しかし、たくさんきらめいてあった白砂はもうそこにはなく
波はいつもと変わらないリズムで
優しげだったけど、浜は昔の浜ではなく
水が湧いた岩ももうどこにあるのか、姿があいまい
色が汚くなった浜辺を素足で歩いた
貝を拾い、生きた貝に挨拶し
足跡を見つめる
砂の感触
この足跡は消えていく
君と歩きたい浜辺
海辺は肝心が痛んでくる
生きている時が限られていることを
強烈に意識させる
君はどこにいてどこをさまよっているのか
海辺を歩く
海辺の魔力
海辺の砂漠
海辺のさすらい
海辺の夢
海辺のメロディー
海辺の明日
海辺のリズム
海辺の笑顔
海辺の陽炎
消えていくこの足跡
消えていくこの身体
消えていくこの魂
消えていくこの海
汚れた海
故郷の海は消えた
消える前に
消えない時を刻む
君と