内視鏡検査のため7時58分発のバスに乗った。バス時刻が変更され1時間に1本と本数が減り大変不便になった。バス運転手が集まらずやむを得ずの減便だそうだ。
内視鏡検査を受けるのは先月11日。十二指腸潰瘍で入院してから今日が4回目。すっかり検査室の技師さんや看護師さんと顔なじみになったようだ。
市内中心部近くにある地域医療センターに着いたのは午前9時を少し回っていた。受付に今日の検査の予約書と診察券、それに健康保険証を提出すると、その後はまったく自由にならず、まるでベルトコンベヤに乗って流される感じ。
最初は貧血検査のための採血。少しチクリとした。それが終わると看護師さんが、次は内視鏡検査です。2階の検査室に行ってくださいと指示された。
内視鏡検査室の受付で検査書を出すと「確認のため氏名と生年月日を教えてください」といわれた。痴呆テストのようだ。その後何回も注射するたび、またベットに上がるたびに同じ質問が繰り返された。医療事故を防ぐための確認だとお聞きした。
次に黄色い名札に名前を書き胸につける。これもまた幼稚園児のようだ。更衣室で下着1枚とパンツになり病衣に着変えた。いよいよベットに上がる時が来た。だが、4回も検査を受ければ慣れたものだ。血圧をはかる。点滴の針をさす。顔なじみになった看護師さん「血管が小さかったようですね」と前回のことをよく覚えておられる。針は無事1回でつながった。流石ベテラン。
麻酔薬もこの針を通して入れられる。「今日の検査は多分簡単ですよ。前回は大変でしたね。苦しかったでしょう」と看護師さん。1回目の検査では止血手術を同時に行ったため大変だったようだ。七転八倒とは言えないが、手術中大変苦しみ看護師さと立ち会いの担当のドクターが、苦しくて飛びあがろうとする自分を、力づくで押さえつけていたそうだ。病室に帰ってから付き添ってきた“うちの奥さま”が話してくれた。幸いなことにこちらは麻酔が利いていた。痛みも感じなければ意識もない。後から聞いてびっくりした。
看護師さんそのことをよく知っていた。「今日の検査は多分簡単ですよ」と緊張を和らげようと気を使ってくれた。それからはよく覚えていない。検査は簡単に終わったのだろう、麻酔が切れて気づくまでに15分とはかからなかったようだ。
最後はドクターの診察。外来の待合室で待っている間、心配でならない。結果はどうなのだろうか。胸がドキドキする。診察室に呼ばれた。顔見知りになったドクターがにこやかな笑顔で迎えてくれた。「潰瘍の傷あとは残っているがもう大丈夫でしょう。薬は軽いものに変えます。貧血も随分よくなっています。鉄剤の服用はやめても結構です」と宣告があった。
入院してから約1月やっと解放された。嬉しくなった。家に帰って“うちの奥さま”と快気祝いをしようと意気込んだところ、ドクターが「薬は長く続けてください」と釘をさされた。がっくんとなった。
最後に、お世話になりました。有り難うございましたと心からのお礼を述べた。