連休ですね
コロナもひと段落してますが、なかなか遠出は難しいでしょうか
わたしも近所の公園で日向ぼっこしながら
本でも読むかと思ってますが
何を読んだらいいか、お悩みの方にお勧めの本です
特に学生さんにお勧め
ずいぶん昔に読んだ本ですが
すごく面白かった本です
最近、ミステリーとかピカレスクものばかり
読んでたので、少しはほっこりする本が読みたくなって
古本屋で探して買ってきました
途中まで読みましたが、やっぱりくそ面白いです
昭和の時代の話
仙台の孤児院で育った、小松君が東京の大学に進学することに
お金のない小松君が孤児院から紹介を受けたのが
東京でカソリックの神父をしているモッキンポット師です
モッキンポット師は甚だ風采の上がらない、目付に険のある、天狗鼻のフランス人で、
ひどく汚らしい人だった。
髪の毛は前人未到のアフリカのジャングルよろしくもじゃもじゃ生え茂り、
その一本一本が上に横に斜めに東に西にと勝手気儘な方向に延び、
その上複雑怪奇に絡み合いもつれ合い、本当にライオンの一頭や二頭は出てきそうな風采であった
とあります
風采から面白いのですが
話す言葉が、大阪弁
最初に覚えたのが大阪弁で、それが治らないと嘆いてます
モッキンポット師が小松君にあてがったのが
カソリックの信者用の寮だったのですが
その建物は、東京の空襲に耐えたものの不発の焼夷弾が当たって
傾いたままという相当なぼろい寮です
寝て朝、目が覚めると、反対側の壁にぶつかっているというくらい
傾いている建物
その寮で知り合ったのが、東大に通う土田と教育大に通う日野である
この3人は、食うものにも困る貧乏で
アルバイトをしながらなんとか生きているのだが
少しでも楽をしようと、いろんな悪さをしでかします
小松は、浅草のストリップ劇場フランス座を
モッキンポット師に国立劇場と欺き、
アルバイトに入るのですが
様子を見に来たモッキンポット師に
ストリップであることがばれてしまします
カソリックの牧師さんとストリップのギャップが面白い
また、出版社の倉庫の夜警に入ったときは
隣のレストランの窓辺に干してある、ふかしたじゃがいもを
棒を使って盗み出したり
アメリカの篤志家が送ってくれた、アメリカ衣料を
仕分けするバイトに入ったときは
高そうな衣類をコートの下に大量に着こんでずらかったり
いろんな悪さをする3人ですが
そのたびに、モッキンポット師が後始末をしてくれます
いくら人の好いモッキンポット師も3人の悪行に愛想をつかすことも
その時には、師に見捨てられた3人はどうなるのかと
心底心配になります
めっちゃ感情移入してしまう
良い本は、主人公に感情移入してしまいますね
物があふれたこの令和の時代にはそぐわないかもしれません
平成生まれの若者には理解できない物語かもしれませんね
お金が無く、また少しのお金があったとしても
物が手に入らなかった時代に生まれた私たち昭和世代には
ノスタルジックな感傷に浸れる作品です
連休中にどぞ