「イタリアの魅力を発見 - 歴史、文化、芸術を巡る旅 ブルボン王朝の街カゼルタ (カンパニア州)」のセミナーに参加しました(2020.8.1)@リンガビーバ・イタリア語教室 - その2 カゼルタ王宮(Reggia di Csdrta)
その1 カゼルタヴェッキアに続き その2は カゼルタ王宮です:
Reggia di Casertaの公式サイトは こちら
カゼルタ王宮のあった場所は Acquavivaという貴族が 借金のためにブルボン家のカルロス3世(Carlo di Borbone/ナポリ王・シチリア王)に 1750年に売ったのだそうです
ここはナポリからは近く 海戦の危険のある海や ヴェスヴィオ火山からも遠いため選ばれたのですね
宮廷の街(città-corte)を創りたかった彼は ブルボン王家の栄華のシンボルとして すでにある王宮をしのぐものを創ろうとして そのためオランダ人画家の父を持つ建築家ルイジ・ヴァンビテッリ(Luigi Vanvitelli)に建築を命じました
一番最初の石が 1752年1月20日 カルロ3世の誕生日の日に置かれたそうです
王宮(Reggia)には4つの中庭(cortile)があります
18世紀にヨーロッパで建てられた中で最も巨大な宮殿といわれ 約100年を要しました
莫大な数の人夫 親方 罪人や海賊たち そして馬や象(トルコのスルタンのマホメット5世から贈られた)まで使われたそうです
王宮は 第二次大戦中に米英軍が使ったそうです
ナポリ王国とカルロ王の権勢を示す5階建(地下2階 地上3階) 部屋数1200という豪華な宮殿です
カルロの妻のMaria Amalia di Sassonia は文化を愛する人でした
途中で夫婦はスペインに赴いたため その後を三男フェルディナンド(Ferdinando)が継ぐのですね
長男フィリッポは障害があり早世し この三男フェルディナンド(Ferdinando)は わずか8才で両シチリア王国の王となります
フェルディナンドの妻のマリーア・カロリーナ・ダスブルゴ(Maria Carolina d'Asburgo-Lorena)は 夫が遊び好きで勉強は不熱心な一方で 芸術や文化を愛する勉強家とのことでした
それもそのはず 母はかのマリア・テレジア(Maria Teresa d'Austria)でした
カルロの母のエリザベッタ・ファルネーゼ(Elisabetta Falnese)は ファルネーゼ・コレクションで有名な家の出ですね
ブルボン家の紋章はライオンですが そのライオン像は Reggiaの中にもありました!
王宮に入るとまずは ギャラリー(galleria)があります 王宮の中を貫いているのですね
ここを歩いた時は声が反響しました とても広かった
案内してくださったカゼルタの友人(ここで彼の写真展を開いたことがあるそうです)が ここのスタッフの方たちと
弾丸のようなカゼルタ方言でバリバリお喋りしてるのを聞いて ぜんぜん聞き取れなかったのが記憶に残っています(^.^)
右側には 「表敬の階段」
lo Scalone d'onoreがあり 後期バロック建築(tardo-barocca)です
2匹の大理石のライオン(leoni di marmo)が置かれています 堂々たるものですね💛
ライオンは ナポリ・シチリア王国(regni di Sicilia e Napoli)のカルロの紋章(stemma)でした
スター・ウォーズ エピソード1・2の ナブー王宮の撮影が ここで行われました 大理石のライオン像 leoni di marmo
控えの間(anticamera)をどんどん通り抜けてゆくと 謁見の間でもあるSala di Alessandroに入ります 貴族以外の人が謁見できた部屋ですね
軒蛇腹 (cornicioni)には人の入れる空間があり オーケストラが置かれ
マリア・カロリーナの目覚めとともに演奏し 眠りにつくまで演奏が続けられたといいます...
天井のフレスコ画も美しく アレクサンダー大王(Alessandro Magno)の結婚式の絵や 彼の一生が漆喰に描かれています
権力の中心となるのが 玉座の間 (Sala di Trono)で ローマ帝国の衣装を着た王の像(未完成)があります
玉座の椅子はこの大きな部屋の割には小さいですが 金の翼のあるライオン 上にはコルヌコピアイ(cornucopie)という豊穣のシンボルがあります
そしてセイレーン(sirene)もありますが これは ナポリは元はパルテノペ伝説(sirene Partenope)に基づいてできたからとのこと
天井画には 1752年に最初の石を置いたシーンが描かれていますね 金の漆喰が美しいです
ナポリを収めた46人の君主のメダル(medaglioni)が飾られています
これらすべてを友人に案内していただいたのですが 今回このセミナーで再確認できてよかったです(^.^)
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そしてここからはプライベートな部分で なんと マリア・カロリーナのトイレ(bagno della regina Maria Carolina)が紹介されました!
金張りで細工も細かく 当時の人たちはビデとはわからずイタリア初だったそうです
サイフォン式(il sifone)で匂いが戻らないのが画期的で 他のは匂いを消すために数か月ごとに交換していたそうです
大理石の浴室も見せていただきました 鏡が置かれ マリア・カロリーナが愛人(spasimanti)といる時に 夫フェルディナンド
(文化に理解がなく戦争好き)が入ってきたのがわかるようになっていたのだそうです(;´∀`)
図書館(Biblioteca Palatina)もあり マリア・カロリーナの好みに作られましたが
アテネの殿堂(la scuola d'Atene)の絵には フリーメイソン(loggia massonica)の若い男(肩を露出している)等も描かれていたのですね
天文学やピタゴラスの定理を描いた絵についても 細かく説明していただきました
最後の部屋は 王宮の最後の王であるフランチェスコ2世の寝室(la camera da letto di Francesco Ⅱ)がありますが これも見ましたよ~覚えています!
ベッドの絹のカーテンは この近くのサン・レウチョの絹織物工場(seterie di San Leuchio)で作られたものです 天蓋のベッド(un letto a baldachino)
そして次はプレセピオ (presepe) とても大きいんですよね~ 私も見て驚いたのを覚えています
プレセピオ preseoe
王宮には 馬蹄型の劇場(il teatro a ferro di cavallo)もあります ナポリにあるサンカルロ劇場 (teatro San Carlo)と同じです
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そしていよいよ外に出て 庭園をめぐります!
その3 カゼルタ王宮の庭園に つづくイタリア語ランキング
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