普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

第二次福田内閣の印象

2008-08-02 16:27:48 | 福田内閣

 福田第二次内閣がマスコミが注目する中で発足した。
 その中で際立ったのが、所謂上げ潮派の排除、麻生さんの登用、逃げ腰の公明党、郵政反対組の野田聖子さんや保利さんの登用で明らかな小泉、安倍路線からの転換だ。

・上げ潮路線の排除
 テレビでは竹中平蔵さんが、増税路線、ばら蒔き政策では経済発展も財政の健全化はあり得ない、農村の改革や企業に対する法人税の軽減をしないので、農村は疲弊し、企業は外国に逃げていると指摘した。
 私は農村の構造改革は賛成だし、ばら蒔き政策だけに終わるのは反対だが、今のような厳しい財政状態の下での社会福祉予算の増加と、支持率20%前後での福田内閣では、法人税の軽減など言える訳がない。
 これは圧倒的人気を誇った小泉さん時代に竹中さんが中心になって強引に実施すべきだったのだ。

・麻生さんの登用
 麻生さんは安倍さんの下で幹事長の立場を悪用されて、福田さんとの総裁選で麻生の反乱などのデマを流され苦杯を呑まされた。
 これに福田さんが噛んでいたかどうか判らないがその福田さんの下で働くのは抵抗感があったと思うが、党の危機にさいして敢えて幹事長を引き受けた。
 負ける可能性のかなり高い衆院選で敗北すればその責任を問われ、次の総裁の可能性の消えるリスクを冒しての受諾だ。
 それが彼の人柄の良い所であり、それで国民の人気が高い一方総裁になれない理由の一つだ。
 町村さんは政府のスポークスマンとして、福田さんの路線に沿ったことしか言えないので、彼の人気がない一因だが、麻生さんはその党の代表スポークスマンと言う立場と、明るい人柄と判りやすい語り口で、官僚的な発言かしない福田さんに代って国民に語りかけて貰いたいものだ。

・逃げ越しの公明党
 麻生さんと対極的な姿勢を示したのが公明党だ。
 疫病神のような国土交通省の大臣を回避して、野党の攻撃の対象になりにくい、環境大臣を選んだ。
 解散をいつにするか、海上給油を継続いるか否かなどでも自民党とは意見が食い違っているそうだ。
 その理由は不人気の自民党と与党を組んでいるための、自党のじり貧状態にあることに危機感を抱いているからだそうだ。
 私は自民党と組んだ政党がじり貧となるのは過去の歴史が示しているので、あっさり与党体制を解消して、野党として是々非々の立場に立った方が、党のためでもあり、国の為にも捩じれ国会の停滞が抜け出す道でもあると思う。

・升添さん
 これは私の持論だし、前一度マスコミでも同じ話が出ていたが、その処理量の大きさと、それが政局に及ぼす大きな影響を考えて、副大臣を複数にするなど升添さんを補佐する人を特別に人数を増やした方が良いと思う。
 これこそ正にサプライズ人事で、厚生労働省の抱える年金、福祉、医療問題解決に福田さんの決意の強さを示すものとしていくらかは支持率の向上に貢献できると思うのだが。

・高村さん
 彼の人物や経歴を見てもしっかりした人のように見えるが、日本の外交には首を捻ることが多い。
 最近では竹島問題に対する煮え切らない態度。
 拉致問題の行き詰まり。
 その基本的問題は今までの米国に頼りきりの外交方針と、話し合い路線を取る福田さんの考え方だ。
 高村さんは福田さんと話し合って、最近の米国の態度の変化、相対的な国際的の地位の低下、原油価格高騰に対する投機資金の規制や環境問題に対する腰の退けた態度などに対して日本はどうあるべきかと言う基本方針の確立をして貰いたいし、情報を収集し、それを発信する機関(或るのか否か知らないが)の整備強化をして貰いたいと思う。

・中山恭子さん (*注記)
 彼女の経歴や福田さんの話から考えると、彼女は仕事の中心は拉致問題になりそうな気がする。
 それは日本のとって重要なことだが、少子化問題にも拉致問題と同様な情熱を掛けてやって貰いたいものだ。
 少子化問題自体は国の将来を左右する大問題であるのは勿論だが、少子化問題の解決は、福田内閣の抱えている問題の内、経済発展と同様に、言うは易く行うには難いが前向きな施策の一つだということだ。
 もしこれが旨く行って、出生率の低下傾向から平行そして上向きになるなど、暗く閉塞状態の日本にとって如何に明るいニュースになり、日本人に将来の希望を持たせることになるからだ。

・茂木(もてぎ)敏充さん (*注記)
 これに関しては茂木さんの問題と言うより、今まで官僚制度改革に熱心に取り組んできた渡辺喜美さんの留任が何故なかったかたが問題だ。
 もし今度の人事でこの制度改革が沈滞することがあれば、これがまた福田内閣攻撃の火種→さらなる支持率の低下に繋がるか知れない。
 私は茂木さんが、沖縄・北方・科技相だったことしか知らない、願わくは彼が渡辺さんと同様かそれ以上の情熱を持って頑張って貰うことを期待している。

  テレビでのインタビューでは、全体として重厚な内閣だが、内閣が変わっても何も変わらないと言う意見が多かったし、私もそう思う。
 あとは新内閣の皆さんが、来るべき解散までの短い期間だが頑張って貰って、次期の選挙で民主党の攻撃に対する防戦だけでなくて、日本の将来のために堂々と政策論争を交わして貰いたいものた。

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*注記:
 これを書いたあと政界のことに詳しい産経記者の阿比留瑠比さんのブログを見ました。  
 中山さんについては、中山氏は拉致問題担当相のほか、少子化問題担当、男女共同参画担当、公文書管理担当と三つの担当を押しつけられているからです。この三つはいずれも福田氏が好み、重視するテーマであり、中山氏はこっちで忙殺される可能性があります。
 茂木さんについては、金融・行政改革担当相に茂木敏充氏を持ってきたのも、福田氏がもう公務員制度改革はどうでもいいと考えているか、茂木氏のことを全然知らないか、どちらかだろうと感じました。
と書いています。
 私は中山さんについては、阿比留瑠比さんのお考えと違って、男女共同参画や、公文書管理などはとにかく、拉致問題も少子化問題も同じように頑張って貰いたいと思います。
 茂木さんについては殆ど知りませんが、阿比留瑠比さんのご心配や私の心配が当たらないように茂木さんが頑張って貰いたいと思っています。