普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

現地の要請と乖離した政府の原発事故調査委員会?

2011-07-28 16:44:53 | 菅内閣
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柏崎原発の再開に就いて福島第一の事故原因の究明を求める新潟県知事と、その究明を後回しにした政府の事故調査委員会

再稼働要請、新潟県知事「福島の検証なく論外」
 海江田経産相が停止中の原発の再稼働を求めたことを受け、東京電力柏崎刈羽原子力発電所が立地する新潟県の泉田裕彦知事は18日、「福島原発の事故原因の検証も行わないまま、経産相から安全性を確認したとの談話が出された。この談話は論評に値する内容を何も含んでいない」との談話を出し、再稼働要請は論外との認識を示した。
 東電柏崎刈羽原発は2007年の新潟県中越沖地震で全7基が運転を停止し、2、3、4号機は現在も、停止したままになっている。

 なお産経によれば、次のように紹介しています。
全国の原発に対する原発の安全性を評価するストレステスト(耐性検査)について「やらないよりはやった方がいいというレベル。福島第1原発事故の検証が終わっておらず、これを考慮に入れないのなら気休めでしかない」として、原発再稼働の条件にはならないとの考えを示した。
 泉田新潟県知事の原発再開の条件として福島第一の事故原因を究明し、柏崎刈羽原発の状態と照らし合わせてみて、再開の有無を決めると言うのは、まつたく当然の考えだと思います。
 一方、福島第一の原発事故の原因の究明する内閣府設置の第三者機関「事故調査・検証委員会」の方針は意外なものでした。
 8日、都内で2回目の会合を開き、事故調を構成する各チームの調査・検証項目を決めた。「事故原因等調査チーム」は事故後の対応に主眼を置き、原発のベント(排気)作業などの対処や意思決定の実態解明に乗り出す。
 畑村委員長は会合後の会見で、「次回までに聞き取り調査を進め、全体像をとらえたい。どういう指示があったか、誰が判断したか丁寧に聞いていきたい」と述べた。次回会合は9月27日を予定している。

6月7日:第1回会合:委員会メンバー発表
 検証の焦点は〈1〉政府と東電の初動対応〈2〉政府による避難指示など被害の拡大防止策〈3〉これまでの原子力行政のあり方――など
7月8日:第2回会合、「事故原因等調査チーム」は事故後の対応に主眼を置く
7月18日:新潟県知事の「福島原発の事故原因の検証がないので柏崎原発再稼働の要請は論外」発言
9月27日:第3回の会合、「事故原因等調査チーム」の次の方針決定
 詰まり今電力不足、節電、産業の空洞化が叫ばれててる緊急事態なのに、福島第一の事故原因の調査を行う予定の機関は政府の事故調査・検証委員会だけ、しかも「事故原因等調査チーム」は9月27日までは「事故後の対応に主眼」を置き、同日以後の事故原因の調査はどうなるか判らない状態です。
 だから少なくとも10月までは、東電柏崎、玄海など他の原発の再稼働はなく、電力不足の状態は続くのでしょう。
 増して今後の原発輸出への強力な材料となる、福島第一で得た貴重なノウハウは盛り込めないままとなるのは間違いないと思います。
 私は週刊誌などのように穿ち過ぎるのは嫌いですが、菅さんは緊急を要する原発の事故防止策の解明して安全な原発にするよりは、事故調査委員会の活動を通じて、ゆっくりやっても良い、政府と東電の初動対応、政府による避難指示など被害の拡大防止策、これまでの原子力行政のあり方の究明などを優先し、原発の事故後の対策の難しさを浮かびあがらせ、反原発のムードを更に盛り上げようとしているとしか思えないのですが。

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