普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

竹島問題は慰安婦問題の二の舞か

2008-08-01 10:43:18 | 国際社会

 昨日の竹島問題に関するテレビの報道とその後の新聞の報道には呆然としがっくりしそして頭が痛くなった。
 その内容は、
 米ホワイトハウス・国家安全保障会議ワイルダー・アジア上級部長は30日、記者団に対し、米政府機関「地名委員会」が日本海の竹島の表記を「韓国領」から「主権未確定」に変更した問題で、韓国政府からの抗議を受け、表記を元の「韓国領」に戻したことを明らかにした。
 同部長によると、ブッシュ大統領がライス国務長官に再検討を指示し、「現時点での表記変更には適切な根拠がない」との判断に至ったとしている。韓国メディアによれば、駐米韓国大使が29日、ブッシュ大統領に対し、表記の見直しを直接要請していたという。
 韓国側は、8月6日にソウルで行われる米韓首脳会談でもこの問題を取り上げる構えを示していたほか、ブッシュ大統領の訪問中に抗議デモが激化する事態も予想された。このため、大統領は訪韓を成功させたい思惑から韓国に配慮したとみられている。
 ただ、ワイルダー上級部長は、米政府は竹島領有権問題に関し「日韓いずれの立場にもくみしない。両国が外交的解決を図るべきだ」と述べ、米政府が竹島を韓国領と認定したわけではないと指摘した。
 これに対して、韓国大統領府報道官は31日、「韓国領」に戻したことについて、「信頼回復の結果だ。米国の迅速な措置は、首脳間の深い信頼と友情を反映したものだ」と歓迎するコメントを発表した。
   彼の嬉しさで顔がほころんでくるのを抑えながら発表の席に立ったテレビでのシーンが印象的だった。
それに対して、

 町村官房長官は31日午前の記者会見で、「米国政府の1機関がやることに、あまり過度に反応することもないと思っている。今回のホームページ上の記述の変更は、米国の立場の変更とは受け止めていない」と述べた。福田首相が表記の再変更をブッシュ米大統領に働きかける可能性については、「ない」 (平然として?) と語った
。(以上読売新聞
より)

[今回の報道が意味すること]
 これらの報道の意味するものは、誰でも同じことを感じると思うが、
・ブッシュさんが米韓首脳会談の成功のために日本よりも韓国に配慮したこと。
・米国の国家安全保障会議と言う米国の重要機関がその記述を再変更したことは、米国の安全保障上面から見ても、日韓の政府の態度から考えても、竹島問題は問題にならないと考えたか、韓国側に有利な方向に持っていった方が米国にとって有利だと判断したこと。
・米政府は竹島領有権問題に関し「日韓いずれの立場にもくみしない」が韓国側に軍杯をあげたのは、米国が「公平に見ると韓国側の方に利がある」と認めたことになる。
・少し落ち目とは言え、世界にまだ影響力がある米国の態度を変更させたのは明らかに韓国側の外交の勝利、逆に言えば日本外交の敗北だ。
・町村さんの今回の米国機関の「記述の変更は、米国の立場の変更とは受け止めていない」と言うが誰が考えても「米国の立場の変更」だ。
・「福田首相が表記の再変更をブッシュ米大統領に働きかける可能性については、「ない」と言うのは、竹島問題については何もしないで静観を続けると言うことだ。

[私の意見]
 ネット上では米国の態度やブッシュさんのやり方に対しも批判が集まっているが、私は米国が自国の利益や、自分の政権維持のために動くのは当然だし、それに文句をつけてどうしようもないと思っている。
 問題は日本が米国の態度はどうであれ、日本はそれにどう対処するかが問題だと思っている。
 日本政府は韓国の竹島の実効支配をそのまま認め続け、韓国側がますます有利にさせておいて、何時どのようにしてこの問題を解決しようとしているのだろうか。
 政府は高度の判断で、事実上韓国の領有を認めてもそれが最終的には日本の為になると判断したのなら、問題はあるにしても仕方がないかもしれない。
 然しそれなら何故教科書の解説に竹島は日本の領土だと書いて、結局は日本の外交戦略の貧しさか、戦略などが全くないことを露呈させてしまったのだろう。
 そんなことなら、初めから解説の記載を初めからしなれば良かったのだ。
 明らかに日本の外交方針がぶれているのか、または無策だと言うか何も考えていないと言われても仕方がない。

 この報道を見て喜ぶのは北方領土問題を抱えるロシヤ、日中境界線問題を抱える中国、尖閣諸島問題を抱える中国、台湾だ。
 彼らは韓国のように少々ごり押ししても、相手国との友好を優先する日本の外交方針で何もしないのを改めて(この事はとうの昔から知っていたが)知ったからだ。

 日本は米国での慰安婦問題の進展を放置して、性的奴隷の国日本の汚名を世界中に定着させてしまったが、竹島問題でもその教訓が活かされていないようだ。
 日本政府は慰安婦問題のように、竹島問題は小さいと考えているかも知れないが、これに関する外交の失敗の意味するものは他の領土問題を考えれば限りなく大きいのだ。
 
 今日本では内閣改造問題で、竹島問題どころではないようだ。
 政治家から今回の竹島問題の動きについての発言が全く聞こえてこない。
 昨日のテレビでは小沢さんが内閣改造について批判していたが、折角の記者会見の場を捉えて、竹島問題に関する政府の弱腰を批判したら良いと思うが、竹島問題で騒いでいる韓国へ行って、外国人参政権付与を約束して来る人だから、この問題の意味する大きさを知っていても言えないのだろう。
 マスコミも大手の新聞の社説を見ても、これを取り上げているのは産経だけだ。
 そして竹島問題で議論が沸騰しているのはネットの世界だけだ。

  私は竹島問題と慰安婦問題 で、まさに平和ボケ、属国ボケと言われても仕方がない人達、そして今でも外交は米国に頼っておれば良いと思っている人達が多いように見えるのに溜め息が出るばかりだ。
と書いたが、今回の動きで本当に「また溜め息がでるばかり」だ。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ
政治ブログへ