日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「絵本の翻訳ってどうやるの? プロにお話きいてみよう」に行ってきました(2015.10.25)@氷川図書館

2015年11月16日 | イタリア語

「絵本の翻訳ってどうやるの? プロにお話きいてみよう」に行ってきました(2015.10.25)@氷川図書館


前々から楽しみにしていた翻訳講座 英米文学翻訳家の三辺先生のお話を聞きに 絵本の翻訳ボランティアを長年続けている会員さんと二人で地元の図書館に行ってきました!! 申し込みの電話の時に満杯かどうかドキドキ...

まず最初に 英語圏に住んだことのない自分でも翻訳の仕事ができると聞いた時にとっても勇気づけられました ペラペラでなくとも 翻訳はできる!!
また 中高生の時の文法が実は以外と大切なのですとのこと 

いただいた資料をもとに まずは「役割語」について 英語ではIだけでも 日本語にすると その人によって わたし ぼく 俺 拙者 あたい...色々変わりますよね これが翻訳の醍醐味です 
英文の"I"からだけでは その人が男か女かわからないってこともあるのですからね
終助詞についてもご説明いただきました 

そのキャラをどう特徴づけるか決めて たとえばあとから俺を拙者に直したり そしてそれに伴いそのキャラの会話文をすべて直したりということもあるそうです

オノマトペ(擬声語)も日本語には多くて これは英語にはもともともあまりないものなので 積極的に足してあげるとよいそうです 絵本は声に出して読むことが多いからね(^^)/

訳すコツとしては 英語には必ずある主語をそのまま入れると文が硬くなるが できるだけ主語を取ると文がこなれて読みやすくなります (といってもイタリア語は主語が省略できる言語なのですが!)
ただし 児童書などは読み手が主人公に同一化して本を読むため 主語をあまり取ってしまうと物語の力が弱くなるので気をつけたいです

敬語を訳すのはとても難しいそうです 通常日本ではないシーンなどでは 文化の違いなども考えなくてはなりません
たとえば 高校には普通 車で通うとか 単位制で一斉授業というわけではない 等の文化の違いを分かっていないと翻訳の時に戸惑いますしね

兄弟が出てくるシーンでも brotherはお兄ちゃんか弟かわかりません また名前をそのまま訳しても 兄なのか弟なのかわからないので そこはおにいちゃんとか おねえちゃんと途中からでも替える方が物語に入りやすく わかりやすいのですね

イタリア語でもnipoteは孫 甥 姪といろいろ意味があり 文脈から判断しないといけなくて大変ですね~(;'∀')

また日本語では「叔父」は親より年下の 「伯父」は親より年上の兄弟にそれぞれ違う字を書きますが 英米ではそこまではこだわらず これもやはり文化の違いなんですね

日本では魚は出世魚といって 育つ間に名前が変わってゆくのがありますが 反対に欧米では 肉の呼び名も年齢や雄雌などによって細かく分かれていますよね

イタリア語では 1才半までの仔牛をvitello (去勢した)雄牛、成牛の肉を manzoとか色々言い分けてますよね~ (ちなみにモンゴル語では 馬に関する単語がとっても多いのと聞いたことがあります)

そして興味深かったのがコメディーの翻訳について これはとにかく笑ってもらうためにいかに工夫するかが勝負どころで そのまま訳して注をつけても笑ってくれないから 似たような日本語を充てることがあるそうです ガチャピンとか くまモンとか えーっホント!?って感じ(笑) しかも字幕だと字数も限られているからさらに工夫が必要ですね

絵本の翻訳については 英語を日本語にすると通常1,5倍の分量になるのですが それをきちんとスペースに入るような工夫が必要で たとえばポスターの文を訳すにも そのまま訳すのではなく 原文にはないこともわかりやすければ書いたりするし 声に出して読めるように(実際に声に出して読んでみる)なめらかな そして表現にも気を付けて 本をめくるタイミングを考えて 効果的な「ひとこと」を長い文にしてはダメで (一行一行訳すのはダメ) つまるところ「絵本はリズムがいのち」なのだそうです しみじみ...

そしてまた 自分が訳しているのはなんなのかをよぉく考えながら訳すとよいとのことで (原文が「生きた大砲の玉」であってもそれはつまり「人間大砲」のことですよね) 翻訳をやってゆくとだんだんと長文読解が上達してゆくのだそうです!! 

またたとえば rightの意味を辞書から探しても 適当なものがないことがある このあたりも 翻訳大賞の講評にあった「本当に適した訳語は辞書にはないことが多い」というのを思い出しました~

その後は 「いたばし国際絵本翻訳大賞」の紹介に続き 英語部門の審査員でもある金原瑞人さん編集・発行で、講師ご自分が協力されたおすすめの本を紹介した小冊子(写真)を頂き無事終了しました

大変参考になるお話を聞かせていただき またまたエネルギーが湧いてきました 本当に素晴らしい翻訳講座をありがとうございました!!


エントリーされた方 締め切り(11/30)まで頑張りましょう(^^)/  ← 私はイタリア留学フェアのお仕事が入ってからずっとやってない...間に合うかなぁ~(*´Д`)

明日(11/17)は ACCI GUSTO<(イタリア料理専門展)/a>に行ってきます!!




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