3月3日、NHKで「いじめ」「日本の、これから」の放送があった。
その内容は、NHKの紹介文を借りると、
「日本の、これから」では、行政の責任者、現役の教師、保護者、そして中学や高校に通う生徒のみなさんによる長時間討論を通じて、深刻ないじめをなくすために誰が何をしなければならないのか、徹底的に考えます。
だった。
<<NHKの「いじめ、日本の、これから>>
さすがにと言うか、思った通りと言うか、NHKらしく、「日曜討論」のように問題点を出し、関係者の意見を満遍なく聞くだけの番組だった。
そして、いじめは悪いことだと皆の意見が一致したこと(唯一の進歩だ)のほか、結論らしい結論は出なかったが、討論の中ではっきり判ったのは、
1.学校の教師にサラリーマン化、お役人化した人がまだいること。
2.教育委員会の存在感が希薄なこと。
3.学校から文科省までの教育関係者が、いまだに奇麗事で済まそうとしているこ
と。
4.生徒達が学校、家庭から孤立していること。
そして、最後の「他に責任ばかりかぶせないで、子供達を判って下さい。」「子供達の言うことを聞いて下さい。」の子供達の発言に皆が拍手して、何となく決った感じで2時間に渡るフラストレーションの残る討論会が終わった。
然しこの討論会で一番問題になったのは、如何に苦しんでいる子供達の心をくみ取るかだった。
つまり、子供達が殻に閉じこもっていて、学校や親達に心を開かないのが、問題の解決を難しくし、遅らせる一番の問題なのだ。
子供達は自分達のことを棚に挙げて、心を開かない原因の責任を大人達に問うているのだ。
勿論私は、この事で子供達の自分勝手さとか、発言の矛盾を突くつもりは全くない。
何故なら彼らにこう言う発言をさせる環境を作ったのは大人達だからだ。
私は昨日のブログで、「昔流の子育て」の提案をした。
それは、一部暴論と見えるところもあるかも知れないが、もし、その通りにいけばいじめの数も減り、もし起こってもその解決も難しくない筈だ。
然し、いじめ関連に絞って言えば、私の説に、次のような現実がある。
1.中学生までは個室を与えない、高校生には与えてもドアなしの個室にする。
子供を密閉空間に置かない。
高校生までは個人のプライバシーより家族間のコミュニケーションに重点を置く。
いじめなどあった時に、自分の世界に閉じこもらせない環境をつくる。
そして、子供達が、家族達皆といつも居間にいて、自然と話せる環境にする。
子供にいつも家族がいるという気持ち を持たせる
現実:プライバシー重視と言うことで、子供を個室と言う密閉空間に籠もらせる機会を与える。
2.インターネット、携帯の使用制限をする。
現実:これらを子供達に与えて、保護者として、当然知って置かねばならぬ世界に子供を入れてしまう。
3.夕食後のテレビは時間を決めて、家族一緒で見る。
それについての感想や意見の交換をする。
現実:家庭によっては、肝心の親が遅く帰ってくるので折角のコミュニケーションをとる 暇がない。
また長期出張や離婚などで、片親状態のときもある。
4.出来るだけ2人以上の子供を産み育てて、家の中に子供社会を作ってやる。
子供が自然と社会生活のルールや自治に慣れてくる。
現実:少子化で家庭内、地域での子供社会の消失。
社会生活に必要な訓練を受けぬまま、いきなりコミョニテイーから隔絶した、学校内で教師達とかけ離れた密閉空間である子供社会 に入る。
これで問題が起こらねば可笑しい。
「チクる」と言う言葉が生徒の間で流行っているように、生徒達は自分達の間の密閉社会の出来事を学校、家庭と言う別の社会へ言うことを密告と言う恥ずかしいことのように思っている。
勿論この文の流れからは逸れるが、学校でも、教師、生徒一体の社会を形成して貰いたいものだ。
生徒によっては、家族意識が薄いために、皆で助け合う、困った時は助けて貰うと言う気持ちが湧かずに独りで悩む。
5.社会生活をスムーズにするしつけ規則や規律を重んじる子、思いやりのある子にする。
現実:教育の責任を全て学校に任せる。
親達が忙しすぎて、その暇がない。
または始めからその考え方もない。
7.中学までの家での勉強に父兄も加わることで、コミュニケーションの機会を増やす。
現実:親達が忙しすぎて、その暇がないか、その意欲もない。
と言って学校も当てにならぬので、塾に頼る。
<<いじめ問題解決を阻害するもの>>
以上の色々な原因、またその原因を纏めると、
子供社会の縮小、
←少子化
←コミュニティーの縮小
少子化
←核家族化←産業の拡大に伴う転勤
←育児より自分の生活優先の若者の増加←強い権利意識、弱い義務意識
←戦後教育
←育児が難しくなる←女性の雇用機会の増大
←出産、育児の重要性の軽視←女性の雇用機会の増大
←仕事をしない女性は遅れているという考えの拡がり
家族感のコミュニケーション機会の減少
←残業、出張の増加←合理化←企業間の競争の激化←市場経済主義
←女性の雇用機会の増大
←家族間のコミュニケーションの重要性の認識不足
<3日発表の内閣府の「低年齢少年の生活と意識に関する調査>
子供の悩みを「知らない」「殆ど知らない」父親67%、母親34%
中学生の悩み「勉強ゃ進学」61%、「友達関係」20%
学校任せの教育←強い権利意識、弱い義務意識←戦後教育
←忙しい親達←残業、出張の増加←合理化←企業間の競争の激化
←市場経済主義
子供社会の密閉化
←子供部屋を持った家庭の増加←過度のプライバシー意識
←強い権利意識、弱い義務意識←戦後教育
←子供が自分の殻の殻を持つ←インターネット、携帯の発達
<<いじめ問題解決への道>>
上の幾つかは、特に現在の社会をもたらしている、経済活動については、指導者が将来を見据えた、大きなビジョンを持って貰わねば解決出来ぬこともある。
そのためには、「政府が傷だらけになる覚悟と勇気」が必要だそうだ。
果たして今の政府にそれが期待出来るだろうか。
日本の経済活動の長期戦略
しかも、教育再生会議が提案されたことについても、批判が起こり、国家斉唱など、どの国でもやっていることに、裁判を起こすことが出来る民主主義の国日本だ。
<<若い人達へのお願い>>
後は当事者である、若い人達自身で考えて、自分なりのしっかりした考えを持って、行動して貰う他に、いじめや、少子化問題の解決の道がないような気がします。
どうか、子供のことより、自分の生活優先など、自分さえ良ければ良いと思わないで下さい。
そして、無責任なテレビ朝日のコメンテーターが言った様に、本人が満足しておれば、それで良いのではないか と、皆がそう思ったら、日本の社会や国がどうなるか 考えて下さい。
少子化問題解決を妨げるもの
いじめ問題についてのまとめ
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