遠方の銀河に含まれる重元素量と星形成活動の強さの関係。
この関係を観測調査してみると、
重元素量が星形成の強度に関係しないことが分かってきました。
この結果、これまで近傍の宇宙で知られていた関係とは異なるんですねー
っと言うことで、銀河における星形成の理論に新たな疑問が出てきたお話しです。
重元素量が星形成活動
星形成活動を行っている銀河の重元素(ヘリウムより重い元素)の量は、
銀河へのガスの流入や星形成、銀河からガスが流出する過程が、
複雑に絡み合った結果として現れます。
どのくらいの量の重元素が銀河に存在するのか、
その量が星形成活動の強さと関係性があるのかどうかを調べることは、
銀河の進化を明らかにする上で重要な手がかりになります。
今回の研究では、ハワイのマウナケアにあるケック望遠鏡を用いて、
110億年前の宇宙で典型的に見られる星形成銀河を41個観測。
その結果、
110億年前の(つまり遠方の)宇宙に存在する平均的な銀河の重元素の量が、
現在の(近傍の)宇宙の平均的な銀河に比べて、
わずか2割程度しかないことが明らかになります。
さらに、遠方銀河の重元素量が星形成活動の度合いによらないことも、
新たに発見されました。
このことは、これまで近傍宇宙で知られていた
「星形成活動が弱い銀河では、重元素量が高い傾向にある」
という関係とは対照的な結果になるんですねー
つまり、初期の宇宙では星形成活動を司る物理的なメカニズムが、
現在とは異なっていたことになります。
遠方宇宙では、
宇宙の大規模構造から供給されるガスの流入ペースが速すぎるので、
星形成活動が活発でも、大量のガスを直ぐには消費することができません。
このことが、重元素量の傾向が見られないことに関係しているのかもしれません。
銀河の重元素量と星形成率、恒星質量の関係を理解できれば、
銀河の進化についても、もっと分かってくるのかもしれませんね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 銀河に星形成を起こすガスの流れ“コールドフロー”
この関係を観測調査してみると、
重元素量が星形成の強度に関係しないことが分かってきました。
この結果、これまで近傍の宇宙で知られていた関係とは異なるんですねー
っと言うことで、銀河における星形成の理論に新たな疑問が出てきたお話しです。
重元素量が星形成活動
星形成活動を行っている銀河の重元素(ヘリウムより重い元素)の量は、
銀河へのガスの流入や星形成、銀河からガスが流出する過程が、
複雑に絡み合った結果として現れます。
どのくらいの量の重元素が銀河に存在するのか、
その量が星形成活動の強さと関係性があるのかどうかを調べることは、
銀河の進化を明らかにする上で重要な手がかりになります。
今回の研究では、ハワイのマウナケアにあるケック望遠鏡を用いて、
110億年前の宇宙で典型的に見られる星形成銀河を41個観測。
![]() |
観測された銀河の1つ(青枠)と重元素の量を示すデータ。 |
その結果、
110億年前の(つまり遠方の)宇宙に存在する平均的な銀河の重元素の量が、
現在の(近傍の)宇宙の平均的な銀河に比べて、
わずか2割程度しかないことが明らかになります。
さらに、遠方銀河の重元素量が星形成活動の度合いによらないことも、
新たに発見されました。
このことは、これまで近傍宇宙で知られていた
「星形成活動が弱い銀河では、重元素量が高い傾向にある」
という関係とは対照的な結果になるんですねー
つまり、初期の宇宙では星形成活動を司る物理的なメカニズムが、
現在とは異なっていたことになります。
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銀河の重元素量を表すグラフ。 横軸は銀河の大きさ(恒星質量)、縦軸は重元素量。 同じ質量で比較すると、現在の銀河(2本の青いデータ)に比べて、 110億年前の銀河(四角のデータ)は重元素量が少ない。 また、現在の銀河は星形成率が低いと重元素量が高い傾向にあるが、 110億年前の銀河ではその傾向は見られない。 |
遠方宇宙では、
宇宙の大規模構造から供給されるガスの流入ペースが速すぎるので、
星形成活動が活発でも、大量のガスを直ぐには消費することができません。
このことが、重元素量の傾向が見られないことに関係しているのかもしれません。
銀河の重元素量と星形成率、恒星質量の関係を理解できれば、
銀河の進化についても、もっと分かってくるのかもしれませんね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 銀河に星形成を起こすガスの流れ“コールドフロー”