世界遺産白神山地へ奥深く行く時間は無かった。さわりだけでもと、入口である十二湖へ行ってきました。最も有名な青池と、さらに少し奥のブナの原生林へと行ってきました。生憎天候が悪く、太陽は雲に隠れたままであり、青池の青は残念ながら精彩を欠いたように、青々とはしていなかった。
5年ほど前に行った、イタリアのカプリ島の青の洞窟のエメラルドグリーンはこの上なく幻想的であった。 天気さえ良かったならば、青の洞窟の青と負けず劣らぬ神秘の色を見せてくれたであろう。
ブナの自然林 青池
「あお」を論ずる訳ではないが、二つの「あお」を表現するなら、カプリ島の青の洞窟の色は「青」であり、十二湖の青池のあおは「碧」である。
目にも爽やかで、空気も美味しい。こんなところで過ごしていると、頭の中まで綺麗になるような気がする。夜は灯り一つない漆黒の世界となるだろう。あるとすれば、夜空の星がただ瞬いているだけだろう。
究極の寝室かもしれない。 と言いたい。
二日目の日本海は静かだ。波頭も崩れることなく海岸近くの岩場に打ちつけられる波だけが色を白く変えていた。
ペンションの前
このあと秋田との県境付近で「リゾートしらかみ」号を撮るチャンスがあったのだが、野暮なセールスの電話があって、シャッターチャンスを逃してしまった。綺麗な若い女性担当者だったから、爺もつい話し込んでしまった。野郎のセールスならすぐに切ったであろう。自業自得?
この後は、全くのプライベートな旅が続いた。
初日のペンションが気持よく過ごせたのに反し、昨夜の宿泊施設は、酷かった。町の中の唯一(?)の泊まれるところだった。釣り客や、ビジネス客(土木現場監督風?)相手の施設のようだ。酒と大声とタバコで、食事もじっくり味わう場所では無かった。旅の楽しみは「非日常性」であるといつも言っているが、「マイナスの非日常性」はあまり歓迎したものではない。だが、「マイナス」経験も楽しむ心のゆとりが持てるようになったらいいのだろうが・・・。
途中、婆の育った上小阿仁村に立ち寄り、墓参りをして帰路に就いた。永遠の眠りにつくまで、あと何年かは分からないが、今をしっかり「活動」し幼子のように遊び疲れてぐっすりと眠ろう。
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