・現場を一番に知り、放射能の怖さを一番に知っている原発の現場の人を安全基準の作成に登用すべき
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大飯原発3、4号機の暫定的な安全基準で再稼働したことに対して、福島第一原発での事故の教訓を踏まえた安全基準ができない段階での運転再開はおかしいと、再稼働手続きの取り消しを求めた住民の訴訟に就いて,大阪地裁は門前払いにしたとして、朝日が批判をしています。
大飯原発判決―定期検査は何のためか
野田政権が再稼働を認めたのを受け、大飯原発は定期検査を終えて、本格稼働した。
そこで住民側は、政府が交付した定期検査終了証の取り消しを求める行政訴訟をおこした。
裁判で国側は、安全問題に深入りせず、定期検査には、原子炉の初運転前の検査のように安全性を確認して「合格」とする概念はなく、終了証は検査が終わったことの通知にすぎない。
判決はこうした主張を認めた形だ。なんとも釈然としない判断だが、はからずもこの裁判で、安全神話に立脚した電力会社頼みの定期検査であることが浮きぼりになった。 定期検査は電力会社が主体で、国は検査内容に不備がないかを点検する仕組みだ。
機器類の点検が終われば原子炉を再起動でき、検査終了証は実は名ばかりだ。
国はこんな再稼働手続きでも、福島第一原発事故を経験した私たち国民に、安全だと胸をはるのだろうか。
原子力規制委員会は、新しい安全基準を来年7月ごろにまとめる。
新基準に基づいて再稼働の審査に入る方針だが、定期検査での安全確認の仕組みの改革も不可欠だろう。
安全点検がほとんど事業者まかせの態勢では、新基準ができても、とても安心できるものではない。
火力発電所を含む大型石油化学工場の設備保全に担当したものからすれば、朝日新聞の指摘は全くの素人の的外れな批判です。
定期修理のときにも官庁から立ち会い検査に来ます。
私たちの経験した範囲で言えば高圧の可燃性のガス機器の検査をする経産省と、主として高圧の蒸気機器の検査をする厚労省の係員です。
経産省の係員は余りにも数が多すぎる機器のの検査ですから、一日工場を巡回して後は工場からの報告書の書類審査だけで終えます。
厚労省の場合は高圧機器の中に一々もぐり込んでの検査ですから、時には数日かかるときもありますが、配管や計器、計装機器などの立ち会い検査はなし、私は直接に係員と接触していないので判りませんが、配管以下の機器の検査報告書する提出していないと思いますし、仮に提出してもその報告書から検査ミスや洩れを発見するのは至難の技でしょう。
現場の管理者ですら結局は係員や対象により下請けの報告を信頼するしかないのですから。
原発の場合は経産省所管ですが、係員が現場での機器の内部から電気、計器、計装機器まで自らチェックするなど不可能だし、もし部分的にやるとしても厖大な要員と手間がかかります。
規制委員会の安全基準も現場の人から言えば、その基準を護れば原発が安全に動くなど少しも思っていないと思います。
それは仮に正しいとしても現場の人達の最低限の指針であって、使い物になる基準はその指針を参考にして更に詳しい安全基準をつくらねば、原発の安全運転は出来ないと思っているに違いないと思います。
私たちの場合も昔の原発のように外国からライセンスを貰い、建設の基準をエンジニアリング会社から貰って建設、運転、保全をした経験があります。
そして初期の工場は故障続出した経験を踏まえて建設・保全の担当者が建設・保全基準を作りました。
一番簡単な配管を取り上げてもバルブを何処にどのようにしてつけるか、そのバルブの材質、構造、万一の時の仕切り板(現場で言うめくら)の要否、溶接工の資格などなどなどや、それに伴う工場規定の見直しなど。
結局、私の担当の機械設備関係の建設・保全基準だけでも約1000ページ近くになりました。
それに電気・計装関係の建設保全基準ですし、運転も運転マニュアルの見直しをしなければなりません。
この様な詳細な安全基準を原子力規制委員会がいくら人員と時間を投入しても出来る訳がありません。
ここまで読まれてお気づきになられた方もおられると思いますが、やはり既設の原発の安全確保のためには、運転・保全・安全管理に一番詳しいし、原発の怖さを毎日身に沁みて感じている原発の現場の人に頼るしかありません。
今回の安全基準の問題は、本来ならば私が都度書いたように、事故調査委員会の委員選定の時から現場の人達を入れるべきなのに、「原子村」の住民として排斥されたのでしょうか。
だから現場育ちの私からみれば、素人の政府や国会が、原子炉は詳しくても、今回の事故の原因となった、外部電源、緊急電源設備、注水ポンプの運転もメンテナンスも知らない、現場の人から言わせれば、半素人から本物のズブの素人の事故の調査委員を任命し、結果はその報告書を店晒しにし、上辺しか知らない半素人と素人の原子力規制委員会が安全基準を作っています。
結局彼らはIAEAの基準と、半素人の保安院の指導項目を頼りにした基準を作っているのです。
そしてその現場を知らない自信の無さと、責任回避の現れが今ツイッターを賑わせている、40万年前の活断層の上の原発禁止の話です。
私は自民党の脱原発の慎重姿勢に賛成です。
もしそうなら今からでも原発の運転、保全の経験者を何らかの形で安全基準作成に参加させてはどうでしょうか。
現場を知らない無茶苦茶な厳しすぎる、的外れの基準ができれば、次々、または一挙に原発停止になり、朝日や一部の脱原発賛成者を喜ばせ、安倍さんの円高政策によるなお一層の燃料費の高騰など日本経済がガタガタになるかも判らないからです。
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