普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

これからのエネルギー政策と日本と麻生さん

2011-07-13 12:06:39 | 経済・財政
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 ダイヤモンド・オンラインで「エネルギー政策の第1の柱は省エネ、21世紀の戦いに勝つためには、固定価格買い取り制度導入が不可欠」と言う文章を見ました。
 これを話したのは東京大学工学部長、総長を経て、三菱総合研究所理事長になった小宮山宏さんです。
 彼の持論は、わが国のエネルギー政策で、まず一番にやるべきことは、効率の改善によるエネルギー消費の削減です。2番目が再生可能エネルギーを増やしていくこと。そのために、固定価格買い取り制度をいれる。3番目が化石資源の効率利用。4番目がどう安全に原子力を活用するかだそうです。
・原子力の大きさを過大視しても、軽視してもいけない
 日本では原子力は1次エネルギーベースで10%、発電電力量ベースでは30%弱を占めている。だから、エネルギー政策全体の中では、原子力を過大視してはいけない。
・ただ一方で、1次エネルギーの10%が突然すべて止まったら、社会や経済が成り立たたない。現在、54基ある原発のうち19基しか動いていないが、この状態が長く続くと日本の工業生産が成立しない。
・省エネはすべての人にいい結果をもたらす
 最大の「電源」は省エネだ。その省エネルギーには2種類ある。一つがエアコンを使わずに扇風機にするとか、設定温度を28度にあげるという、いわゆるライフスタイルを変える「我慢」。速効性という意味では、これも大変に重要だが、量的に本当に効くのは、効率化による省エネルギーだ。
 典型的なのは冷蔵庫で、この20年でエネルギー消費は5分の1になっている。エアコンも60%減っている。だから、古い冷蔵庫やエアコンを買いかえることが、省エネに非常に大きな効果を発揮するのだが、これが意外と理解されていない。
 私の友人が古い冷蔵庫を買い替えたところ、電気代が年間に5~6万円も減ったと言う。
 人はおカネが余ると銀行に預けるが、いまは金利がほぼゼロに近いので14万円は14万円のまま。14万円で古い冷蔵庫を買い変えると、年間で2万円の電気代が浮くので、個々人にとってみれば、銀行に預けておくよりずっとよい投資になる。
7年経ったら、銀行に預けてあった14万円は、電気代の自動引き落としでゼロになっていますが、冷蔵庫はなくなりません。
 しかも、省エネ機器の購入が増えれば、日本のインダストリーは活性化する。窓を二重化すれば、ガラス産業や住設産業、リフォーム業者も活性化する。唯一困るのは、電力の販売量が減る電力業界だが、日本全体で見れば、海外から買う燃料も減るので、明らかに得だ。
(以下省略しますが、若し宜しければ本文を覗いて見て下さい。)
[私の意見]
 私は小宮山さんの考えを読んでいる内に麻生内閣のエコポイント制度をすぐ思い出しました。
 小宮山さんは、省エネ機器の開発と普及が日本のエネルギー政策の第一歩であり、その政策、販売がいかに経済の活性化にも繋がるかを指摘しています。
 そして事実エコポイント制度が、リーマンショックで低迷する日本経済を少なくとも低迷を防ぐ政策として有効は働き、野党時代に麻生さんをあれだけ攻撃して来た民主党も政権を取って以来どれだけエコポイント制度の恩恵を受けて来たか判りません。
 一部の識者の中では麻生さんの政策の評価をする人もいますがごく一部です。
 現実は麻生さんの漢字の読み間違い、発言のブレなどのマスコミ、特にテレビの大キャンペーンのお蔭で彼はすっかり過去の人状態になって仕舞いました。
 彼の経済政策では連立を組んだ公明党提案の定額給付金と例の国立マンガ喫茶では散々当時野党の民主党やマスコミから叩かれて来ました。
 私も定額給付金は反対でしたし、国立マンガ喫茶での国会答弁で、官僚ばかり答弁して、肝心の文科大臣が一言も喋らなかったのに呆れてしまいました。
 これから考えるとエコポイント制度も多分官僚の発想かも知れませんが、良く言われるように、政治は結果が総てで、その点麻生さんは評価されても良いと思うのですが。
 麻生さんの言うように、いかに官僚を旨く使って成果を上げるかが、政治家の仕事だと思うのですが。
 その点から言えば菅さんはその真逆の人で、官僚を信頼せず、アイディア乱発で丸投げ、そのいずれもが殆ど手つかずでは、政治家として批判されても仕方がありません。
 唯一彼の仕事でなんとかなりそうなのは、福祉と税の一体改革ですが、肝心の成案に対して党内からの猛反対で頓挫しています。
 もし彼が前に乗り出して、所得税増税にまでこぎ着ければ、何かの雑誌にあったように、大きな仕事をした政治家の一人として吉田さん、国鉄の中曽根さん、所得税の竹下さんと並んで彼の名が出るかもしれないのに、何時もの丸投げで放っています。
 麻生さんと同県の私として麻生さんのために残念だったのは、彼の時代に起こったリーマンショックの時の対応です。
 日本の銀行は日本のバブルの失敗に懲りて、米国の住宅バブルでは一歩退いた立場を取り、結果としてバブル崩壊後も日本の金融だけが何とか健全な状態を保つことが出来ました。
 私は日本の銀行の慎重姿勢を知っている麻生さんが、米国政府や日本の企業に今のうちに対策を取れと助言または指導すべきと、何度も投書したのですが。
 もし彼が適切な対策を打っておけば、日米の力関係で米国のバブル崩壊は止められずとも、彼の名を世界に知らせることができ、日本でも大量のリストラも回避し、そして日本だけの円高の苦しみをいくらかでも避けられたかもしれなかったのは残念でした。
 つい年寄りの愚痴になりましたが、小宮山さんの意見と日本の現状からから考えて全体的に言えるのは、日本は日本独自の立場で物事を考え対処することです。
 もう小泉さんのように無条件の米国一辺倒や、今回の菅さんのように反原発のムードを利用して、何も考えずに国の方向を定めようとするなどからもう卒業しても良いし、しなければならないと思うのですが。
 
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