昨日泊まったのは、モービルハウス。久しぶりにこんな所に泊まるのも良いかなと
思ったのだが、夜半のミストラルにやられた。プレファブをブロックの上に置いた
だけのモービルハウスは、ミストラルに揺られて、目が覚めてしまったのだ。
ローヌ川の三角州に位置するカマルグ地方は、水が豊かで、そこここに水田がある。
かっての領主?の屋敷は公園になり解放されているようだが、まだ朝早いので、
門前で休憩。
ローヌの分流であるプチ・ローヌを渡り、陸とも川とも海ともつかない場所、
カマルグに入っていく。
フランス国内なのに、2ヶ国語表示。プロバンス語の表示だ。
カマルグと言えば白馬。世界の儀仗馬の多くはここの血統。
白馬は以降よく見かけることになる。
豊富なかや?で葺いたカマルグ地方特有の家。
もちろん、定番のブドウ畑も多い。
地中海性気候で晴れが多いのに水はいくらでもあるから、牧草も良く育つのだろう。
こんな牛を集めるのに、闘牛が盛んになったのだろうか?
2時間半走って、今日の第一の目的地、エーグ・モルトに到着。十字軍の出発基地と
して、ローヌ河口に建設された城塞である。
城壁の上に登ってみると、今まで走ってきたローヌ三角州の平原が見渡せる。
そして、海側をみると、白く輝く塩田、さらには沃素を多く含む為だろうか?
紫色に輝く塩田も見える。
城壁の周りを自転車で回ってみると、ここから十字軍の船が出港したとは信じられ
ない砂地が広がっている。かつてここは海だったのだが、ローヌ川の堆砂で埋まり
港としての機能を果たさなくなり、その結果、この城塞が無傷で残ったのだとか。
小一時間も走っただろうか? ようやく地中海に出たので、ビーチの小公園でランチ。
もう、夏も近いが、ビーチにあまり人は居ない。
昼食後、ビーチ沿いの道を辿って走っていたのだが、突然サイクリングロードが
工事中で途切れてしまった。GPSの上では、2本のCRがあるのだが、2本とも
入り口で工事中だ。単独行なら、バリアを乗り越えて、CRに入るのだが、10人
以上でそれをやると問題だ。
躊躇して地元の人に聞くと、この先、高速入り口の自転車通行禁止地点の近く
から、別の道がありそうとのこと。
ありました、ローヌ・セット運河横の道、ただし砂利道で、ロードの方には
チョトつらい。
走りにくい砂利道を抜け、また地中海側に戻ってきた。
砂州の上にできた海岸リゾート、夏は人が多いのだろうね。
砂州の上にサイクリングロードは続くのだが、半舗装状態の道がカテドラルまで続く。
金色に輝く海。藻の一種だろうか?
着きました、カテドラル。事前の情報では、ここから桟橋で対岸の陸側に渡れるとの
ことだったのだが、、、
カテドラルの陸側の門は閉まっている。横に道はあるのだが、かなり引き返さな
いと、その道に出そうもない。
そこで、藪漕ぎ、強硬突破することに。
ふう~ぅ、やっと桟橋を渡ることができた。
内陸部に戻り、サイクリングロードを走り、
そして、車の少ない田舎道を走り、
また、海側に出てきて、GPS上ではうまく道路につながっていそうな道を走って
いたつもりが、工業地帯と高速道路に囲まれた袋小路に入ってしまった。
もう6時を過ぎ、走行距離も100kmを越えている。でも後戻りしかない。
さて、急ぐ気持ちで注意力を散漫にさせずに、セットの街中を抜けねばと、道を探
しながら走っていたら、フランス人女性から、「あら、あんたたちポンプを持って
いるわね、ちょっと貸して、半パンク状態なの」と呼び止められる。時間も押して
いるし、、、知らんぷりをしようとしたら、Yさんが、ニコニコとポンプを差出した。
日本人なの?私、村上春樹の大ファンなの、、、この自転車は誕生日に彼が買って
くれたの、、、、
Yさんが空気を入れている間に、色々と話してくれる、、、
さて、これで良しとポンプを仕舞おうとした時、今まで青で何ということはなかった
信号機が赤になり、遮断機が降りてきた。
何のことやらさっぱりわからなかったが、歩行者は、向こう側へ走っていく。
あら~まぁ、橋が動いちゃった。向こうに渡れないよ。
ヨットが優雅に出港、帰港するのを眺めながら、まあ、そのうち宿には着くだろう。
こんな可動橋はそう見られるものじゃない。と納得させる。
セットの町は、四方八方に水路がめぐり、綺麗な町なのだが、眺めるだけ。
あら、GPSの電池が切れた、2GPS体制なので、もう片方のGPSを頼りに、宿へ。
もう7時半、夕日を正面にあび、110km走って宿にたどり着いた。
wadachiで作ったマップと写真はこちら