逆風に抗して Against the wind,♪ we are running against the wind.♪
ここではないどこかへ。モモンガーの旅
2018年に横浜から信州にUターン
自転車と日々の生活を
綴ります。
 



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10年前の旧ユーゴスラビア自転車旅行記、走りつかれた夕食後、しかも
不安定なネット環境下で毎日記事UPしたので、手抜きの暫定版のままであった。
コロナで旅行もままならぬ10年後の2021年に、キチンと書き直してみた。
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  2011-6/13 Day12 : リブノからドルヴァルへ   

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今日は高原上の大きな平原の東側の縁に沿って、走る日。


リブノを出て10kmほど、行く先に、丘の上に広がる小ぎれいな町が見えてきた。


でも、近づいてみると、緑の中の白壁と赤屋根が朝日で輝いているが、普通の農家である。


我々以外、車のほとんど通らない平らな道路を快調に飛ばす。


ケシの花の咲く民家の前で小休止。



野生でだって、野原は花々で覆われている。でも、野草や牧草以外は育ちにくいやせた土地のようだ。



平原の直線道を走っていたら、車ではなく、老若男女が三々五々歩いていく。
行く先には何もないように思えるのだが。
(数KM走り50人ほどを追い抜いただろうか、とある教会に人が集まっていた。多分結婚式?)


高原の平原を横断するただ真っ直ぐな道。
最初は感激したが、その内漕ぐのに厭きてきた。


平原のどん詰まり、行く手を遮られて、やっと変化が現れてきた。



小さな丘を登ると、このあたりの寒村で、廃屋が目立ち始める。
手前の看板には何が書いてあるのか??


弾痕の残る廃屋の後の山の向こうはクロアチア。


どうして、廃屋が多いのか?ガイドに尋ねると、悲しそうに、この辺は多数のイスラムボスニア人に少数のセルビア人が混在して住んでいたのだが、内戦でセルビア人が追い出され、廃屋になっているのだそうだ。
道の脇に湧き出している泉があったので、ここで一休み。


休憩した家の前の大きなさくらんぼの木から、家主の許可を貰って、チェリーを頂く。おいしい。

 

廃屋群から少し走ると、今度は道路わきに地雷注意の標識が。まだ田舎では地雷除去が進んでいないようだ。


登につれて、空が曇り、雨がポツポツ落ちてきた。一本道でダブルGPSの必要はないので、防水ではないNuviは仕舞う。



だいぶ登ったつもりだが、また向こうに緩やかに登る道が見えてきた。


周りは所々に石灰岩が露頭しているカルストとお花畑なのだが、とにかく、ここを登り切って、昼食の場所を探さねば。



峠を登り切り、標高800mの次の高原に出ると、天気は回復。周りは何もないが、360°、野草が咲き乱れる一面の野原。ちょっと遅くなったけれど、ここで昼食にする。


気温も丁度、日差しも暖かく、高原の極上ランチを頂いた後、私はお昼寝。天国じゃ。
一方、元気なご老人でもお茶目な人は、人妻に花束を贈る。




高原のランチを楽しんだ後、高原の端の山を登りきると、また天候が急変、雷雨だ。
さきほどまで、あれほど天気が良かったのに、雷鳴と雷雲が後から迫ってきた。
懸命に漕いで逃げようとしたが、土砂降りと雷で、自転車を放り出し、全員車内退避。


雷雨も上がったので、まだ走りたりない数人を除き、10数人は車載でホテルへ。
走り足りない数人はまだ小雨の残る中、残り30km、200mヒルクライム+500mダウンヒルに挑戦。
いつしか、レース状態になり、私ももがいてみたが、年上のサイクリストに抜かれ、あえなく敗退。



しかし、この標高差500mのドルヴァルの町へ向かってのダウンヒルはすごい光景だった。写真はほとんど無いけれど。脳裏に焼きついている。走ったのはこんなコース。ボスニアの高原地帯の南北にのびる谷とその間の丘を105km走った。



コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )


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コメント
 
 
 
Unknown (小岩)
2021-12-05 23:52:51
すてきな景色ですね。ユーゴスラビア行ってみたくなりました。
 
 
 
戦争の傷跡がまだ残っています (momonger)
2021-12-07 19:45:37
小岩さん、

旧ユーゴスラビア、美しい景色の中に、注意して見ると内戦の傷跡が残っていて、いたたまれなくなります。たった2週間の滞在で偉そうなことは言えませんが、通訳や英語での若い人との会話からは、人々の中に残った心の傷跡はもっと深いものがあるように感じました。
 
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