失敗談です。
この春、あるご婦人にベッドのマットを購入して戴いきました。その時まずは、「測定を」とお願いしましたが、急いでいるのでと言われたので測定はしなかったのです。いろいろ試し寝をして、ご本人自ら最も気に入ったソフトを選ばれました。
体型は、まあ標準といった感じでした。ご本人も、ソフトが甚く気に入られたこともあって、普段は2~3週間後の納品なのですが、1日でも早く欲しいということで、店頭展示品をご承知の上で翌日納品することになりました。
1か月ほど後には、オーダー枕をお買い上げ戴きました。もちろん、オーダー枕をお作りするにあたっては測定を致しました。
ところが1昨日、枕の調整と、マットの上に敷く「硬くなるベッドパット」を探しに来られたのです。お話を伺うと、春にお買上げ戴いたベッドマットは現在使用していないとのこと。以前のように、床に敷きふとん1枚を敷いて寝ているとのことでした。理由をおたずねすると、ソフトで気持ち良いと暫く使ったが、腰が痛い訳ではないのですが、違和感があると言うことで使用を中止されたそうです。
「フロアに敷きふとん1枚」から「ソフトなマット1枚」にいきなりされたのですから、「慣れもあると思いますが」ともう少し使って戴くことをお薦めしました。 ・・・・・・・・。
取敢えず枕の調整をと思い、オーダー枕をお作りした時のデータを見直してみました。すると、マットの固さはレギュラーが良いと出てましたが、ある意味大切なことを見落としていました。
実は奥様の体型は、女性としては珍しい(少なくともWatakeiにおいては)フラットラインでした。・・・すなわち凸凹が少ないのです。
先入観で、女性はソフトと思いこんでいたことが、最大の間違いでした。背がフラットな方は男性には時々見受けられます。フラットな方の特徴は「測定データより少し硬めのマットが良い」方が多いのです。1200人から測定したことによるおよその傾向です。詳しく統計を取っていませんので、今現在「爺の感」です。
始めから測定していれば、少なくともソフトはお勧めしなかったのに・・・。後の祭りです。
固いベッドパットを敷き、試し寝をしていただいたのですが、イマイチ納得されないのです。そう、これでは、ポケットコイルの良さが発揮できないのです。ポケットコイルマットである意味が無いのです。
んん~ (あれこれ考えたのですが・・・)
お客様は を発信しているのだ。ここは、損得ではない!
ベッドマットを交換しよう!
少しばかりの交換手数料戴くことにしましたが、ご婦人は、「交換して戴けるなんて思ってもいませんでした」と言われ、本当に嬉しそうな表情をされました。交換予定の硬めのマットの上で枕の調整を終え、枕を持ってニコニコとお帰りになられました。
「商い」としてみれば、「完全に損」です。でも、長い目で見れば決して損とは思いません。負け惜しみ的かもしれませんが、爺としては、お客様が喜んで戴けたことは、やはり、嬉しいものです。
販売したマットは、マットとしてはとても良いものです。だが、いつも、言うように
「良い寝具は世の中にいっぱいあります」でも、「そのよい寝具が、貴方にとって良いかどうかは別問題です。」
今回の失敗で、実は前々から考えていたことを実現したいと思っています。「好みの硬さのマットを1~2週間、家でお試しで使って戴く」サービスです。メーカーといろいろ相談中です。どうなるかは分かりませんが、なんとか実現したいと思います。
「買って良かった」と思って戴くためにも・・・
また、改めて商いの難しさを痛感した爺でした。