「第27回ボローニャ・ブックフェアinいたばし~世界の絵本展~」初日に行き 翻訳大賞授賞式&ドイツ語絵本の読み聞かせをしてきました(2019.8.3)@成増アートギャラリー
今年も暑い中行ってきましたボローニャブックフェアinいたばし!!
まずは「第25回いたばし国際絵本翻訳大賞授賞式」から:
「絵本のまち いたばし」を象徴するこの「いたばし国際絵本翻訳大賞」 今年のイタリア語部門の大賞受賞者はグループ応募の方ですが おそらく初めてではないかと思います (中学生部門では ありましたねグループ応募)
英語部門の大賞受賞者の方の挨拶で 7~8才の頃に初めて英語の絵本を読みたいと思った時 日本語はひらがなが読めれば読めるのに なんで英語は読めないのか不思議だった アルファベットを習ったので読めるかなと思ったがまだ読めず ようやく中学生になって英語を習って読めるようになった思い出を 生き生きと語ってくださいました
イタリア語部門の大賞受賞者のお二人は イタリア滞在経験がきっかけでグループ応募をして パッチワークのようにそれぞれの翻訳をつなぎ合わせて完成させたが 中でもタイトルに一番悩んだとのこと
belloって ほんとにイタリア人がよく使う言葉なんですよね...
母語では思っていなかったような世界の見え方に 尽きない面白さがあるとの言葉に納得!
続き審査員の先生方の 講評と祝辞です:
英語の課題絵本は 身近なテーマだけに 生き生きした訳が多かったとのこと
絵本が他の翻訳と違うのは 「絵があること」 「読みきかせに使うこと」です
なので 絵をつぶさに見ることを身につけることが重要ですね
ついついあれこれと説明を付け加えてしまうものですが そうではなく 「子どもを信じている訳」が選ばれたとのこと
また 20~30年前はあちこちで開催されていた翻訳コンテストも 今は減ってしまいましたが 課題絵本の選定の苦労話なども色々聞かせてくださいました
イタリア語の課題絵本では "bello" の言葉探しの旅に出る主人公のいもむし(bruco)が 次々と出会う生き物たちの価値観の違いがユーモラスに描かれていて ぴったりした訳語を探すまでは苦しいが その分見つかった時の喜びも大きく まるでそれは絵本のラストの みんなで星を眺めてうっとりする しみじみとした余韻の残るシーンにも通じるものがあるとの言葉をいただきました
私もこのラストシーンの余韻あふれる文章 大好きです
また今年も「きじとら出版」より 2冊の大賞受賞作品「てつだってあげるね ママ!(Hattie Helps Out)」「すてきって なんだろう?(Che bello!)」が出版されました!!
表彰式のあとは ここでしか会えない方たちなど 10人くらいの方たちとあれこれお話ができました♡
* * *
続いて午後には 3冊のドイツ語絵本の読み聞かせをさせていただきました(^.^)
「Sortierbuch(よりわけブック)」 「fünfter sein(ドアが あいて...)」 「Fünf Kinder und Mama Maus(5ひきのねずみと ママねずみ)」です
「よりわけブック」は大きくて Tier(どうぶつ)というアルファベットの中に いろんなどうぶつたちがちょこんと入つているのです♡ そしていろんな方法でどうぶつたちをより分けて ラストは...?
大きな声でダイナミックに読むことができて ちっちゃな子どもたちが間近で聞いてくれて嬉しかったです(#^.^#)
「世界の絵本おはなし会」の日替わりメニュー:
8/3(土) ドイツ語と日本語
4日(日) 多言語おはなし会<ばんびーに> 英語・中国語・スペイン語・日本語
5日(月) 英語・日本語
6日(火) 韓国語・日本語
7日(水) こわいおはなし会<成増図書館>
8日(木) イタリア語
9日(金) パネルシアター<PITAPETA>
10日(土) 英語
11日(日) 英語 <おはなしTwinkle>
12日(月) アラビア語・日本語
いずれも15:30~ (20分程度)
ちなみにいたばしボローニャ子ども絵本館は 文部科学省主催の「平成31年度 子供の読書活動優秀実践校・図書館・団体(個人)」の「子供の読書活動優秀実践図書館」として表彰されました!!(2019.4.23)
くわしくは こちら
* * *
夕方からは 金原瑞人先生の「ぼくの好きな絵本と絵本の翻訳」という講演を聞きました 整理券ゲットして満席!!バックにはだーっと先生が翻訳された絵本がずらりと!!
500冊を超える海外文学を翻訳されていらっしゃる金原先生は まず羊皮紙を会場にまわしてくださいました
映画「薔薇の名前」に出てくるような 中世から近代にかけて手書きで書かれていた あの羊皮紙ですね
また 明治4年発行の木版画の袋綴じの 背のない英語教本も見せてくださいました
訳す順番が示された教本で 見入ってしまいました 当時はまだ横書きがなかったそうです
また グーテンベルクが活版印刷を発明するはるか昔のメソポタミア文明では 粘土板に楔(くさび)型文字が刻まれており 最初の印刷ともいえるのではないかというお話
そしてそこからいよいよ 先生が翻訳された絵本にまつわる 数々の興味深いエピソードに入りました
トーベン・クールマンの「エジソン」「リンドバーグ」「アームストロング」三部作について たとえば訳書が書かれた国によって 訳に違う位置関係が生まれて 微妙な差が生じる話...
また 海外の絵本は左綴じで 左から右に読みますが これは英語等の文字の並びによるのですね
日本語版を出す時には 右綴じに直したりしましたが これは漫画も同様で 左綴じと右綴じについての 日本版と海外版との違いについて 様々な興味深いエピソードを伺いました
絵を反転させて向きを変えると たとえば利き手が左手になったり 文字も反転されちゃうんですよね...
また なぜ時計は右回りなのか ダビンチの鏡文字についての話 古代ギリシャ語の牛耕式について
一行一文字縦書きについて スケールの大きなお話を伺いました
そして質疑応答では 外国語に訳せない日本独特の表現(洒落など)をどうするかについて ルビを示して発音が同じだと説明する等 貴重なお話を伺いました
その後は サイン会となりました~♪
* * *
なんでもただ見に行くだけじゃなくて スタッフとして参加する方がずっと面白いもんですネ( *´艸`)
玉手箱のふたが突然開いて 30年前のなつかいしい記憶が一気に蘇ったような貴重な一日でした!! 続けてきてよかったです!!
もう一日中 成増アートギャラリーのブックフェア会場にいた!! って感じの一日でした~ この日は夕方からいたばし花火大会で 帰り道は浴衣姿の若い方たちが行列でした~
「第27回ボローニャ・ブックフェアinいたばし~世界の絵本展~」は こちら
2019年8月12日(月/祝)まで開催中!!
貴重なイベントを開催してくださいました いたばしボローニャ子ども絵本館様に 心よりお礼申し上げます
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今年も暑い中行ってきましたボローニャブックフェアinいたばし!!
まずは「第25回いたばし国際絵本翻訳大賞授賞式」から:
「絵本のまち いたばし」を象徴するこの「いたばし国際絵本翻訳大賞」 今年のイタリア語部門の大賞受賞者はグループ応募の方ですが おそらく初めてではないかと思います (中学生部門では ありましたねグループ応募)
英語部門の大賞受賞者の方の挨拶で 7~8才の頃に初めて英語の絵本を読みたいと思った時 日本語はひらがなが読めれば読めるのに なんで英語は読めないのか不思議だった アルファベットを習ったので読めるかなと思ったがまだ読めず ようやく中学生になって英語を習って読めるようになった思い出を 生き生きと語ってくださいました
イタリア語部門の大賞受賞者のお二人は イタリア滞在経験がきっかけでグループ応募をして パッチワークのようにそれぞれの翻訳をつなぎ合わせて完成させたが 中でもタイトルに一番悩んだとのこと
belloって ほんとにイタリア人がよく使う言葉なんですよね...
母語では思っていなかったような世界の見え方に 尽きない面白さがあるとの言葉に納得!
続き審査員の先生方の 講評と祝辞です:
英語の課題絵本は 身近なテーマだけに 生き生きした訳が多かったとのこと
絵本が他の翻訳と違うのは 「絵があること」 「読みきかせに使うこと」です
なので 絵をつぶさに見ることを身につけることが重要ですね
ついついあれこれと説明を付け加えてしまうものですが そうではなく 「子どもを信じている訳」が選ばれたとのこと
また 20~30年前はあちこちで開催されていた翻訳コンテストも 今は減ってしまいましたが 課題絵本の選定の苦労話なども色々聞かせてくださいました
イタリア語の課題絵本では "bello" の言葉探しの旅に出る主人公のいもむし(bruco)が 次々と出会う生き物たちの価値観の違いがユーモラスに描かれていて ぴったりした訳語を探すまでは苦しいが その分見つかった時の喜びも大きく まるでそれは絵本のラストの みんなで星を眺めてうっとりする しみじみとした余韻の残るシーンにも通じるものがあるとの言葉をいただきました
私もこのラストシーンの余韻あふれる文章 大好きです
また今年も「きじとら出版」より 2冊の大賞受賞作品「てつだってあげるね ママ!(Hattie Helps Out)」「すてきって なんだろう?(Che bello!)」が出版されました!!
表彰式のあとは ここでしか会えない方たちなど 10人くらいの方たちとあれこれお話ができました♡
* * *
続いて午後には 3冊のドイツ語絵本の読み聞かせをさせていただきました(^.^)
「Sortierbuch(よりわけブック)」 「fünfter sein(ドアが あいて...)」 「Fünf Kinder und Mama Maus(5ひきのねずみと ママねずみ)」です
「よりわけブック」は大きくて Tier(どうぶつ)というアルファベットの中に いろんなどうぶつたちがちょこんと入つているのです♡ そしていろんな方法でどうぶつたちをより分けて ラストは...?
大きな声でダイナミックに読むことができて ちっちゃな子どもたちが間近で聞いてくれて嬉しかったです(#^.^#)
「世界の絵本おはなし会」の日替わりメニュー:
8/3(土) ドイツ語と日本語
4日(日) 多言語おはなし会<ばんびーに> 英語・中国語・スペイン語・日本語
5日(月) 英語・日本語
6日(火) 韓国語・日本語
7日(水) こわいおはなし会<成増図書館>
8日(木) イタリア語
9日(金) パネルシアター<PITAPETA>
10日(土) 英語
11日(日) 英語 <おはなしTwinkle>
12日(月) アラビア語・日本語
いずれも15:30~ (20分程度)
ちなみにいたばしボローニャ子ども絵本館は 文部科学省主催の「平成31年度 子供の読書活動優秀実践校・図書館・団体(個人)」の「子供の読書活動優秀実践図書館」として表彰されました!!(2019.4.23)
くわしくは こちら
* * *
夕方からは 金原瑞人先生の「ぼくの好きな絵本と絵本の翻訳」という講演を聞きました 整理券ゲットして満席!!バックにはだーっと先生が翻訳された絵本がずらりと!!
500冊を超える海外文学を翻訳されていらっしゃる金原先生は まず羊皮紙を会場にまわしてくださいました
映画「薔薇の名前」に出てくるような 中世から近代にかけて手書きで書かれていた あの羊皮紙ですね
また 明治4年発行の木版画の袋綴じの 背のない英語教本も見せてくださいました
訳す順番が示された教本で 見入ってしまいました 当時はまだ横書きがなかったそうです
また グーテンベルクが活版印刷を発明するはるか昔のメソポタミア文明では 粘土板に楔(くさび)型文字が刻まれており 最初の印刷ともいえるのではないかというお話
そしてそこからいよいよ 先生が翻訳された絵本にまつわる 数々の興味深いエピソードに入りました
トーベン・クールマンの「エジソン」「リンドバーグ」「アームストロング」三部作について たとえば訳書が書かれた国によって 訳に違う位置関係が生まれて 微妙な差が生じる話...
また 海外の絵本は左綴じで 左から右に読みますが これは英語等の文字の並びによるのですね
日本語版を出す時には 右綴じに直したりしましたが これは漫画も同様で 左綴じと右綴じについての 日本版と海外版との違いについて 様々な興味深いエピソードを伺いました
絵を反転させて向きを変えると たとえば利き手が左手になったり 文字も反転されちゃうんですよね...
また なぜ時計は右回りなのか ダビンチの鏡文字についての話 古代ギリシャ語の牛耕式について
一行一文字縦書きについて スケールの大きなお話を伺いました
そして質疑応答では 外国語に訳せない日本独特の表現(洒落など)をどうするかについて ルビを示して発音が同じだと説明する等 貴重なお話を伺いました
その後は サイン会となりました~♪
* * *
なんでもただ見に行くだけじゃなくて スタッフとして参加する方がずっと面白いもんですネ( *´艸`)
玉手箱のふたが突然開いて 30年前のなつかいしい記憶が一気に蘇ったような貴重な一日でした!! 続けてきてよかったです!!
もう一日中 成増アートギャラリーのブックフェア会場にいた!! って感じの一日でした~ この日は夕方からいたばし花火大会で 帰り道は浴衣姿の若い方たちが行列でした~
「第27回ボローニャ・ブックフェアinいたばし~世界の絵本展~」は こちら
2019年8月12日(月/祝)まで開催中!!
貴重なイベントを開催してくださいました いたばしボローニャ子ども絵本館様に 心よりお礼申し上げます
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