ブラス:政治主導の運営、事業仕分け、記者会見をオープン
マイナス:普天間基地問題の大チョンボ、日中関係の緊迫化、デフレと収入より借金の多い財政の定着化、出向という名の天下り、政権与党なのに野党並みのマニフェストなどなどなど
27日の岡田さんは記者会見で民主党政権の15カ月の成果について触れ「政治主導、経済財政、医療・介護、雇用、外交安全保障など、政権交代がなければありえなかったことだ」と一定の成果があったことを国民にアピールし、その具体例として、
・政治主導で事務次官会議を廃止、政務三役主導で政策決定をしている(仙石さんが次官同士の調整も容認 政官の連携重視へ転換を指示)
・記者会見をオープンにした(良いことですがわざわざ上げるほどのことでもないような気がしますが。)
・公共事業を対前年度比18%削減(デフレ定着に貢献)
・格差是正へ所得税や相続税の見直しを実施 (まだ案の段階)
・社会保障は9.8%、教育関係費8.2%増額(後記)
・子ども手当の創設、生活保護の母子加算の復活、父子家庭への児童扶養手当の創設(後記)などをあげた。
そうです。
岡田さん話した以外のこと
・政治主導の行政改革
国民が事業仕分けと共に全面的に支持している。
但し官僚の士気の低下、政務三役のお手並み拝見などの一歩引いた態度など問題
・普天間基地問題処理の大チヨンボと日米関係の不安定化
・それにつけ込んだ中国とロシヤの動き、特に中国との関係の悪化
・公務員制度の改革
天下り禁止にこだわる余り省内の人事の停滞化→経費の増大→天下りを「出向」と言い換えての事実上の天下りの定着化(唯一の利点は退職金の二重払いの停止だけ)
・公務員経費の2割削減(事実は公務員経費を地方交付金など他の項目に振り返るだけの公約)が全く進まない
・農家の戸別所得保障制度→大規模農業の障害→農業の弱体化の定着(の批判に大規模農家への補償金の増額決定)
・高校の無償化(産業界の需要と供給へのミスマッチによる(多分長く続くと思われる)氷河期の大卒、高卒の就職難への対応策がながないまま一律に支給、朝鮮学校対策は放置のまま)
・所得制限無しの子ども手当て(財政難の折から理念だけにこだわるのは何故?その理念とは?その財源を出産・育児施設に廻せと言う要望増大)
・中小企業に偏り過ぎた経済政策→(支援策の殆ど無い)大企業からの発注減少で苦しむ業界→最近になり法人税減税を打ち出す
・財源を考えない社会福祉政策の強化→政策経費の53%に及ぶ社会保障経費→収入より借金が多い財政構造の定着化? →次世代へのツケ回し
・地方分権殆ど進展無し
出先官庁統合の話しが出たがその後の報道は全くなし。
これから下は自民党政権からの問題点です。
・止まらない少子高齢化とそれに伴う経費の増大
・農村の止まらない衰退から崩壊への道
・先進国で稀な膨大な赤字
・中国などの台頭による経済環境の激変→平均給与低下と言う貧困化進行
・一度出しかけてまた引っ込めた後期高齢者医療制度の代案
以上思いついただけ並べて見ても、岡田さんの言う政権交代の効果は(問題があるが)政治主導の行政改革、その一貫としての事業仕分け以外は殆ど無いと言って良い程です。
勿論政権交代から15カ月しか経っていないハンデを考えねばなりませんが、今までの経過から今後を予測しても、先の見通しは全くありません。
その基本的な原因は経済環境の大激変と言う中で、民主党のマニフェストが良く言えば内向き過ぎること、悪く言えば政権獲得のためのばら蒔きという現実とかけ離れた政策がこの結果をもたらしたものだと思います。
見方を変えれば私が時々書く、現政権の政策の穴を突く野党の公約だったのが、政権を取って見ると穴ダラケの政策だったと言うことになります。
そして今は菅内閣と小沢支持グループの党内抗争。
その小沢グループは財源もないのに、民主党公約への原点回帰を持ち出して菅さんを攻撃しています。
菅さんは現実に当たって消費税増税を持ち出し小沢グループからの批判にあって引っ込めてしまいました。
民主党政権発足時にやらねばならなかったことは、官僚の助けを借りて、自民党政権の政策、特に外交・安全保障政策の継続と不具合点の見直し、それから政権を取った立場からみた自党の政策見直しでした。
事実は民主党大勝の勢いをかりていきなり政治主導と称して、今まで行政の外にいた政治家達がいきなり走り出したのですから、問題が起こらない方が不思議です。
そして民主党がこれからやらねばならぬことは、政権政党の原点に戻り、政権政党に相応しい公約への見直しと思いますが。 (賢いそして民主党に優しい国民は世論調査が示すように民主党の公約を見直しても良いと言っているのですから。)
その一方で来年度予算の実施に向けてやらねばならぬことばかりです。
党内抗争などやる暇はないはずでず。
このままずるずるとやって、万一政権陥落すれば可なりの長期間は政権復帰の目処が立たないことにも成りかねません。
自民党も敗戦のショックから遅まきながらも体制の建て直しを図っているのですから。
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