夜明け前の東の空は茜色。今日は多分暖かい小春日和だろうと、急に爽やかな気持ちになる。思った通りの小春日和に誘われ、久しぶりに街へ出かけることとした。別に買い物などはない。ウインドショッピングとでもいうのだろうか。ゆっくりと街を歩く。
お昼をどうするか。駅の近くのそばやさんはどうだねと“うちの奥さまに”尋ねると奥さまの顔がほころんだ。行きつけのそばやさんは熊本駅の近く二本木にある「東庵」。
のれんをかき分け店をのぞくとお客はわずか。店にはお寿司も麺類もある。メニューを見ながら考えた。
何を食べたいのか2人ともよくわからない。しきりに相談するが、そばでもない、すしでもない。最後は「店の名物ちゃんぽん」ときめた。メニューには950円と1300円の2種類が乗っていた。どう違うかお店の主人に尋ねたところ、上等は麺の量が多く、たまごとエビが追加されると言われる。年の所為か量は沢山いらない。950円をお願いした。
(器は小さいが量は十分・スープの味は格別に美味しい)
味は今はやりのリンガーハットの長崎ちゃんぽんと全く違う。野菜やイカ、エビ、豚肉等もたくさん入った昔風のちゃんぽん。私好みの味、抜群に美味しかった。食べ終わった奥さまはまたこようねと大満足のご様子。最近は幾分体調不良気味だった私「早く元気になってまた来るよ」と返事した。久しぶりの年寄り夫婦ののツーショットは、「ちゃんぽん」で無事に終了。楽しいことこの上なし。
「東庵」のお客はまばらだが、とんと向かい側にある「金竜」というラーメン屋は、ガイドブックで全国的にも知られていて、観光客の足が途絶えない。いつもたくさんのお客が店に入れず列を作って並んでいる。数えてみると平日というのに30人は超えているだろう。待ち切れずに列を離れるグループもある。
いくらおいしいラーメンでも、あんなに沢山並んでいては店に入らないよね。と奥さま仰った。同感・同感。