やっと紙面に出たあの「座談会」だ。多くの組踊や芝居ファンの方に観てほしい舞台である。家元や組踊保持者の方々の舞踊も、喜歌劇の公演も〜。
昨夜は玉城政子さんも名護から駆けつけて、指導にあたった。自ら真鍋樽を演じた女性の経験は深い。
若い嘉数さんや盛義さんたちの志の深さ優しさが感じられる。
1987年に立ち上げられた沖縄芝居実験劇場、芥川賞作家の大城立裕さん、演出家の幸喜良秀さん、真喜志康忠さん、北島角子さんたちを中心に次々と斬新な沖縄芝居が上演されていった。
その後幸喜さんは国立劇場おきなわの芸術監督に招聘され、5年間で、現在の沖縄芸能の核になる継承者を鍛えてきたのだ。
県立芸大の琉球芸能教育システムとタイアップしながら構築されてきたとも言える。
国立劇場のこの20年の歩みは、沖縄芝居実験劇場が根っこにあった事を現在が実証しているとも言えそうだ。劇場推進の中心に大城立裕さんがいた‼️
大城さんの隣に寄り添っていたのが幸喜良秀演出家だったのだ。
そして玉城盛義さんや嘉数道彦さんがその後継者としての現在に至っている。
今回、盛義さんも道彦さんも、記念冊子に感極まる文章を書いている。
大城、幸喜、真喜志の思いは、しっかり受け止められている‼️
真喜志康忠が、その一人として活躍した「伝統組踊保存会」の現会長山城暁さんは、今回の真喜志康忠生誕100年記念公演に、祝辞を断られ実行委員としての協力もお断りされたが、瀬底(眞境名)正憲先生は、素晴らしい文章を寄稿されている。
先駆者を軽くあしらう「伝統組踊保存会」は大丈夫だろうか?
康忠さんの組踊「忠孝婦人」(大川敵討)の谷茶は見事だった!
氏曰く「組踊を超えた者だけが沖縄芝居役者として生き残れる!」
組踊を乗り越えるとは実演者としてだけではなく、組踊を深く理解することも含まれているに違いない。
伊良波尹吉は組踊の詞章をすべて覚えたと聴いた。眞境名由康もまた組踊の中興の祖と讃えられている方だが、「伊江島ハンドー小」ほか、優れた沖縄芝居を残されている。
どうやら芸能史を深く知悉して現在の伝統芸能家として際立っている方々は今回の「沖縄芝居実験劇場」に集っているメンバーなのかもしれない。
現「国立劇場おきなわ」芸術監督の金城真次さんも実行委員として、寄稿もしている。幸喜良秀さんの薫陶をうけているお一人である。
故人間国宝の照喜名朝一先生は、「沖縄芝居実験劇場」の地謡として深く関わっておられた。古典音楽の先生方もまた柔軟な姿勢であってほしい。
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