東鳴子温泉は、江戸時代中期に開湯した歴史ある湯治場です。仙台藩及び岩出山城主の御湯として造られ、特に伊達公が愛用したため、「御殿湯」として知られてきました。
こじんまりした温泉宿が並ぶ閑静な湯治場ですが、各宿はそれぞれに自家源泉を持ち、一軒で3つも源泉をもつ宿もあるほど。
日本の天然温泉には11種類の泉質があるのですが、東鳴子を含む鳴子温泉峡にはそのうち9種類の泉質の源泉が湧き出ているというのですから、驚きです(東鳴子だけでも8種類)。全国でこれほど多様な源泉を持つ温泉場はまずありません。長い湯治になると、湯治客どおしが馴染みになり、お互いの宿を行き来し、あちらこちらの宿の湯を楽しんで行かれるとか。街ぐるみでお客を迎える小さな湯治場ならではの楽しさです。
宿泊したのは、東鳴子温泉の中でも最も歴史のある伊達公ゆかりの宿、創業天明4年の老舗『勘七湯』。いいお湯をいただきました。
また、七代目の御主人高橋さんには、一日、1200年前に噴火してできた日本有数の酸性湖「潟沼」、鳴子峡(紅葉まではあと少しでしたが)、鳴子こけし資料館と、鳴子の見どころを案内していただき、すっかりお世話になりました。人柄のにじみ出る優しい笑顔で、地域や御家族、お客さまへのお心配りと、さりげなく笑わせるお話の上手さに感心しきりでした。
お天気にも恵まれて、川伝いに上っていく鳴子峡の散策路は、とても気持ちよく、景色は最高でした。10月末~11月初めが、紅葉の見ごろ。美しい光景が目に浮かびます。
さて、夕方の列車に乗る前に、今回映画祭を中心になって切り盛りして下さった田中さんの『初音旅館』に御挨拶。御挨拶のはずが、この宿にもすっかり夢中になってしまい、案内してもらってお話を聴くことかれこれ1時間。その上、お湯までいただいて(わざわざ東京からこの湯を目指して車を走らせる方もいらっしゃる)、東鳴子を満喫して帰途に着きました。
初音旅館の敷地は広く、多少増改築しながらも昭和初期に建てた建物が残っていて、欄間や襖、掛け軸、出窓など、部屋の造り自体が非常に贅沢です。湯治場がにぎやかで、お客さんがひきもきらなかった頃が見えるようでした。窓から駅が見えるお部屋は景色も風通しもよく、設計師さんや作家さん、卒論を抱えた学生さんが何日間かここに滞在して仕上げに没頭するというのは頷けます。
しゃんと粋な着物を着こなした女将さん、田中さんのお母さまは、これまたお歳を全然感じさせない若々しさ。若い頃から映画や芝居を観に行くのが大好きで「『反物しぢ(質)さ入れでも見せ物みるもんだ』とよく言ったもんですけど」と、文人や映画人のお話がいろいろと飛び出した。
木造のこの旅館の中には、女将さんがお嫁入りの時に持っていらしたおしゃれな草履や下駄がガラスケースに飾られていたり。大正ロマンをも感じさせ、昭和初期の無声映画時代にトリップさせてくれる空間。
ちょうど、先日、遅ればせながら浅田次郎の『活動写真の女』を読んだのですが、ちょっとそんな物語世界に紛れ込んだような不思議な感覚を味わいました。
温泉は、自然の恵み。昔からの湯治場は、癒しのエネルギーの強い場所です。景色のいい時期にぜひ足を運んで、癒されて下さい。時空をちょっと超えたような旅ができるかもしれません。
こじんまりした温泉宿が並ぶ閑静な湯治場ですが、各宿はそれぞれに自家源泉を持ち、一軒で3つも源泉をもつ宿もあるほど。
日本の天然温泉には11種類の泉質があるのですが、東鳴子を含む鳴子温泉峡にはそのうち9種類の泉質の源泉が湧き出ているというのですから、驚きです(東鳴子だけでも8種類)。全国でこれほど多様な源泉を持つ温泉場はまずありません。長い湯治になると、湯治客どおしが馴染みになり、お互いの宿を行き来し、あちらこちらの宿の湯を楽しんで行かれるとか。街ぐるみでお客を迎える小さな湯治場ならではの楽しさです。
宿泊したのは、東鳴子温泉の中でも最も歴史のある伊達公ゆかりの宿、創業天明4年の老舗『勘七湯』。いいお湯をいただきました。
また、七代目の御主人高橋さんには、一日、1200年前に噴火してできた日本有数の酸性湖「潟沼」、鳴子峡(紅葉まではあと少しでしたが)、鳴子こけし資料館と、鳴子の見どころを案内していただき、すっかりお世話になりました。人柄のにじみ出る優しい笑顔で、地域や御家族、お客さまへのお心配りと、さりげなく笑わせるお話の上手さに感心しきりでした。
お天気にも恵まれて、川伝いに上っていく鳴子峡の散策路は、とても気持ちよく、景色は最高でした。10月末~11月初めが、紅葉の見ごろ。美しい光景が目に浮かびます。
さて、夕方の列車に乗る前に、今回映画祭を中心になって切り盛りして下さった田中さんの『初音旅館』に御挨拶。御挨拶のはずが、この宿にもすっかり夢中になってしまい、案内してもらってお話を聴くことかれこれ1時間。その上、お湯までいただいて(わざわざ東京からこの湯を目指して車を走らせる方もいらっしゃる)、東鳴子を満喫して帰途に着きました。
初音旅館の敷地は広く、多少増改築しながらも昭和初期に建てた建物が残っていて、欄間や襖、掛け軸、出窓など、部屋の造り自体が非常に贅沢です。湯治場がにぎやかで、お客さんがひきもきらなかった頃が見えるようでした。窓から駅が見えるお部屋は景色も風通しもよく、設計師さんや作家さん、卒論を抱えた学生さんが何日間かここに滞在して仕上げに没頭するというのは頷けます。
しゃんと粋な着物を着こなした女将さん、田中さんのお母さまは、これまたお歳を全然感じさせない若々しさ。若い頃から映画や芝居を観に行くのが大好きで「『反物しぢ(質)さ入れでも見せ物みるもんだ』とよく言ったもんですけど」と、文人や映画人のお話がいろいろと飛び出した。
木造のこの旅館の中には、女将さんがお嫁入りの時に持っていらしたおしゃれな草履や下駄がガラスケースに飾られていたり。大正ロマンをも感じさせ、昭和初期の無声映画時代にトリップさせてくれる空間。
ちょうど、先日、遅ればせながら浅田次郎の『活動写真の女』を読んだのですが、ちょっとそんな物語世界に紛れ込んだような不思議な感覚を味わいました。
温泉は、自然の恵み。昔からの湯治場は、癒しのエネルギーの強い場所です。景色のいい時期にぜひ足を運んで、癒されて下さい。時空をちょっと超えたような旅ができるかもしれません。
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