宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

青い星が物語る、黄色超巨星が超新星爆発を起こす理由。

2014年09月23日 | 宇宙 space
ハッブル宇宙望遠鏡の観測によって、
3年前に超新星が出現した場所に、明るい青色の星が発見されました。

でも、この超新星の元になったのは、
これまで、重力崩壊型の超新星爆発を起こさない考えられてきた、
黄色超巨星だったんですねー
子持ち銀河M51。
(左)超新星“2011dh”出現前(2009年撮影)と、
(右)出現後(2011年7月8日撮影)。

超新星“2011dh”は2011年6月に、子持ち銀河の愛称で知られている銀河M51に現れました。

重力崩壊型に分類されるこのタイプの超新星爆発は、赤色超巨星か、青色のウォルフ・ライエ星の一生の最期に、起こると考えられてきました。

でも爆発前の画像で、その場所にあったのは、黄色超巨星だったので、論議を巻き起こすことになります。


爆発後の経過のイメージ図(上)と、ハッブル宇宙望遠鏡での観測画像(下)。

ただ、黄色超巨星でも連星系を構成している場合なら、
外層を伴星にはぎ取られて黄色超巨星になったところで、
超新星爆発を起こす可能性があるようです。

これを裏付ける材料の1つとして、
まず、2013年にハッブル宇宙望遠鏡の観測から、
黄色超巨星が爆発後に消えていることが確認されています。

もう1つの材料は、超新星の残光が収まった後に、
黄色超巨星の伴星だった青い星を見つけることでした。

そして、超新星の出現から3年後になる今年8月、
ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラを使って、
紫外線観測が行われました。

すると超新星の跡に、
予想通りの青い高温の星が観測されたんですねー

今回の研究により、
超新星の進化の過程を満足いく形で説明できました。

理論予測と観測とを密接に組み合わせた今回の研究は、
重力崩壊型超新星や連星系の進化の理解に、
大いに役立っていくようですよ。