日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

イタリア映画「幸福なラザロ(Lazzaro felilce)」を観てきました(2019.4.26)@Bunkamuraル・シネマ

2019年04月27日 | イタリア映画・映画
イタリア映画「幸福なラザロ(Lazzaro felilce)」を観てきました(2019.4.26)@Bunkamuraル・シネマ




ラストは思わず 涙が出てしまいました... この世知辛い世の中に この主人公「幸福なラザロ(Lazzaro felilce)」のような存在があり そしてこんな結末になろうとは...

死からよみがえったとされる聖人ラザロと同じ名を持つラザロ(Lazzaro)
何も望まず 目立たず シンプルに黙々とストイックに生きる 無垢な魂を持つ青年が主人公 

 
この映画は不思議なシーンが数多く出てきます 様々な解説や記事を読んでから観たので それぞれがよくわかりましたが 
イタリア映画らしい茶目っ気あるシーンが多くて 例えば空き巣が引っ越し業者を装ったり 屋敷に招かれて 手土産のケーキを
買いすぎてしまうシーンとか ついつい笑ってしまうようなシーンもありましたし 
また自然の中で 誘拐されたと狂言を装いつつ 腹違い(?)の兄弟の絆を深める主人公とタンクレディの描写
何よりも 農園の素朴な人々の描き方 そして 侯爵夫人がタバコ農園の農民たちを搾取(sfruttare)し 農民たちが
決して人を疑わないピュアな心を持つ 働き者のラザロを搾取する構造...

これは 20世紀後半 社会と隔絶したイタリア中部の小さな村で 小作制度の廃止を知らぬまま 無給で働かされ続けてきたという
実話に基づいており アリーチェ・ロルヴァケル監督が作った「夏をゆく人々」の農村の描写を彷彿とさせます
また 女優で監督の実の姉のアルバ・ロルヴァケルが ラザロがよみがえった現代社会で再会する かつて農園で働いていた少女の
今の姿を演じているのも素晴らしかった

また 後半の現代のシーンではユーロが使われ 農園しか知らずに生きてきたラザロは 電車や大規模な機械等を初めて見るのですね
それでいて 野に咲く草がどう食べられるかは熟知しており 今はバラックに住む農園の人々を助けるのです 

教会の音楽がラザロたちのもとを追いかけてくる不思議なシーンが 印象に残っています 

重要なところで狼が出てくるシーンがいくつかあるのは ローマ建国のロムルスとレムスの伝説にある 雌狼を思い起こさせました


観終わったら やさしくなれそうな映画でした 心がピュアになれました


映画「幸福なラザロ(Lazzaro felice)」は こちら
2019.4.19から公開中です




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