクからの続きです

ダマスカス旧市街(古代都市ダマスカス)は城壁に囲まれていますが、城壁内ではウマイヤド・モスクのある西側の区画はムスリムの住むイスラーム地区、東側はクリスチャンの住むキリスト教徒地区と住民の宗教によって“住み分け”されています。

イスラームの聖地ウマイヤド・モスクに立ち寄った後は、趣向を変えて今度はキリスト教徒地区まで歩いて行ってみましょうか。


路地を抜けて、東へ向かいます。


大通りに行き当たりました。
古代都市ダマスカスを東西に貫く、その名も“真っ直ぐな道(Straight St.)”です。
文字通り真っ直ぐ続くこの道、なんと新約聖書にも登場する由緒正しい道なのです。


“真っ直ぐな道”に聳える「ローマ記念門」。
ここから先はキリスト教徒地区です。


キリスト教徒地区にある、聖アナニア教会。礼拝堂は地下の穴倉です。
ここは、新約聖書によると
「キリスト教徒を捕らえるためにダマスカスへと向かっていたサウロはその途上で復活したイエスに呼びかけられ、失明してしまう。
サウロはダマスカスの“真っ直ぐな道”の近くに住んでいた聖アナニアに出会い、彼の家で休ませてもらう。
聖アナニアは哀れなサウロの為に祈ると、サウロの目からは鱗のような物が落ちて再び目が見えるようになった。
サウロはこれがきっかけでキリスト教に改宗し、聖パウロとなった。」
その聖アナニアの家なんだそうです。穴倉に隠れ住んでいたんだ。

ちなみにこれが「目からウロコが落ちる」の語源です!

歴史と伝説、そして諺の語源が、街角に今も存在する。それが古代都市ダマスカス。

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 17、ダマスカス旧市街 キリスト教徒地区の路地とねこに続きます

タイ米を炊いてみた

2009-09-06 | 食べる
以前、何度かタイに(JRの中古ブルートレインに乗りに)行ってたのですが、その時にブルトレと同じくらいに実ははまっていたのが屋台で食べる「B級タイグルメ」。
特に、いわゆる「タイ米」のあの独特の食感、苦手な人も多いらしいあの「ポロポロ、ボソボソ感」が妙に気に入ってしまい、
帰国前に現地のスーパーでタイ米を一袋購入して持ち帰ったのですが、帰国後に入院したりして慌しかったもんで、そのまま台所の隅に放置されていた訳です。


で、そろそろ食欲の秋だしと急遽思い立って、炊いて食べてみることにしました。

タイ米ってどう炊けばいいのか、日本の米とは種類が違うので、炊き方も違うのかも知れないなと思い、ネットで検索してみると、
「鍋にお湯を大量に沸かして、米を茹で上げ、その後蒸し上げる」というエラク本格的で大変そうな手法が紹介されていたけれど、でも
「普通の炊飯器で水を多めに入れて炊けばOK」というのもあるな…

面倒くさいし、朝から何も食べていないせいで腹も減ったので、炊飯器でOK説を信じて早速炊いてみた。
但し、水は約1割多め、お米を水に浸けることはせずにすぐに炊飯スイッチを入れて、炊き上がったら長めに蒸らす。ネットで紹介されていた炊き方を総合すると、多分こんなもんだろ。

タイ米は「炊き上がったときの匂いに癖があって苦手」という人もいるらしいのだが、僕はタイ米の匂いは日本の米と似たようなもんだとしか感じません。
炊飯器からは、おいしそうなご飯の匂いが漂ってきました。
じっくり蒸らして…


ハイ、炊き上がり!
見た目は日本のご飯とあまり変わりませんね。粒はかなり細長いですが。
食べてみると…

「これこれ!このポロポロ感!ああ、バンコクやハノイやホーチミンの屋台で食べたご飯を思い出すよ~!」

意外な感じですが、日本食のおかずにもよく合います。今度は「お茶漬け」にしてみようかな。
でもやっぱり、カレーやチャーハンにしたら最高でしょうね。

ああ、また東南アジアに行きたくなっちゃった…
「あさかぜ」や「あかつき」のお下がりのJR西日本のブルートレイン客車、もうタイ国鉄で走り始めてるかな…

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 15、ダマスカス旧市街 ウマイヤド・モスク

2009-09-04 | 旅行
写真:イスラーム第四の聖地、世界遺産ウマイヤド・モスク

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 14、ダマスカス旧市街 古代都市散歩からの続きです

ダマスカス旧市街のスーク・ハミディーエの行き着く先にあるのが、ウマイヤド・モスクです。
西暦705年に建てられたという現存する世界最古のモスクであると共に、イスラーム第四の聖地でもあります。

ウマイヤド・モスクはムスリムではない外国人観光客も入場料50シリアポンドを支払えば立ち入ることが出来ます。
十字軍を撃退した英雄であるサラディーンの眠るサラーフッディーン廟の隣にある事務所でチケットを買って、巡礼に訪れたムスリムの善男善女と一緒にモスクに入ります。
モスク内部は土足厳禁、門で靴を脱いで裸足になります。


モスクの内部には大理石の敷き詰められた広い中庭があります。
磨き上げられた敷石に裸足で寝転がると、これがヒンヤリしてて最高に気持ち良い!
ムスリム達も一家で車座になってお弁当を囲んだり、昼寝をしたり、ピクニック気分で楽しんでいます。
聖地でもあり厳粛な祈りの場なのに、何とも開放的でリラックスした楽しい雰囲気です。


僕も回廊の陰で寝転がり、のんびり聖堂を眺めていると、日本人が珍しいのでしょうか、ムスリムの子供たちから興味津々といった感じで顔を覗き込まれて
「ハロー」
「ヤバーニー(日本人)?」
(片言英語で)「どこから来たの?」「あなたの名前を教えてください」
と次々声をかけられます。
無邪気で好奇心一杯の子供たちと会話して遊んでいると、慣れない異文化の環境を独り旅している緊張感が解き解されて何とも癒されます。
旅に出て良かった、旅っていいなと思います。

結局、余りの居心地の良さに、それからの午後をずっとウマイヤド・モスクの中庭で寝転がって過ごしてしまいました。
気が付けばもう午後も遅い時間、ウマイヤド・モスクの中庭にアザーン(礼拝への呼び掛け)が響き渡ります。



せっかくなので、聖堂の中にも入ってみることにします。
ウマイヤド・モスクは元々はキリスト教の聖ヨハネ教会だった建物を改築したものだそうで、聖堂の建築もキリスト教会の雰囲気を色濃く残していると言われます。


聖堂内部には洗礼者ヨハネの首(サロメに所望された、あの首でしょうか!?)を奉ったとされる廟もあります。
聖書の伝説世界が現実に息づく場所、それがウマイヤド・モスクであり、古代都市ダマスカスなのです。

それにしても、イスラームの聖地なのに何故キリスト教の洗礼者ヨハネが奉られているのか(実際、ヨハネの“首塚”に熱心に祈りを捧げるムスリムの姿も多く見られます)、ちょっと不思議な感じもしますが、何のことはないキリスト教もイスラーム教も元をただせば同じ宗教なんですね。
洗礼者ヨハネはイスラームでは預言者の一人とされており、イエス・キリスト自身もまたイスラームの預言者でもあるのです。

「同じ聖書を共有する仲間なんだから、ムスリムもクリスチャンももっと仲良くなれればいいのにな…
日本人の考えだと、イエスもアッラーもヤハウェもブッダも全員まとめて八百万(やおよろず)の神なのに…」
そんなことを思いながら、聖地ウマイヤド・モスクを後にしました。

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 16、ダマスカス旧市街 “真っ直ぐな道”と聖アナニア教会に続きます

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 14、ダマスカス旧市街 古代都市散歩

2009-09-03 | 旅行
写真:スーク・ハミディーエの行き当たり、ウマイヤド・モスク辺り

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 13、ダマスカス旧市街 スーク・ハミディーエの小さな太陽からの続きです

ダマスカス旧市街(オールド・ダマスカス)のスーク・ハミディーエ周辺には無数のスーク(市場)が文字通り“錯綜”しています。
昼下がりの旧市街で暫し、毛細血管のように絡み合うスークからスークへとさまよい歩いてみるのも悪くありません。


スーク・ハミディーエから100メートル程離れて平行する、スーク・ミドハド・パシャ。
旧市街では比較的規模の大きいスークで、城塞の外から観光客が流れ込むスーク・ハミディーエが旧市街の大動脈なら、スーク・ミドハド・パシャは買い物客が滞留する大静脈といったところでしょうか。
食料品やお菓子、スパイスやハーブを扱う店が多く並び、観光客よりも地元の買い物客御用達のスークのようです。


2つのスークを結ぶ小さな通りの裏に、路地の入り口を見つけました。
どこへ続いているとも知れない薄暗い路地を見ているうちに…つい引き込まれるように這入りこんでしまいました。


古代都市散歩の行き着く先は、袋小路。
見上げると小さく切り取られた青空。

旧市街のこの辺りはムスリムの多く住むイスラーム教徒地区なのですが、
ここでよく見かけたのが、「共同水場」。

大体、モスクの建物に付属している場合が多いのですが、街角の至る場所にこのような水飲み場があります。
きれいに掃除されていて清潔、誰でも自由に水を飲むことが出来ます。
貴重な「命の水」を分け合った砂漠の民の伝統なのでしょうか。
丁度、おじさんが水を汲んで飲もうとしていますね。


これはウマイヤド・モスクの裏の路地で見かけたもの。
美しいアラビア文字の表記が印象的です。


こちらでは子供が家庭での煮炊き用の水を汲むお手伝い中。

ちなみに僕も子供に「飲んでみなよ」と勧められて、恐る恐る口にしてみたのですが…
「冷たくて、すごくおいしーい!!」
衛生管理がきちんとしているんでしょうね、その後お腹を下すことも無かったです。

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 15、ダマスカス旧市街 ウマイヤド・モスクに続きます

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 13、ダマスカス旧市街 スーク・ハミディーエの小さな太陽

2009-09-03 | 旅行
写真:ダマスカス旧市街、スーク・ハミディーエ

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 12、失われたヒジャーズ鉄道からの続きです

ヒジャーズ鉄道の廃線跡歩きを断念して、ヒジャーズ駅に戻ってきました。
駅前を右に進み、ナセル通りを歩いて行くと城塞に行き当たります。

城塞の向うが、“世界最古の都市”として名高いダマスカス旧市街(オールド・ダマスカス)、実に紀元前3000年頃からの途方も無い歴史を誇る、
世界遺産「古代都市ダマスカス」です!

城塞の隣には、アーケードの入り口が見えます。
これが旧市街名物のスーク(市場)の一つ、スーク・ハミディーエです。
スーク・ハミディーエは新市街から続く大通りに直結しているので、実質旧市街の入り口のようになっています。
観光客や買い物客でごった返すスーク・ハミディーエに入ってみましょう!

強い陽射しを遮るアーケードに覆われた通りの両側には、お洒落なブティックや土産物屋、喫茶店やアイスクリーム店が並び、歩いているだけで楽しくなってきます。

そんなスーク・ハミディーエで、楽しいものを見つけました!


路上に転がる白い円盤…これ何だか分かりますか?
実はこれ、「ピンホールカメラの原理で映し出された小さな太陽」です。
アーケード屋根に開いた小さな腐食穴が天然のピンホールとなって、スークの暗室に太陽の像がたくさん出現したのですね。

いつかダマスカスで日食があれば、きっとスーク・ハミディーエに無数の三日月形に欠けた太陽が転がると思いますよ。

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 14、ダマスカス旧市街 古代都市散歩に続きます

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 12、失われたヒジャーズ鉄道

2009-09-02 | 旅行
写真:ヒジャーズ駅の2階正面バルコニーからダマスカス市内を見る

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 11、列車のいないヒジャーズ駅からの続きです

ガイドブック等によると、ダマスカスのヒジャーズ駅はいずれ再開発され、列車の乗り入れも再開される予定だそうです。
実際、コンコースの奥の、以前はプラットホームへの入り口(ヒジャーズ鉄道はドイツ方式で建設されたので、改札口は無かった筈です)があったであろう場所には、こんな完成予想模型が置かれていました。

日本のバブル期の都市再開発計画もびっくりの、豪華絢爛たる巨大アーケードを備えた駅に生まれ変わるつもりのようです。
しかし…


実際には現在、ヒジャーズ駅のコンコースの奥には巨大な「穴」があるだけです。
鉄道を地下化しようとしたのでしょうか、それとも巨大アーケードの基礎部を埋め込む為でしょうか、プラットホームと線路をすべて引っ剥がした後を掘り抜いたような状態になって大穴があいています。
そして、奇妙なことにその穴は完全に放置されているようです。測量技師も建設作業員も居らず重機も何も無く、何らかの工事が行われている形跡は全くありません。静まりかえっています。
「これは…穴だけ掘って、途中で放り出したってこと?」
何らかの事情で、2009年8月現在ヒジャーズ駅再開発工事は完全に中断しているようです。

今後、ヒジャーズ駅に再び列車が来ることはあるのでしょうか?


ヒジャーズ駅の駅舎を出て、大穴のその先まで歩いて行ってみると…見つけました!
ヒジャーズ鉄道の痕跡です。
駐車場として使われている空き地の一画に、地面に埋もれかかったレールが残っていました。


埋もれたレールの向かっている方向には、更地が緩いカーブを描いて続いています。
典型的な「廃線跡」です。

まだ他に線路の遺物が残っていないかと歩いていこうとしたところで、白い制服を着た警察官に声を掛けられました。
「No Photo!」
警察官は割とフレンドリーな感じで表情もにこやかですが、すぐにデジカメをしまって笑顔で「sorry」と告げて立ち去ります。
シリア国内には現在も秘密警察が存在し、治安維持活動を行っていると言われています。奇妙な外国人が鉄道施設の跡地(鉄道は通常、軍事施設の一部と見なされる)を嬉々として歩き回り、写真撮影を行っていては、スパイ嫌疑をかけられて秘密警察関係者にマークされても不思議ではありません。
面倒なことが起こらないうちに、笑って済ませて退散します。

廃線跡を辿って、現在も列車が発着している郊外の駅まで歩いていこうかと思っていましたが、断念。
街まで戻ります。

ダマスカスの街角からはカシオン山がよく見えます。
旧約聖書創世記にカインとアベルの「人類初の殺人事件」が起きた現場として書かれたこの山、現在は中腹までは宅地化され、山頂付近はシリア軍の軍事基地となっています。

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 13、ダマスカス旧市街 スーク・ハミディーエの小さな太陽に続きます

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 11、列車のいないヒジャーズ駅

2009-09-02 | 旅行
写真:ダマスカス市内に残るヒジャーズ駅

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 10、ダマスカスの夕暮れ散歩からの続きです

2009年8月11日

今日は朝からダマスカスの駅へと向かいます。
ダマスカスの市内には、かつてオスマン帝国によって建設されたシリアとヨルダン、サウジアラビアを結ぶアラビア半島縦断鉄道、ヒジャーズ鉄道のシリア側終着駅となる、その名も「ヒジャーズ駅」があります。
ただし、ヒジャーズ鉄道は第1次世界大戦時に“アラビアのロレンス”らによって破壊されてしまい、現在はヨルダンの首都アンマンまでの区間が残り、国際列車が定期運行されているようです。
しかし、ダマスカスのヒジャーズ駅は再開発の為に現在列車は乗り入れておらず、列車は郊外の駅で折り返してしまいます。

列車のいなくなったヒジャーズ駅ですが、駅舎の装飾が大変美しいことから今ではダマスカスの観光地となっています。
そんなヒジャーズ駅を見に行きましょう。
ダマスカスの中心街の大通り「5月29日通り」に続くアル・ジャビリ通りの突き当たりに、駅はあります。


駅前に、小さなタンク式の蒸気機関車が展示されていました。
メーカーズプレートには1908年とありますが、これはまさしくヒジャーズ鉄道が開通した年です。
開通当初から使われていたドイツ製の機関車だと思われます。




ステンドグラスの美しいヒジャーズ駅の駅舎内部。
昔は国際列車の乗客たちが行き交ったであろうヒジャーズ駅のコンコースは、今では本屋さんになっていて営業中でした。


駅舎の一角にはきっぷ売り場の窓口があり、今でもきっぷが買えるようです。
ただし、時刻表や案内図はすべてアラビア文字で書かれているので、慣れない外国人がきっぷを買うのは大変そうです。

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 12、失われたヒジャーズ鉄道に続きます

残暑御見舞い申し上げます

2009-09-01 | ねことか
謹んで残暑御見舞い申し上げます…ふぁ~あ。byももちゃん

もう9月になりましたが、まだ暑いですねぇ
あと3ヶ月もすると「寒い寒い」とか言いながらコタツに入ってるなんて信じられませんねぇ
でもあと11ヶ月もすると、また「暑い暑い」とか言いながらビール飲んだりアイス食べたりするんですよねぇ


ねこの時間は人間より3倍速く流れてるそうだけど、
まぁのんびり生きてみましょうか。

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 10、ダマスカスの夕暮れ散歩

2009-09-01 | 旅行
ダマスカス・カイロ2009夏旅行 9、ダマスカス市内へからの続きです

シリア中央銀行前のロータリーからカシオン山方向へと向かい、暫らく歩くと、
ひときわ賑やかな歩行者天国に行き当たります。

ダマスカスで一番お洒落な通りと言われる、サーリヒーエ通りです。
ブランドショップやブティックが建ち並び、華やかな雰囲気。

サーリヒーエ通りを歩いていると、モスクからムスリムに礼拝を呼びかけるアザーンが朗朗と唱えられはじめました。
イスラーム圏では御馴染の音の風景です。



歩行者天国の向うに、カシオン山中腹の家々の灯りが星のように煌いています。
イナガキタルホ(稲垣足穂)の「一千一秒物語」で描かれる、幻想の星の街を彷彿とさせる眺めに暫し見惚れます。

ダマスカス・カイロ2009夏旅行 11、列車のいないヒジャーズ駅に続きます