私は今回の北アルプスの遭難にあたって7日に「北アルプス遭難・高齢者が考える高齢者の登山」を書きました。
その後の報道で事実が少しづつ判って来ましたので、私の考える高齢者の登山の計画と行動と、今回の事実(青字)を比較して見ました。
これは前にも書きましたが、遭難者の非を追求するのでなくて、あくまでも高齢者の登山者の事故予防の意味で、私の考えと今回の現実を対比したものです。
その内今回の事故と無関係とところもありますが、あくまでも一般論としての考え方です。
・高齢者の弱点の補い方
体力の低下に気を配る
ガイドブックの標準タイムは通常10%程度の余裕を見て書いてあるので、その標準タイムから遅れ出したら、近郊の低山専門にするとか、2000m以下の山に行く場合は、標準タイムに体力相当の10~20%の余裕を見て予定を組む。(追記:山岳ガイドの会長は若い人の倍位の余裕を見ろと言っていますが、余裕の見過ぎで、もしそれだけしか体力が無ければ、北アルプスの春山は最初から避けるべきです。)2000m以上の山は余程の好条件以外の場合を除いて諦める。 (以下は北アルプス以南の山を考えています。) (「栂池ヒュッテ」から白馬岳の山頂までは上り坂が続き、夏山で若い登山者でも7~8時間かかる。白馬岳などの山荘に常駐する捜索隊員の男性は「まだ雪が残る今の季節に60~70歳代で登頂するのは難しかったのではとの意見、別の報道では長野県警は計画に無理が無かったと違う意見。)
・日にちの選びかた
原則として天気予報で晴天が3日続いた日の真ん中の日を選ぶ
前の条件で行く日が曇りでも行けるとき→近郊の低山で簡単な雨具持参
2日以上の山行の場合天候が変化した時は天気予報の報道を優先する→雨や天候の急変の予想のときは以後の予定は中止する(出発地の栂池ヒュッテの人は到着のグループに明日の午後から雨になると告げている)
・山の選び方
ガイドブックで同じ所要時間で登れる山でも、1.000m以下と2.000以下、それ以上の山は別の山と考える。
特に春・秋の小屋泊まりの2,500m級以上の登山の場合は天候の急変で冬季登山に準じた準備をする。場合によりピッケル・小型アイゼンなど用意しておく。勿論経験者の同行は不可欠。 (遺留品の4個のリッュクからから冬山の装備をしていたことが判る。ただ途中で擦れ違った女性登山者の話しではリュックの様子から冬山の装備をしていないのではないかと言っていたので、見つからないリュックでの装備は不完全だったかもわからない。)
2日以上の山行での曇りが予想される時は(登高中で天候が急変したとき含む)ガスのために方向側から判らなくなる可能性のある岩山、草山や高原、雪山の登山は中止(撤退)する。 (出発時は晴れ、天候が急変したが撤退しなかった、または出来なかった)
・団体で登山するときの注意
参加するまでは個人主義に徹し他人に迷惑をかけるなどとして無理に参加しない。←登山中に大迷惑をかかかけるより遥かに良い(先のリュックのようすから見れば初心者が足を引っ張った可能性があるが不明)
例えば身体が不調になったとき、リーダーの天候の判断が甘すぎると思った時など。 (当時天候が荒れ模様になる予報があった)
その代わり一旦参加したらリーダーの指示に従い個人行動は取らない。
・登高中の注意
若い人やベテランに負けまいとして無理をせずに自分のペースを守る。(団体のとき他の人達のペースに遅れそうな時は参加しない。)
登高中の天候の急変した時、(始めての山などで)途中でも予定時間より20%近く遅れていることに気付いたときは、高齢者の場合は下山を原則とする。 (天候が急変した、私の予想では予定時間も遅れていたと思うが不明。いずれにしても撤退しなかったか、出来なかった。)
・頂上や小屋に着いたとき20%程度の余裕を残した登り方をする。←ぎりぎりの体力で登ることは万一の場合の遭難に繋がることを意味する。 (成り行き、行程からみて余裕は全くなかった。何時も20%前後の余裕があれば撤退、または例えば後1時間位で到着する目途があり道を熟知している場合に強引に歩くことも可能になる、報道によれば後2時間で着く距離で遭難)
・高齢者の為の疲れない登り方
呼吸→吐く吐く・吸う吸う(この場合意識して吐く方に集中)のリズムに併せて疲れない歩幅で登る。これで200歩歩いて急坂などのため息が切れだしたら、同じリズムのまま治るまで立った10~20歩分数えて休む。
気持ちの中では休憩中も同じリズムを保つ、勿論、息が切れないときはそのまま歩く、休むときは人が追い抜くなど気にしない。→これで普通は標準タイムと同程度か5%遅れる位。)→詰まり登山の時も有酸素運動
リズムを保つことが疲れない条件、自分に合った歩幅とリズムを研究すること。
リズム確保のために転ばないこと、休憩中に物忘れして引き返さないこと、若い人たちに負けん気を出さないこと。
・体温の上昇(場合によれば低下)の時、服の調節をこまめに行う。
そのため調節がしやすい服やシャツを選ぶ→疲れや面倒なための手抜きは、体温の上昇によるエネルギーの消耗に繋がり、低下のときは極端な場合死に繋がる>。(衣服の調節が遅れたか、私の予想では疲れや予定の遅れのため着替えが遅すぎ、低体温などの障害で出来なくなった。こまめで早めの着替えが必要)
・下山の注意(省略)
単独登山の危険性が良く言われますが、団体登山もそれなりの危険性を持っています。 その特徴は団体の人達の人間関係の問題です。
隊員の人達は他の人達に迷惑を掛けないとして体調や天候の不安など押して参加して結局迷惑をかける。
リーダーは一般のグループでは隊員装備不完全のチェック我おろそかになったり、天候の急変や一部の隊員の思わぬ不調でも責任感から予定の行程を無理に進めようとするなどなどです。
単独の場合の事故の確率を1とすると3人で行けばその確率は3倍になります。
団体の時はその事故は単独と違って互いに助けあいで凌ぐことができますが、今回の事故のように多人数でも凌げないこともあります。
単独のときも団体の時も山行きでは事故はつきものと言う考え方で、お互いに、特に高齢者の場合は慎重な計画と行動で安全な登山を楽しみたいものです。
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