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志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

『出停記念日』の一部二部一挙公演です!

2017-03-26 19:37:46 | 沖縄演劇

ちょっとチラシを見ると、一部だけかと誤解したのですが、演出の福永さんにお聴きすると「てぃるる」の公演と一緒ですよ、とのことで、ああ学校の教室が兵舎と同じサイズなんだという事実にハットした全作品なんだと、納得、しかも大人1000円で4月3日から三日間6ステージです。新学期の前にはじける舞台ですね!勇気を与える作品です!お奨め!

どこがいいかというと、すでに前にも少し批評を書いたのだが、背後を流れる抒情、莟の高校生の感性は15歳が第二の誕生日と言われるけれど、大人になる前のキラキラした露草のきらめき、生きていることのやはり純な部分が物語になっているのだという事は、何ともいえない「リリシズム」というか、実存そのものの詩情が流れている作品なんですよね。「わが街の小劇場」から放たれる舞台は「てぃるる」や浦添のでだこホールともまた異なるかと思います。

以下ネタバレです!

以下は作者とのメールのやり取りです。ネタバレがありますが、でもこの作品は全国で上演されていますから、一部だけではなく二部も上演されるということになったらいいので、そのままUPします。 S:二部がまたいいですね!二部までやるのですね ←これはこちらの誤解でした。普段に上演されているのは一部で二部を見たのは「てぃるる」が始めてでしたね。本来一部の物語があって二部なのですが、一部が全国で上演されているのですね。私自身、21世紀のはじまりの9・11による衝撃を大きく受けた者だから、それが2001年でしたね。翌年の2002年からホーページなどを立ち上げ、ネット世界に参入したといういきさつがあります。世界が内に入ってきた感じがしました。つまり21世紀は変化をもたらしたのです。

 K:はい!二部こそが本来のオリジナル「出停記念日」ですから。
 実は、一部の方が、後日談です。

 一部、二部とも別々の物語として上演可能ではあるのですが、
 一部、二部とも要所要所で響き合っていて、この二つで1本の作品だと感じます。

 特に、一部の少女たちの何気ないやり取りの中に、二部の正人君との交流の痕跡があり、少女たちの中に、今も彼が生きているということが見えてきます。肉体は滅んでも、その存在が誰かの心を動かせば、その心の動いた誰かが、別の誰かの心を動かすことにつながる。

作品の背景にある2001年の911という未曾有の大惨事、その後の混沌とした状況の中で見つけた一筋の希望の光は、「死者と共に生きる(つくる、歩む)未来」だと思います。沖縄戦から東北、熊本の震災、そして世界各地で今だ終わらない戦争を関知し感受する上で大事なこの想像力を手放さない限りは、人は正常さを失わないで生きていけると思います。この意図は、以前、S先生が仰っていたとおり「二部の方を先に上演」したほうが、
 観客に伝わりやすいとは思います。
 
 ただ、本作のもう一つの主題「友情」について、二部の後半で正人君が「友達になるのに、立場とか性別とか関係ないだろう?)」
 という言葉を着地させるには、あずみの正体が、男性であることは一部の物語段階では出したくないのです。
 一部でのあずみは、性別を含めて具体的なイメージを示さないことで、誰にとっても「いなくなった友人」というイメージをもたらしたい意図があります。正人君という男生徒だと、友情というより恋愛のイメージに寄り切られそうです。2部の最後で、「性別を超えた友情」を具現化できてよかったです。福永演出は緻密で繊細です。前回の久保演出からすると、より日常のリアリズムを大事にした演出になっています。それは、何百人もはいるホールと役者の息づかいまで伝わる小劇場の違いからくる部分もありますが激情をあらわにする従来の福永演出をイメージすると、意外で新鮮です。私の演出イメージに近いです。

見比べると面白いですね。あらためて、前回の久保君の才能が煌めく演出の良さも感じました。

続く!


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4 コメント

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Unknown (osa-michi2016)
2017-03-26 22:38:40
懐かしい戯曲です。
わが校の演劇部も上演しました。
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コメントありがとうございます! (nasaki)
2017-03-27 01:54:06
そうですね。懐かしい戯曲ですよね。最初見た時の何ともいえない思いは今でも甘酸っぱいようなー、涙がこぼれそうになります。
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訂正と要望 (島元要)
2017-03-27 03:24:44
 すみません!作者です。
 ブログに取り上げて下さってありがとうございます。過分なお褒めの言葉も。
 ただ、1部と2部の内容が逆です。訂正願います。2001年から各地で普段に上演されているのは1部の方で、2部のほうが20014年に「てぃるる」で初公開(十数年間お蔵入りしていました)です。
 通常は「出停記念日」というと、今回1部として上演される作品のことを指します。
 実は、1部、2部とも元々は別の作品です。2部は2000年に準備していた作品で、事情があって上演できませんでした。そして、1部の方は翌年の2001年に(使われなかった)同名タイトルで書いた別の物語です。結果として、この2部の後日談になっていました。
 当初は、十数年たってやっと踏ん切りがついた未公開の2部にあたる作品だけを上演するつもりでしたが、「てぃるる」で連続上演する際に、1部2部という形で上演することにしました。そのほうが作品の意図が明確になることに気づいたからです。
 時系列からすると2部の「2000年の物語」を、1部の「2001年の物語」より先に上演するのが順当ですが、意図するところがあって、時間を遡る構成にしました。これは、一見別々の二つの物語が最後に繋がる仕掛けで、重要です。ブログでは明らかにネタバレになっているので、困っています。
 せっかくご紹介下さっているので、例えば赤い太字で「以下、ネタバレです」というふうにもっと明快に断りを入れていただけると幸甚です。
 長々とすみません。
 
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どうも失礼しました! (nasaki)
2017-03-27 04:27:16
島元先生へ

1部が全国で上演されているバージョンで2部が「てぃるる」で見た作品なんですね。2部もとても良くて、是非、全国で上演してほしい作品ですね。生徒と教師のやり取りが、とてもいいですよね。教育はキリがなくて、奥が深くて、単なる受験勉強と異なるのだということですよね。真正面から向き合ったときの、心音の澄んだ部分、それがにじみ出るところがいいですね。
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