電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

『終戦のローレライ』を読む

2005年03月20日 21時07分43秒 | 読書
出張の際に東京駅で購入してきた、福井晴敏著『終戦のローレライ』(講談社文庫、全四巻)を読む。地下鉄で映画『ローレライ』が大きくディスプレイされていたので、何も考えずに購入してきた。
ローレライという名のドイツ軍の新兵器を運搬するUボートが、米軍の潜水艦の執拗な攻撃を受けて「ナーバル」というシステムの核を捨てざるをえなくなる。これを回収に行った「伊507」潜水艦により、ナーバルに隠された秘密が明らかとなる。
最初は、かなりリアルな物語かと思っていたが、途中から超能力ものになってしまい、少し残念。それでも、爆沈した潜水艦の乗組員の死を全身で感じる恐怖など、強いイメージを喚起させる。それも、最後のほうになると、少年の心が助けになり、あんなに強く感じていた恐怖を乗り越えて、連戦連勝、無敵のスーパー魔女と化すところなど、いささか設定に安直さを感じる部分もある。
まあ、あまりかたいことを言わずに楽しむべきなのでしょう。
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ザビーネ・マイヤーのモーツァルト「クラリネット協奏曲」

2005年03月20日 15時29分35秒 | -協奏曲
ザビーネ・マイヤーのクラリネット、マレク・ヤノフスキ指揮N響の演奏で、モーツァルトのクラリネット協奏曲を聞いた。ただし、テレビのN響アワーを録画したもので、1998年9月18日の定期公演である。
ここで、ザビーネ・マイヤーは、普通のクラリネットではなく、バセット・クラリネットを用いて演奏している。バセット・クラリネットは、普通のクラリネットよりも十数cmほど長く、半音で四個分だけ低い音が出る楽器で、1991年に復元されたのだそうな。モーツァルトは、このバセット・クラリネットを愛し、低音と高音を対比した曲を書いた。だから、本来この曲は、バセット・クラリネットで演奏すべきだ、とザビーネ・マイヤーはインタビューの中で語っている。
低い音を出すために親指を使うことから、バセット・クラリネットは首からひもで吊り下げて演奏する。ザビーネ・マイヤーは、30代からこの楽器を使いはじめたことになる。低い音から高い音へ、駆け上るような音階が、陰影ゆたかに演奏される。何度見ても聞いても、素晴らしい。これはやみつきになる。バセット・クラリネットの音色はいいものだ。
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