
山城知佳子さん、砂川淳志さんはいいお仕事をしましたね。『沖縄芝居背景幕集』は上下巻すでに国立劇場から発行されていますが、非売品です。関係者の書棚にはありますね。それと県立図書館にもあり、貸出されています。是非多くのみなさんに見て欲しいものです。とても心にジーンとくる舞台美術(背景幕)ですね。うちなーぐち(琉球諸語)復興の流れの中で、芝居は見直されてきていますが、もはや芝居は芝居だけではなく、琉球舞踊、組踊、古典、民謡を嗜む方々の中からも、沖縄芝居に取り組む若いスターが育ってほしいものです。組踊の伝承者、琉球舞踊の伝承者の中にキラキラした個性が見えます。かつての名優たちは、芝居をして、舞踊を披露し、かつ組踊を演じました。古典や民謡もたしなんでいましたね。現在の花形の綺羅星たちは、琉球舞踊、組踊、を主軸にしながら空手、古典、民謡、太鼓、箏曲、そして沖縄芝居にも立ち役として出ますね。つまり統合的な芸の達人たちですね。
組踊のキラキラ星(立役)が琉球歌劇、琉球史劇の素敵な立役になり、琉球舞踊のキラキラ星たちが、また同じように琉球歌劇や琉球史劇の華になる時代ですね。女性だけの組踊の公演もなかなか見ごたえ、聴き応えがあります。多様化する沖縄芸能花ざかり、沖縄芝居だけの立役の影が薄くなりつつありますね。戦前の名優たちの面影がましてきます。それも時代の流れですね。
シェイクスピアがたくさんの歴史劇を物したように、琉球史劇もまたもっと創作されていいですね。那覇市文化協会(仲田会長)が今回取り組んでいる「尚温王』を主人公にした史劇はその流れを切り開いたようです。一人一人の王の物語が琉球史への入口になりますね。阿麻和利、護佐丸だけではなく、それぞれの時代の王の生きた社会を中国、日本との関係史の中で表出していくことは、面白そうです。