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モバライダー mobarider

無名の大型準惑星が太陽系の外側に潜んでいた!

2016年05月27日 | 宇宙 space
系外惑星探査衛星“ケプラー”と、
赤外線天文衛星“ハーシェル”の観測データから、
太陽系外縁天体“2007 OR10”の大きさが、
約1500キロと計測されました。

まだ名前の付いていない天体が、
実は冥王星やエリスに次ぐ太陽系で3番目に大きい準惑星だったんですねー

太陽系外縁天体

準惑星は、火星軌道と木星軌道の間の小惑星帯に位置するケレスを除いて、
すべて海王星よりも遠いところに位置しています。

遠いことに加えて、
小さく低温なので、観測が困難で謎に包まれた部分が多く、
正確な大きさについても、はっきりしない天体が多くあります。

たとえば光の点が、
小さくて明るい天体なのか、大きくて暗い天体なのかが分からないんですねー

2007年7月に発見された太陽系外縁天体“2007 OR10”も、
遠くにあって正確な大きさが不明な天体の1つでした。

それが、NASAの系外惑星探査衛星“ケプラー”と、
ヨーロッパ宇宙機関の赤外線天文衛星“ハーシェル”の観測データから、
“2007 OR10”の直径が1535キロと計測されることに…

この数値は、これまでの見積りより250キロほど大きく、
まだ(符号でない)名前が付けられていない太陽系天体としては、
最大のものになりました。


3番目に大きい準惑星

準惑星候補天体になる“2007 OR10”を他の準惑星と大きさを比較すると、
冥王星(2374キロ)やエリス(2326キロ)より一回り小さく、
マケマケやハウメアよりも少し大きいようです。
準惑星と“2007 OR10”の大きさの比較。
図にはないがケレスは1000キロ未満。

これまで分かっていた“2007 OR10”の大きさは、
“ハーシェル”による赤外線観測データに基づくもので、
全体の明るさや大きさの正確さには限度がありました。

それを“ケプラー”が“2007 OR10”のわずかな光度変化をとらえ、
約45時間という非常にゆっくりした自転周期を観測。

すると、天体の詳細なモデルを作ることができ、
正確な大きさや反射率が分かってきたんですねー

“2007 OR10”が大きいということは、表面が暗いことを示唆していて、
明るい冥王星などとは性質が異なることを意味します。

地上観測から知られている“2007 OR10”の赤い色は、
どうやらメタンの氷によるもののようです。

さらに、直径の見積もりが大きくなったことで、
この天体が本来は失われやすい揮発性のメタンや一酸化炭素、
窒素の氷で覆われている可能性が増してきました。

遠く離れた太陽系の外縁部に存在する準惑星…
この新たな天体のことが少しずつ分かってきたところで、
気になるのは、この新たな準惑星の名前ですかねー


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