宇宙のはなしと、ときどきツーリング

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月の南極に着陸? ロシア月探査機“ルナ・グローブ1”

2013年01月15日 | 宇宙 space
ロシアの月探査機“ルナ・グローブ1”の着陸地点が、月の南極になるようです。

“ルナ・グローブ1”は、ロシアにとっては、約40年ぶりに打ち上げる月探査機です。
2015年から2016年に打ち上げを計画していて、月に着陸し月面から通信を行う技術の試験、月の砂“レゴリス”や大気に関する調査を行います。

もともと、北極と南極のどちらに着陸するか、が検討されていたんですよねー
地形学と、水の存在が示唆されている点から、南極が選ばれたようです。

まぁー ロシア科学アカデミー宇宙研究所では、まだいくつかの着陸地の候補を検討中なんですがねー
候補地は月のクレーターではないようで、その詳細は近い内に公表されるようです。

また、その後は月を周回する探査機“ルナ・グローブ2”や、インドとの共同計画である“ルナ・レスルス”などが控えているのですが…
“ルナ・グローブ1”の質量過多や、2011年に起きた“フォボス・グルント”の失敗で、計画は遅れつつあるようです。

太陽系そっくりの小天体ベルト “ベガ”

2013年01月14日 | 地球外生命っているの? 第2の地球は?
こと座の“ベガ”は、七夕の織姫星として知られています。
この“ベガ”に、小天体が周回するリング状のベルトが見つかりました。
小天体がひしめくベルト領域(イメージ図)

太陽系の小天体ベルトとよく似ていて、複数の惑星が存在する可能性が高いようです。

“ベガ”は、夏の大三角の星の1つとしても有名で、1月ごろは夜明け前の北東の空で輝いています。
約25光年かなたにある0等星で、質量は太陽の2倍、誕生から数億年という比較的に若い星なんですねー

赤外線天文衛星“スピッツァー”と“ハーシェル”で観測したところ、“ベガ”の周囲にリング状の小天体ベルトが2つあることが分かりました。

内側のベルトは、中心星から近いため比較的あたたかく、太陽系でいえば火星と木星の軌道に挟まれた“小惑星帯”にあたります。
外側のリングは低温で、太陽系外縁の“エッジワース カイパーベルト”のようなものなんですねー

みなみのうお座の1等星“フォーマルハウト”も、“ベガ”と似たような小天体ベルトを持っていることが分かっていて、惑星らしきものがとらえられています。

“フォーマルハウト”と“ベガ”は、太陽からの距離や質量、年齢などが似ているんですねー
そして今回、小天体ベルトの存在という共通点も加わりました。
“ベガ”と太陽系に存在する小天体ベルトの比較。
太陽系をそのまま拡大するとその構造は非常に似ている。

さらに、中心星から外側のベルトまでの距離が、内側のベルトまでの10倍という点も共通していて、これは太陽系とも似ているんですねー

2つの恒星の小天体ベルトは、太陽系の小天体ベルトよりも、はるかに多くの物質が飛び交っています。
これは、恒星の材料となったチリとガスの雲が大きかったこと、
そして、まだ若いので小天体が「散らかったまま」であることが理由なんですねー

太陽系の“小惑星帯”や“エッジワース カイパーベルト”は、
地球や木星、土星といった惑星とともに、重力バランスを保ちながら維持されています。
なので、今回の観測結果から、“ベガ”の周囲にも複数の惑星があることが予測されるんですねー

今後の観測技術の発展で、惑星の存在・詳細が分かるといいですね。

天の川銀河には、地球のような岩石惑星が数百億個ある?

2013年01月13日 | 宇宙 space
天の川銀河には、地球のような岩石型の惑星が全体で数百億個あるそうです。
そして、「その多くが太陽によく似た恒星の周囲を回っている」という研究が発表されました。

従来の研究では、岩石惑星は太陽型よりも小さな恒星を回るものの方が、はるかに多いだろうと考えられていました。

でも、アメリカ天文学会で発表された研究によると、そうではなかったんですねー

この研究では、NASAのケプラー宇宙望遠鏡から送られてきたデータを、新たに分析しています。
ケプラー宇宙望遠鏡は、惑星を見つけるために、
はくちょう座の一部「約15万の恒星が含まれる範囲」を、集中的に観測しました。

恒星の一時的な減光を観測して、惑星かもしれない天体を検出するんですねー

恒星の手前を惑星が通過(トランジット)することによって、
恒星の明るさが低下する現象を観測して、惑星の存在を推定します。

研究チームでは、ケプラーから送られてきた惑星の可能性がある天体のデータを、独自のソフトウェアで解析しました。

その結果、天の川銀河に含まれる太陽型の全恒星の約17%、
つまり6つに1つは、太陽系の水星よりも恒星に近い軌道を回る岩石惑星を持つという試算が得られました。

天の川銀河には、約1000億の恒星が含まれるので、少なくとも170億の岩石惑星があるということになるんですねー

地球の軌道より外を回る惑星まで広げて考えると、太陽型恒星の半分は岩石惑星を持つ可能性があるとか…
星空を見上げるとき、目に入るほとんどすべての星に、惑星が存在することになりますね。
その中に、地球に似た惑星が何個あるんですかねー

星の“へその緒” “HD 142527”

2013年01月12日 | 宇宙 space
南米チリのアルマ望遠鏡の観測により、
若い恒星を取り巻く円盤から、惑星が潜む“すきま”に流れ込むガスの流れが見つかりました。


アルマ望遠鏡が撮影した
“HD 142527”(左)と
イメージ図(右)
内側の円盤は太陽系の
土星の軌道(約15億キロ)
外側の円盤はさらにその14倍も
遠くまで広がっている


今回、観測されたのは、おおかみ座の方向約450光年かなたの若い恒星“HD 142527”を取り巻くチリやガスの円盤です。
チリ大学の国際研究チームが観測しています。

若い星の周囲の円盤は、宇宙に浮かぶ雲の中で星が作られた際の“残り物”で、
この円盤の中で惑星が作られると考えられています。

“HD 142527”の円盤は、今まさにつくられつつある巨大ガス惑星によって作られた“すきま”をはさんで、内側と外側に分かれているんですねー

理論研究により、
「外側の円盤から“すきま”に潜む惑星に取り込まれる“へその緒”のようなガスの流れがある」と予測されていたのですが…
この流れが、今回初めてアルマ望遠鏡を用いた観測で、直接検出されました。

ガスの流れのうち、惑星に取り込まれず内側の円盤まで運ばれる量も見積もられました。
すると、内側の円盤の形を保ちながら、中心の星にガスを供給するのにちょうどよい量であることが分かったんですねー

内側の円盤から中心星“HD 142527”に、ガスが供給され続けています。
もし、円盤へのガス供給が少なければ、円盤が消えてしまうようです。

さらに、“すきま”の中の淡いガスも、今回初めて見つかっています。

“すきま”内で、形成されつつある天体が、
重い伴星(恒星のパートナー)であれば、ガスは残らないはずなんですね。
なので、ガスの存在は「この天体が確かに惑星である」ということを示しています。

惑星そのものは、不透明なガスの流れの中に深く埋もれているので、
直接観測することはできないんですねー

でも、“すきま”のガスの量から、惑星の質量を精密に見積もるなど、
周囲のガスを手がかりとすれば、惑星の研究は進めることができます。

いま建設中のアルマ望遠鏡が、今後フルに性能を発揮すれば…
さらに詳細な調査が行えるようです。

21億年前の火星の地殻活動が分かる?

2013年01月11日 | 火星の探査
2011年にサハラ砂漠で見つかった、火星から来た隕石。










約320グラムの
火星由来の隕石“NWA 7034”
通称“ブラックビューティ”








この隕石が、水を多く含むなど、
従来の火星から来た隕石と異なる性質を持つことが分かりました。

ひょっとすると、この隕石が21億年前の火星の地殻活動を知る、
手がかりになるかもしれないんですねー

今回、調査が行われたのは、2011年にアフリカのサハラ砂漠で見つかった隕石“NWA 7034”です。
1年以上にわたる分析の結果、
これまで発見された火星由来とされるSNC隕石とは、様々な面で異なることが分かったんですねー

この隕石は、火山活動で形成された玄武岩のかけらが、接合したものでできています。
そして、SNC隕石とは違って、主に長石と輝石から成るその鉱物組成は、火星現地での探査車や周回機による地表観測の結果と一致しています。

また、他の隕石に比べて10倍以上もの水を含み、酸素同位体の比率も異なるんですねー
年代も非常に古く、21億年前に形成されたものと見られています。
なので、当時の水や大気の環境、火山活動を伝えてくれる有力な手がかりになるかもしれません。

これまでの火星の地質についての知識が、この隕石によって変わるかもしれません。
火星探査車“キュリオシティ”が、火星の岩盤で失われた有機物を探査するのに、重要な基準ともなるようです。