日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「イタリアの魅力を発見 - ブルボン王朝の街カゼルタ 」のセミナーに参加しました(2020.8.1)@リンガビーバ・イタリア語教室 - その4 カロリーナの水道橋&サンレウチョの邸宅群

2020年08月30日 | イタリア旅行・世界遺産

「イタリアの魅力を発見 - 歴史、文化、芸術を巡る旅 ブルボン王朝の街カゼルタ (カンパニア州)」のセミナーに参加しました(2020.8.1)@リンガビーバ・イタリア語教室 - その4 カロリーナの水道橋(L'Acquedotto Carolina)&サンレウチョの邸宅群(Compresso di San Leucio)



その3 カゼルタ王宮の庭園につづき その4は カゼルタ南東にある カロリーナの水道橋(L'Acquedotto Carolino) サンレウチョの邸宅群(Complesso di San Leucio)です

ヴァンビテッリの水道橋 ともいわれます
カゼルタ郊外のマッダローニにある18世紀の水道橋で カゼルタ宮殿とサン・レウチョの邸宅群に水を供給するために建設されました

1753年に工事が始まり ルイジ・ヴァンビテッリ(Luigi Vanvitelli)の死後 息子のカルロ・ヴァンビテッリ(Carlo Wanvitelli)が引き継ぎ 1770年に完成させました 
王宮だけでなく 人民に水を豊富に供給するために作られたものです
長さは38km 大部分は地下に建設されています

ベネベント州のBuccianoから来ており ヨーロッパ最長のPonti della Valleの高架橋(viadotto)を横切る マッダローニの丘(la Valle di Maddaloni)に続く水道橋の 529mの区間が世界遺産になっています

3階建ての水道橋で 傾斜(pendenza)は 1mあたりわずか1,33mmで精巧ですね
最も高いところでは、55.8メートルの高さがあります

*    *    * 

最後は サンレウチョの邸宅群(Complesso di San Leucio)です

女性の権利と 社会主義が生まれたところです (Dove nacquero il diritto delle donne ed il socialismo) 

もともとはブルボン家が狩りや気晴らしに使っていた邸宅でしたが フェルディナンド王の長男Carlo Titoが 3才で天然痘(vaiolo)で亡くなったという悲劇から 王はここにいたくないと思うようになりましたが 
同時に ここで働く人たちのためにと絹工場 la Real Colonia Serica di San Leucioを作りました フェルディナンド王の像もありますね 
 
絹工場の他にも 養蚕・製糸・織物工場 労働者のための住居などを増築しました
1789年 フェルディナンドによって建設が本格化し さらに拡張され 南イタリアにおける一大絹工場としての産業都市化が
計画されたのですが フランス革命軍の侵攻によって中断されました

撚糸機(torcitoio)に動力を与えるのは水力で カロリーナの水道橋から運ばれてくる水を使います
長くてとても柔らかい絹糸を 切らずに巻き付けるには 絹糸自身で巻き付けるようにしなければなりませんでした
織機(i telai)で様々な繊維を織ってゆきます 今も稼働しているのですね
(日本の富岡製糸場も世界遺産/産業遺産ですが 今はもう稼働していません)

 ← 撚糸機 torcitoio

王はそして フェルディナンドポリ(Ferdinandopoli)という  様々なインフラを備えた近代的な街を作ろうとしたそうです
憲法(statuto)まで作成し 自由 平等 社会正義が謳われたそうです 
労働者たち(gli operai)は経済的にも 社会保障面(la previdenza sociale)でも 手厚くされておりました💕
若い夫婦には家が無料で贈られ 馬車にひかれることのない安全な道で子供をあそばせることができたのだそうです...


さて 世界遺産には「産業遺産」というくくりがあります 
イタリアには「クレスピ・ダッダの企業都市」がありますが これは
資本家クレスピが より人間的な労働環境の実現を目指して作った紡績工場の企業都市 労働者の理想郷でした

他にも イギリスのニュー・ラナークの綿紡績工場は 人道主義者のロバート・オーウェンが理想的な産業コミュニティを創り
同じく英国のソルテアも パターナリズム(父子主義)のソルト卿が作った 労働者に優しい絹織物工場集落です
日本の富岡製糸場(群馬県)も産業遺産で 女工たちはとてもよい条件で働いていたのですよね~

最後にこの製糸場などのビデオを見て セミナーは終了となりました 

カゼルタの観光サイトは こちら 

世界遺産オンライン「カゼルタの18世紀の王宮と公園、ヴァンヴィテッリの水道橋とサン・レウチョの邸宅群」は こちら

セミナー「イタリアの魅力を発見 - 歴史、文化、芸術を巡る旅 ALLA SCOPERTA DELLE MERAVIGLIE D'ITALIA
ブルボン王朝の街カゼルタ (カンパニア州)
」の素晴らしいセミナーを開催してくださいましたリンガビーバ・イタリア語教室様に心よりお礼申し上げます

2015年の旅行ではここまで理解しておらず 今回セミナーを受けてようやく詳細を理解できて 本当に嬉しいです💕
特に世界遺産としての面も (とりわけサン・レウチョは)自分なりに掘り下げることができて カゼルタのサイトもくまなく読んで 情熱をもって書きました💕  
やっぱり 行ったところは違いますね~ カゼルタの友人にもあらためて大感謝!(^^)!


 
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