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打ち上げは今年の冬、小惑星探査機“はやぶさ2”が公開

2014年09月12日 | 小惑星探査 はやぶさ2
公開された小惑星探査機“はやぶさ2”の機体は、ほぼ完成した状態で、
この後打ち上げに向けて、鹿児島県の種子島宇宙センターへ輸送されることになります。


多くの困難を乗り越えて、
小惑星“イトカワ”からサンプルを持ち帰った、
“はやぶさ”の後継機が“はやぶさ2”になります。

先代の教訓から、搭載機器を増やしたり、イオン・エンジンや自律機能を改良するなどし、
トラブルを未然に防ぎ、確実な宇宙探査を実施するための対策が施されているんですねー

また、より多くのデータを送受信できる装置や、小惑星内部の石や砂を採取するため、
地表面をうがち人工のクレーターを作る装置を持つなど、新しい技術も多く盛り込まれています。


また、“はやぶさ2”が目指す小惑星“1999 JU3”は、
岩のようだったイトカワとは異なり、炭素や水を含む小惑星です。

なので、“はやぶさ2”がサンプルを持ち帰ることで、
太陽系の起源とその進化や、生命がどのように誕生したかといった、
謎を解き明かすカギになると期待されています。


今回公開されたのは、ほぼ完成した状態の“はやぶさ2”なのですが、
種子島宇宙センターに輸送される前に、いくつかの調整が行われるようです。

また、イオン・エンジンの燃料になるキセノン・ガスや、化学スラスターの推進剤などは、
種子島宇宙センターで充填されることになります。

さらに今回、“はやぶさ2”に搭載される小型の着陸機“MASCOT”の開発試験用モデルも公開されました。

すでに“はやぶさ2”内に収められている“MASCOT”は、
ドイツ航空宇宙センターが中心となり、フランス国立宇宙研究センターとJAXAで共同開発された機体です。

“MASCOT”は10キロほどの箱型の機体で、“はやぶさ2”が“1999 JU3”に到着後、
分離して小惑星の表面に着陸。
内蔵している重りを動かすことで、起き上がったり、ホップしたりして移動することができます。

カメラや熱センサー、磁力計、分光顕微鏡といった観測機器を搭載しているので、
“1999 JU3”の表面を直接観測することも可能なんですねー

現在“チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星”で探査を行っている、
彗星探査機“ロゼッタ”にも、“フィラエ”という小型着陸機が搭載されています。

“MASCOT”のチームには、
この“フィラエ”の開発に関わった人々が多く参加しています。
なので、この手のロボットに関して非常に高い技術を持っているんですねー

“はやぶさ2”の打ち上げ日時は、
まだ発表されていませんが、今年の冬頃になる予定です。

打ち上げの後は、まず約1年後に地球スイング・バイで加速して、
2018年の6、7月頃に“1999 JU3”に到着。
そこで探査を行って、2019年11、12月頃に帰路につきます。

そして地球への帰還は、今から6年後の2020年11、12月頃になるようですよ。