4月10日は天皇皇后両陛下ご成婚55回の記念日。喜ばしいことです。
私にとってもこの日は忘れることのできない大切な日です。
昭和26年3月中学を卒業した私は、その年の4月10日。熊本の電気通信省熊本電気通信学園に入園しました。入園式では「電気通信省事務員補」の辞令書を戴き、晴れて公務員としての第1歩を踏み出した記念の日です。
当時は門司(現在は北九州市門司区)に住んでいたのですが、門司~熊本は今でこそ新幹線で1時間で着くのですが、当時は汽車で7時間はかかったと思います。15歳の少年にとっての就職は生まれて初めての大旅行となりました。
学園は全寮制でした。寮は木造2階建て、15畳の部屋に8人が入ることとなりました。大人のような高校卒の方と一緒です。食糧難の時代でした。いつもお腹をすかしていたものです。思い出すのは入寮の日のサラメシ、コッペパンが一つと、お皿の底を少し隠す程度の脱脂粉乳のミルクでした。
通信士になるための研修を受けるのですがそれは大変でした。周囲について行くのがやっとのこと、毎日のように試験があります。つい弱気になって、いつ投げ出そうかと子ども心に悩んだことが昨日のことのように思い出されます。
9月間の研修を終えて門司に配属になったのですが、15歳といえばまだこども、よく我慢できたものだと、今になって我ながら感心しているところです。
昭和51年のこれも4月10日。会社の指示もありましたが、人吉ロータリークラブに入会させていただくこととなりました。ロータリークラブがどのようなものか、入会するまでは知るよしもなかったのですが、ロータリアン各自が、職業を通じて社会に常に奉仕することを学びました。そのことは、その後の生活にずいぶん役立ちました。
人それぞれに記念すべき大切な日があります。忘れることのできない思い出もあります。そのすべてでは ありませんが、周囲を取り巻く人たちとの触れ合いにより出来あがるものではないでしょうか。
50年にわたってのサラリーマン生活を元気で無事に終えることができました。それはみなさまのおかげと深く感謝しています。