宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

若い恒星の集団に見つかった浮遊天体の正体は?

2016年05月05日 | 宇宙 space
若い恒星の集団“うみへび座TWアソシエーション”で、
惑星質量の天体が発見されました。

この天体は褐色矮星のようですが、
いったいどこから来たんでしょうねー


浮遊天体の正体は?

5年前のこと、
「天の川銀河は宇宙空間に浮かぶ孤独な惑星であふれている。」
っという研究成果が発表されました。

暗闇の宇宙で、仲間となる他の惑星を持たず、まして中心星も存在しない…

天の川銀河は、
ただ静かにたたずむ惑星の数が他の天体より多いそうです。

もし、これが本当だとすれば、
そのような浮遊天体はどこから来たのでしょうか?

自身が誕生した星系から追い出された惑星なのか、
それとも実際には、他の恒星と同じように単独で生まれた、
軽い天体である“褐色矮星”なのでしょうか。


手がかりになる天体

今回の研究では、
NASAの赤外線天文衛星“WISE”と2μm全天観測プロジェクトのデータを利用し、
これらの疑問を紐解く手がかりとなる天体を発見しています。

天体が発見されたのは、
地球から約160光年の距離に位置する30個ほどの恒星の集団
“うみへび座TWアソシエーション”の中。

木星の5~10倍と非常に軽い浮遊天体“WISEA 1147”なんですが、
こうした浮遊天体の存在は、わずかしか知られていないんですねー
低質量の褐色矮星と思われる“WISE 1147”のイメージ図。

“うみへび座TWアソシエーション”の星々の年齢は500万歳から1000万歳ととても若く、
そのため“WISE 1147”も約1000万歳と考えられています。

一方で、惑星が形成されるには少なくとも1000万年は必要になり、
その惑星が誕生した生まれ故郷から追い出されるには、
さらに後のことになると考えられます。

なので、“WISE 1147”は惑星ではなく、褐色矮星だと考えることができるんですねー
無数に存在するとみられる孤独な浮遊天体のうち、
褐色矮星と惑星の割合がどうなっているのかは全く分かっていません。

その割合を解明するためにも、
“WISE 1147”のような天体を調べ誕生の起源に迫ることが重要になるんですね。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 浮遊惑星を回る“系外衛星”候補を発見?