天文衛星“すざく”によるX線観測から、
活動銀河核のブラックホールに流れ込むガスが、ある一定の量を超えると、
放射されるX線の成分や量、変動の仕方が、劇的に変化することが分かりました。
どうやら、ガスの重力エネルギーを放射に変換する機構が、
ガスの量次第で、異なる動作モードに切り替わるようです。
今回の研究では、
しし座の方向約7700万光年彼方にある、
銀河“NGC 3227”の中心にある巨大ブラックホールを、
“すざく”のX線観測データから調べています。
この銀河中心ブラックホールには、大量のガスが吸い込まれ、
その重力エネルギーが変換されることで、強い放射となり明るく輝いています。
こうした活動銀河核のブラックホールを、やや離れて取り巻くガスの円盤からは可視光線が、
ブラックホールに近い領域の高温電子からは、X線が放射されると考えられています。
銀河からのX線放射量および、
個々のX線光子が持つエネルギーの変化に着目して解析したところ、
ブラックホールへのガス流入量が少ない時には、
放射量が小さくエネルギーが高めのX線で構成され、
成分が、ゆるやかに変動することが分かりました。
一方、流入量がある境界を超えると、エネルギーが低めの別のX線成分が現れ、
放射量の増大とともに、激しく変動し始めることも分かりました。
ガスの重力エネルギーを放射に替える「活動銀河核エンジン」の中に、
異なる働きを担う2つの部分が存在し、
吸い込まれるガスの量が少ない時には、そのうちの片側だけが、
ガスの量が増えてくると両方が働き出すという、
活動銀河核の新しい機能や構造が示されることになりました。
活動銀河核のブラックホールに流れ込むガスが、ある一定の量を超えると、
放射されるX線の成分や量、変動の仕方が、劇的に変化することが分かりました。
どうやら、ガスの重力エネルギーを放射に変換する機構が、
ガスの量次第で、異なる動作モードに切り替わるようです。
“NGC 3227”中心部の活動銀河核と、 推測される巨大ブラックホール周辺の構造。 |
今回の研究では、
しし座の方向約7700万光年彼方にある、
銀河“NGC 3227”の中心にある巨大ブラックホールを、
“すざく”のX線観測データから調べています。
この銀河中心ブラックホールには、大量のガスが吸い込まれ、
その重力エネルギーが変換されることで、強い放射となり明るく輝いています。
こうした活動銀河核のブラックホールを、やや離れて取り巻くガスの円盤からは可視光線が、
ブラックホールに近い領域の高温電子からは、X線が放射されると考えられています。
活動銀河核のX線強度相関図。 ある強度を境にして、X線のスペクトル構成が劇的に変化することが分かる。 |
銀河からのX線放射量および、
個々のX線光子が持つエネルギーの変化に着目して解析したところ、
ブラックホールへのガス流入量が少ない時には、
放射量が小さくエネルギーが高めのX線で構成され、
成分が、ゆるやかに変動することが分かりました。
一方、流入量がある境界を超えると、エネルギーが低めの別のX線成分が現れ、
放射量の増大とともに、激しく変動し始めることも分かりました。
ガスの重力エネルギーを放射に替える「活動銀河核エンジン」の中に、
異なる働きを担う2つの部分が存在し、
吸い込まれるガスの量が少ない時には、そのうちの片側だけが、
ガスの量が増えてくると両方が働き出すという、
活動銀河核の新しい機能や構造が示されることになりました。