普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

素人が決めるエネルギー政策の危険性

2012-12-13 21:36:32 | 電力、原発

・一番原発に詳しく一番原発の安全を願っている原発の現場の人達を抜きにしている日本
人気ブログランキングへ ブログ村政治ブログへ
ツイッターで次のようなツイートを見ました。
エネルギー戦略の一手法に過ぎない「原発」に争点を矮小化し、エネルギー戦略という「国家百年の計」を専門家ではなく国民に聞くポピュリズムの狂宴もそろそろ終わりを告げて欲しいです。「手段の自己目的化」と「ポピュリズム」の融合によるこの大人災は、歴史の教訓に刻み込むべき
 政府が新たなエネルギー政策を決めるために、この面ではズブの素人が大多数を占める国民から集めた、30年の原発割合を「0%」が87%などの数字に達していたパブリックコメントにより今後の方向を決めようとする誰が考えてもおかしいし手法に対するの批判です。
私もたまたま原発の現場の人が全く出て来ない原発再開論議と言うエントリーで、これまでの原発事故に関与してきた人達の原発に対する知識の有無やそのレベルに就い考えたことがあります。
そして私が見る限りズブの素人から原発の一面しか知らない人達が原発を含む今後のエネルギー政策に関与をしてきたことを知りました
 先ずそう言う私自身の原発の知識です。
 私は大型の石油化学プラントで火力発電所を含む設備の保全に当たって来ました。
 原発にも厳しい放射線管理の元で2度見学をしました。
 勿論原子炉とか燃料プールなど原発特有の機器の運転保全に就いては何も知りません。
 然しその計装、電気を除く原子炉の周辺機械関係の機器や設備に就いては50年の経験を持っています。
 だから私は原発については半素人です。
・事故後の処理では菅さんなど動きが問題に成りました。菅さんは東大の工学部だと言っていましたが、私ども現場出身者かみれば机上の学問の知識では素人同然です。
・事故後東大の某名誉教授が玄海原発の壁の脆性破壊強度が落ちているから、停止時に急冷すれば爆発があると言い出して問題に成りましたが、福島第一と玄海の原発の型式が違うので急冷することはありませんし、爆発する程の温度では炉はまだ脆性限界より遥か上の温度を保っているので破壊することはありませんのでこの論議は消えてしまいました。彼は金属材料では権威ですが、原発では素人同然です。
・その後政府と国会の原発事故調査委員会が組織されました。
 中には原子炉の権威からパプリツクコメントの発想でしょうがズブの素人まで混じっていました。
 然し原子炉の権威といっても、周辺機器に就いてはズブの素人です。
 そして事故は緊急電源、外部電源、タンク類の流出などの周辺機器で起こっているので私と全く逆の意味で原発全体の事故調査には半素人です。
 また原発の運転、管理などの手法の問題が事故のもう一つの原因となっていますが、運転管理や設備保全などから見れば全くの素人です。
 私はこの面では中・下級管理者でしたが一応のプロですが原子炉の権威はスブの素人です。
 福島第二では緊急電源を第一のようにタービン建屋でなくて防水性の良い原子炉建屋に移しました。
 第一でもその話しを聴いている筈で、それなら何故第一も原子炉建屋に移さないかと言う話が出るはず、それを経営陣がどう処理したのかなどや、東電が突出して多い原発の不具合の隠蔽体質から、今回の事故は最初は90%、その後の報道から最近では99%経営陣に責任があると書いて来ましたが、政府・国会の事故調査委員会の報告の概要を見る限りでは東電の経営体質には殆ど触れられていないようです。
 そして現実には福島第二は女川と同様に何とか無事停止しました。
 偶然ですが今日の「クローズアップ現代」で東電自身が、経営体質の問題について検討のプロゼトを作っているそうです。そして経営陣もプロゼクトの人達も今まで全てに渡り原発の稼働率優先で処理されたことを反省しているそうです。
 この様な現場の実情を知っている人なら直ぐ気付く問題に気付かない事故調査委員会。
 それなら原子炉を含む原発の運転・設備管理の専門家は誰かとなりますが、それは運転現場の技術者です。
 政府には保安院の人達がいますが私たち現場のものから見れば、上辺だけ大まかに知っているだけて使い物にならない人で、事故原因の真髄まで追求には役立ちません。
 私は政府の事故調査委員会のメンバーを知って、国会の委員会が出来ると言うときに選考委員の国会議員に、他の原発の人でも良いから現場の人を入れることか、保全管理の全国的組織の、日本プラントメンテナンス協会の支援を受けることと、同じ災害に合って無事停止した女川原発も比較調査することとメールを送りましたが勿論無視されました。
 そして結果はどうでしょう。政府・国会の事故調査委員会の報告に、一年かかって調査したのに事故調査を継続的に進めることと提案をしている、その報告書は店晒し。
 現在原子力規制委員会で安全基準を作っていますが、その基本データは私から言わせれば、半素人の保安院が作った20項目の指導項目位しかありません。
 一方IAEAはプロの技術者を投入して福島第一を先ず調査して、絶えざる検査とその対策のアップデイトをするようにと言う私も納得する提案を政府に出し、さらには女川も調査して、想定外の地震にも津波に耐える原発を見て今後に残る前向きの大切な情報を得たと事前報告をしています。
 それに依れば正式報告はもう出ている筈と思いますので、規制委員会はそのデータを参考にして安全基準を作っているのかも知れませんが報道されていません。
 私が現場の当事者だったら、そして多分国内原発の技術者は、今回の事故を教訓にして、あらゆるデータをかき集め、規制委員会の基準とは別に自分達で、或いは他の原発と協力して、独自の安全基準を作っていると思います。何しろ自分の身と会社護るためには規制委員会の基準など待って居れないからです。 (なお私の場合の経験に就いては前記資料をご覧下さい。)
事故発生時色々物議を醸した菅さん以下の政府関係者、大まかなことは知っていても現場の細かいことが判らずうろうろする保安院の人達、何かと言えば人の所為にする安全委員会の人達、半素人の大学の先生やズブの素人を事故調査委員を任命した、素人の政府関係者や国会議員。
・一番現場を知っている原発の運転や保全の関係者は蚊帳の外。
・規制委員会の委員にも半素人と本物の素人。
・原発反対を唱える福島さんや一部文化人と言われる現場も経済も知らない人達。
・パブリックコメントなどエネルギー問題解決の責任原発など何も知らない国民にもオッかぶせようとする民主党政府。
 何もかも半素人とずぶの素人で国の根幹を左右するエネルギー問題が進められようとしています。
 この一因は原発、それを持つ電力会社、それに関わった学者など皆悪のレッテルを貼って排除してきた人達。その人達に押されて反原子村の半素人やズブの素人を集めてことを進めようとする政府。
 本当は日常放射能の危険に曝され、ことあれば自分の生命に関わることで日本で一番原発の安全を考えている人達、そして原発のことは大学の先生や政府関係者、安全委員会、保安院の人たちの全てより現場に詳しい現場の人達。
 原発問題を考えるのに一番頼りになるのは現場の人達なのに、彼らも簡単に「悪」のレッテルを貼って疎外している日本。
 これでは録な安全基準が出来る筈はありません。
 その一方で世の批判に曝されながらも密かに、自分の身と会社を護るために現場なりの安全基準を作る現場の人達。
 何か全て狂っていると思いませんか。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治・人気ブログランキング