akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

「体感!活弁シネマライブShow」 

2011-02-27 | 活弁
山形市シベールアリーナで、活弁ワークショップ&バリアフリー活弁上映をして参りました。

昭和30年31年の『山形まつり』の記録映像(30分)は、3班に分けて10分ずつ。
3歳のお子さんから、小学生の男の子とお母さん、中学生の女の子と自称お姉さん(実際叔母さん)、大学生、中国人女性まで参加して下さいましたが…

①しっかりしたナレーターと、年齢性別立場が様々な3人のコメンテーターが意見感想を言いながら映像を見進めていく形の1班。
②ちょっとツッコミ系の味のある大学生の伝え手と、山形まつりに訪れているかのような親子の楽しい会話が、絶妙にコラボレーションした2班。
③漫才コンビのようなカップル(じゃないんですけど)の奇想天外なフリートークに、子ども連の祭りさながらの元気な掛け声、さらに予想だにしないポロリ発言が爆笑を誘う3班。

昨日の3時間のワークショップの後、夜にそれぞれ台本を練り直して下さった成果もあり、朝のリハーサル、発声練習の効果もあり。出演者それぞれの個性が活き、チームワークもバッチリ、のびのびと楽しく語っていただき、大ウケの公演となりました。
みんなのイキイキした声、顔、言葉。とても魅力的でした。皆様、お疲れ様でした。

私は、昭和10年の松竹蒲田ナンセンス喜劇『子宝騒動』の活弁。今回は、主催者の「バリアフリー上映にしてみましょう」という提案で視覚障がい者の方にも楽しんでいただける台本に書き換えて初挑戦。
○活弁本来の面白さ、作品の面白さを損ねない。○展開の早いドタバタ喜劇で、いつどこで誰がいて何が起こって何が笑えるのかが耳だけで聴いている方にも明確にわかり、同じタイミングで笑ってもらえる。○その語りによって、健常者は細かいところまで目が行き、笑いが増幅する。○創造性のあるセリフ、語りでキャラクターと作品の喜劇性を増す(これが活弁本来の面白さなわけですが)

やってみれば面白いもので、非常にスピーディでテンポのある語りになり、こちらも大好評、爆笑でした。
手話通訳の方々は初めてのことでたいへんだったようですが…お互いによい経験となりました。

視覚障がいの若い男性が母親といらしたのですが「こんなに映画が楽しめたのは初めて」とお二人ともたいへん喜んで下さいました。これまでも、母親が映画館に連れ出したり、副音声付きのDVDを見せたりしていたそうですが、説明しなければわからないため、笑うのも少し後からになること、また副音声もイマイチ分かりづらく、結局イメージできないシーンや楽しめないシーンが多いのだそうです。
「今日は会場の皆さんと同時にずっと笑いっぱなしで、感激でした」と言われて、たいへん嬉しく、やってきてよかったと感謝。

手話通訳の方も、昨年山形での「おくりびと」のバリアフリー版劇場上映に足を運んで下さっていて「自分もそのまま観たときよりずっと感動しましたが、近くで観ていた視覚障がいの方が、こんなにイメージできて楽しめた映画はなかった、と泣いていました」と仰って下さり、励まされた思いでした。

「山形市」の歴史的映像を、山形の方々の手で蘇らせ、新たな縁や感動を作り出した、地元密着の素敵な企画でした。こうした機会を与えて下さった山形国際ドキュメンタリー映画祭、の皆様、またシベールアリーナのスタッフの皆様、感謝申し上げます
コメント (2)
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