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モバライダー mobarider

太陽系外縁部の準惑星マケマケに衛星を発見

2016年05月06日 | 宇宙 space
ハッブル宇宙望遠鏡による観測から、
準惑星マケマケに衛星が見つかりました。

準惑星というのは、太陽を公転する天体で、
惑星の定義を満たさないもののうち比較的大型なものになります。

マケマケは、太陽から約70億キロ離れたところを公転していて、
太陽系外縁天体の1つ。

発見されたのは2005年で、2008年には名前と、
当時4つ目となる準惑星に分類されることが発表されたんですねー

ちなみにマケマケという名前は、
南太平洋のイースター島にまつわる神話からきていて、
人間を創造し豊穣をつかさどる神に由来しているそうですよ。


暗い衛星を発見

昨年の4月にハッブル宇宙望遠鏡がマケマケを観測した画像に、
暗い天体がとらえられていました。

動きがマケマケと一致していることなどから、
この天体はマケマケの衛星とみられています。

愛称“MK 2”と名付けられたこの衛星は、
マケマケから約2万1000キロ離れたところにあり、
直径は160キロ(マケマケは1400キロ)、明るさはマケマケの1300分の1ほどでした。
矢印の先がマケマケの衛星“MK 2”

今回の発見で明らかになったのは、
5つの準惑星のうち太陽系外縁部に存在する4つ(冥王星、エリス、マケマケ、ハウメア)に、
衛星が存在していること。

残る1つの準惑星、
小惑星帯にあるケレスには、今のところ衛星は見つかっていません。

“MK 2”の軌道は正確には分かっていませんが、
円軌道だと仮定すると公転周期は12日以上になるようです。

軌道の形を決定することは、
衛星の起源に関する疑問解決の手助けになります。

もし軌道が円形なら、
“MK 2”はおそらくマケマケと別の太陽系外縁天体との衝突で誕生したものであり、
楕円軌道の場合は“MK 2”は外から取り込まれた可能性が高いことになります。

さらに、“MK 2”の軌道からマケマケ系全体の質量を計算することができます。

質量と大きさからマケマケの密度を見積もれば、
冥王星とマケマケの類似性についても調べることが出来るんですねー

どちらも凍ったメタンで覆われている準惑星なんですが、
全体的な組成も似ているかどうかを確かめることも可能になります。

そう今回の発見は、
太陽系外縁部における比較惑星学という、
新たな章への扉を開いたことにもなるんですねー


こちらの記事もどうぞ ⇒ 観測チャンスは1分 準惑星“マケマケ”