akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

『ドルフィン・ブルー』音声収録

2007-10-03 | バリアフリー映画、福祉
この夏公開の映画『ドルフィン・ブルー』。

DVD化にあたって”視覚障害者も健常者も耳で楽しめる映画副音声を”ということで、台本作りから取組ませていただき、ようやく収録となりました。ナレーションというのか、語りというのか、これまでの「音声解説」と一線を画したいというプロデューサーの意向で「副音声活弁」で行ってみましょう、ということに。

どちらかというと見えるものをいちいち説明しない「活弁」と違い、見えるものを観ていなくても見えるように説明していかなければいけない。その上、シーンの説明だけではなく、ストーリー全体の流れが小説の語りのように楽しめるように、また、シーンの緊張感や楽しさ、躍動感、静けさなども語りの調子で感じ取れるようにしようー。台本も試行錯誤、ディレクターさんとプロデューサーさんと練り直し、収録。

活弁をやっていると、よく「昔の無声映画ではなく、現代の映画に活弁をつけたりしないんですか?」と言われますが、今回のものはそれに近い試みかもしれません。
「視覚障害といってもまったく見えない方から、老化によってだんだんと弱視になってきた方まで様々で、耳の力を借りながら観たい人もいる。広く作品世界を楽しんでもらえる副音声にしたい」とプロデューサーさん。確かに、これまで、年輩の方々から「今の映画にも副音声で活弁をつけてくれたらいいのに」と言われることが度々ありました。

『ドルフィン・ブルー』は、沖縄ちゅら海水族館で、壊死した尾ビレを切除されたバンドウイルカ「フジ」が、ある獣医とスタッフの熱意で人工尾ビレを得て、再び「泳ぐ」ことができるようになったという、実話を基にした物語。水族館には、「勇気をもらった」「励まされた」という手紙がたくさん寄せられていて、障害を持った方々からのものも多いといいます。DVDが完成したら、多くの方々に視聴いただきたいと思っています。


コメント (2)
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