宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

プレアデス星団までの距離が、ついに特定!

2014年09月09日 | 宇宙 space
日本名“昴(すばる)”として親しまれているプレアデス星団までの距離が特定され、地球までの距離が、これまで考えられていたよりも短いことが分かりました。

この新しい研究結果は、プレアデス星団までの距離をめぐる白熱した議論を収束させただけではありませんでした。

これをきっかけに天体間距離の測定方法が、見直される可能性も出てきたんですねー
地上の望遠鏡で撮影されたプレアデス星団の光学画像。
地上の望遠鏡で撮影されたプレアデス星団の光学画像。

星団とは、似たような年齢の恒星が数千個集まってできた星の集団です。
銀河にはこのような星団が1000個以上散らばっています。

ただ、これら星団の研究は、プレアデス星団までの推定距離が計算によって得られた距離よりも10%長いことを示すデータがあったので、これまで混迷していました。
このような距離の矛盾は、長年研究者たちを悩ませ続け、恒星の形成と進化についての基本的な理解を妨げていました。

でも今回、世界各地の電波望遠鏡を連動させることで、プレアデス星団までの距離を三角測量により計算することに成功したんですねー

そして、おうし座に位置するこの有名な冬の星団までの距離が、443光年だと特定されました。


1990年代に入るまで、プレアデス星団までの距離は430光年と見積もられていました。

でも、1989年にヨーロッパ宇宙機関によって打ち上げられた高精度視差観測衛星“ヒッパルコス”の計測では、その距離は約390光年しかありませんでした。

大した違いではないように思えますが、プレアデス星団の恒星群の物理的特性の整合性をとるうえで、この違いが恒星の形成と進化に関する一般的な理解の妨げになっていました。


今回の研究では、グローバル電波天文台システムを利用して、約1年半の間にプレアデス星団の複数の恒星を観測。
これによって、地球の公転によって生じる、恒星の位置の明らかな変位を正確に観測することに成功しています。

地球の公転軌道の両端で観測した場合、恒星はさらに遠くにある天体を背景としてわずかに移動したように見えます。
これを視差法といい、宇宙での距離を最も正確に測定できる方法で、単純な三角法に基づいています。

世界各地の望遠鏡を連動させることで、地球サイズの望遠鏡を作り出し、これによって極めて正確な位置測定が可能になったということです。