ぶろぐ猫の目

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実験中

新しい戦前 ファシズムが忍び寄る

2023-01-11 10:20:21 | 読んだ本の紹介

1月11日付けの朝日新聞の天声人語で、1991年のリトアニア独立時における
ソ連軍の侵攻による妨害について書いてありました。
大国は「国家と呼ばれる組織の意味はその領土を拡大させ不動にすることである」という
理屈を盾に小国を蹂躙する。という話
現在のウクライナ情勢と同じ。
天声人語では、タモリの「新しい戦前」という発言を取り上げてます

そこで思い出したのですが
中学のころ読んだ本で、心に残ってる一節があります

眉村卓の「狙われた学園」
主人公関の通う学園では、管理教育に反抗するこまかないたずらが横行していた
生徒会を牛耳る高見沢は、そうしたいたずらを取り締まるべく
「校内パトロール」制度を導入し、パトロール員である生徒会の役員に
他の生徒を取り締まる権限を与えた。
生徒会の活動は、どんどんエスカレートしていく

それを聞いた関の父親の発言です

「取り締まるものと取り締まられるもの、正しいものとそうでないものを、どういう基準で決めるんだね?、
こういうことは、ひとりでにエスカレートする。
生徒たちはいまのところ、そのパトロールなるものが、
正しい側に立っているように考えているのだろうが、
やがて、正義の名のもとに、いろんなことがおこなわれるようになる。
みんなはそのたびに、まあこの程度まではしかたがないと一歩ずつ譲歩し、
あるときはっと気がつくと、身動きできなくなっているんだ。
それがファッショというものだ」(眉村卓「ねらわれた学園」

この1節が忘れられない。

眉村卓は昭和9年うまれ、まさに第2次大戦前の日本が軍国主義に
向かっていた状況を知っているので、それを憂い、警告を発してたようです。

ロシアの力によるウクライナへの侵攻、
中国の南シナ海や尖閣への領土拡大の野望などを理由に
防衛の名のもとに軍国化が進んでいく

今の日本がまさに、眉村卓が恐れていた状況に近づいてきた
いみじくもタモリ氏が「新たな戦前」と言ったのも
同じ気持ちなのでしょうか


天声人語氏もリトアニアの独立指導者の民主平和を静かに説く姿勢を例に、
有事をめぐる懸念が高まる今、冷静さを求める政治の重みを思うと
締めくくってます。
ぬるま湯につかっているカエルが、いい気持ちになってるうちに
熱湯となって死んでしまうという
そういう状況にならないように、気をつけないとですね






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