3月26日以降通信ができない状態にあったX線天文衛星“ひとみ”。
衛星の機能回復は期待できないとして復旧が断念されたそうです…
“ひとみ”の太陽電池パドルが両翼とも根元から分離した可能性が高いことや、
物体分離後に受信された電波が“ひとみ”からのものではなかったことが理由だそうです。
復旧の断念
X線天文衛星“ひとみ(ASTRO-H)”は、3月26日に姿勢異常が発生したと推測され、
同日以降、電波の受信が出来なくなっていました。
異常を受けてJAXAでは対策本部を設置して、
不具合の全容解明、衛星状態の把握、衛星の機能回復に向けて全力を尽くします。
そして前回15日の記者発表会で、姿勢異常と物体分離に至る推定メカニズムを発表。
でも28日の記者発表会では、
その後の進展が報告され“ひとみ”の復旧を断念することが発表されるんですねー
分離メカニズムの解明
まず、物体の分離に至る推定メカニズムについて、シミュレーションを含めた解析を実施。
これにより、構造的に弱い部位である太陽電池パドルが、
両翼とも根元(本体とつながっている部分)から分離した可能性が高いことが判明します。
つまり、太陽電池パドルの一部が残っている可能性は低く、
すべて失われてしまったと考えられるんですねー
さらに複数の海外機関からも、
太陽電池パドルの両翼分離を示唆する情報が得られています。
電波の受信
これまで本来の周波数とは異なるものの、
物体分離後も衛星からの電波を受信できていたと考えられていました。
でも、この周波数が技術的に説明できず…
さらに受信した(周波数がずれた)電波と、
同じ特徴がある電波を発する別の衛星の存在を確認。
このことから、受信していた電波が“ひとみ”からのものでは無かったと判断されます。
次のX線天文衛星は2028年
以上により、JAXAでは今後“ひとみ”が、
機能を回復することは期待できない状態にあると判断します。
衛星の復旧に向けた活動を取りやめることを決定するんですねー
残念ながら“ひとみ”とその分離物は、
今後は宇宙デブリとして宇宙空間を漂うことになります。
また、“チャンドラ”や“XMMニュートン”、“NuSTAR”など、現在運用中の衛星はあるのですが、
次のX線天文衛星の計画は国際的に見ても2028年まで予定がありません。
そう、“ひとみ”を失ったことは、
科学研究の面においても大きな損失となったんですねー
“ひとみ”チームは今後、衛星の設計・製造から運用までの各段階について、
その背後も含めて徹底的な原因究明を目指すことになります。
後続となる計画につながるよう、
原因の究明や再発防止のための調査進展に期待したいですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ H-IIAロケット打ち上げ成功! X線天文衛星の名称は“ひとみ”
衛星の機能回復は期待できないとして復旧が断念されたそうです…
“ひとみ”の太陽電池パドルが両翼とも根元から分離した可能性が高いことや、
物体分離後に受信された電波が“ひとみ”からのものではなかったことが理由だそうです。
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X線天文衛星“ひとみ”(イメージ図) |
復旧の断念
X線天文衛星“ひとみ(ASTRO-H)”は、3月26日に姿勢異常が発生したと推測され、
同日以降、電波の受信が出来なくなっていました。
異常を受けてJAXAでは対策本部を設置して、
不具合の全容解明、衛星状態の把握、衛星の機能回復に向けて全力を尽くします。
そして前回15日の記者発表会で、姿勢異常と物体分離に至る推定メカニズムを発表。
でも28日の記者発表会では、
その後の進展が報告され“ひとみ”の復旧を断念することが発表されるんですねー
分離メカニズムの解明
まず、物体の分離に至る推定メカニズムについて、シミュレーションを含めた解析を実施。
これにより、構造的に弱い部位である太陽電池パドルが、
両翼とも根元(本体とつながっている部分)から分離した可能性が高いことが判明します。
つまり、太陽電池パドルの一部が残っている可能性は低く、
すべて失われてしまったと考えられるんですねー
さらに複数の海外機関からも、
太陽電池パドルの両翼分離を示唆する情報が得られています。
電波の受信
これまで本来の周波数とは異なるものの、
物体分離後も衛星からの電波を受信できていたと考えられていました。
でも、この周波数が技術的に説明できず…
さらに受信した(周波数がずれた)電波と、
同じ特徴がある電波を発する別の衛星の存在を確認。
このことから、受信していた電波が“ひとみ”からのものでは無かったと判断されます。
次のX線天文衛星は2028年
以上により、JAXAでは今後“ひとみ”が、
機能を回復することは期待できない状態にあると判断します。
衛星の復旧に向けた活動を取りやめることを決定するんですねー
残念ながら“ひとみ”とその分離物は、
今後は宇宙デブリとして宇宙空間を漂うことになります。
また、“チャンドラ”や“XMMニュートン”、“NuSTAR”など、現在運用中の衛星はあるのですが、
次のX線天文衛星の計画は国際的に見ても2028年まで予定がありません。
そう、“ひとみ”を失ったことは、
科学研究の面においても大きな損失となったんですねー
“ひとみ”チームは今後、衛星の設計・製造から運用までの各段階について、
その背後も含めて徹底的な原因究明を目指すことになります。
後続となる計画につながるよう、
原因の究明や再発防止のための調査進展に期待したいですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ H-IIAロケット打ち上げ成功! X線天文衛星の名称は“ひとみ”