日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「名作短編で学ぶイタリア語」紹介イベントに参加しました(2014.4.14)@イタリアブックフェア2014

2014年04月19日 | イタリアの本・絵本・雑誌

「名作短編で学ぶイタリア語」紹介イベントに参加しました(2014.4.14)@イタリアブックフェア2014


4月14日(月)に開催された「名作短編で学ぶイタリア語」紹介イベントには この本を手に ふたたびイタリア文化会館で開催されている「イタリアブックフェア2014」に行ってきました もう桜はほとんど散ってしまいましたね

地下1階は満席でコピーも足りないくらいです この「名作短編で学ぶイタリア語(ベレ出版/関口英子+白崎容子翻訳)」は既に買って 一度ですが最後まで読みました:

イタリア語の読解力のステップアップを目指すあなたに 待望の対訳本ができました イタリア文学の入門書としても最適!!」という本です 

文法を一通り終え 新しいステップを踏み出したいと考えている方に」とあったので ちょうど今の自分にぴったり 
伊検2級を終えてほっとして 前に進もうかどうしようか色々悩んでいた時にちょうど出たこの一冊は 私の心のオアシスとなりました
 
なぜかといえば 実は恥ずかしながら今まで 語学学校のテキストや過去問ばかりに取り組み 新聞や雑誌の記事などばかりを読んできた私は あまりイタリア文学には触れてこないままで来てしまったのです
唯一この本の中では「道路をわたるおじいちゃんたち」(Stefano Benni)だけはテキストのEspressoで読みました 面白い話でした(笑)

    * * *


「はじめに」(本文より抜粋)には 「厳選した9作家10作品には日本では本書でしか読めない掘り出し物も含まれる」とあります

タブッキや ピランデッロを原書で読むなんて...一生無理かと思っておりました この本がなければ... たいていは辞書を引くのが大変で十ページくらいで挫折してしまいます(/_;)

最初からイタリア語と日本語を突き合せて読むもよし...分からなかったところだけ参照するもよし」とありますが 最初からこのとても魅力的な日本語をまず先に読んでしまいたくなる誘惑に打ち克てるかどうか...と不安でしたが まぁとにかく日本語を読まずにとにかく読み進められるところまでは「注釈」のみを参照しながら読み進めていきました 
知らない単語が出ても恐れずに...とにかく話が面白くてやめられないという感じです!!

最初の簡単な作品は最後まで注もまったく読まずに 次にだんだんと注を頼りに そして最後の方の難しい作品は 注を参照しながら1ページずつ日本語と照らし合わせて...というように 段階的に読み進みました

   * * *

特に最初の「こま娘/Trottolina」(Luigi Capuana)は 韻を踏んだ言葉の響きがとっても好きになり 読み聞かせをするみたいに大きな声を出して何度も何度も朗読していました 
こまが回っている時しか大好きな王子様と話せないという切ないこま娘になりきって 感情を込めて... 

また 「何かが起こった/Qualcosa era sucesso」(Dino Buzzati)の 列車に乗って9時間の旅をする人々が目的地で何かが起きているその不安を感じながらも...というミステリアスな展開 (SFショートショートのような...)
この作家は画家になりたかったとのことで児童書の挿絵も描かれています

牝鹿/La cerbiatta」(Grazia Deledda)の話もどんでん返しにびっくりしました このヴェリズモ(真実主義)の作家はノーベル賞を受賞したとのこと

アントニオ・タブッキ/Antonio Tabucchi(2012年死去)の作品「島/Isole」は 自由間接話法(stile indiretto libero)を多用しており 動詞の形があやふやだと迷子になってしまいます これは難しかった

ルイジ・ピランデッロ/Luigi Pirandelloも1934年にノーベル賞を受賞しており この「苦悶の家/La casa dell'agonia)」という作品はこの本のラストに控えております 

とにかく面白くて注を頼りに一気に読んでしまいました!! 文法ポイントも充実しており 新しいイタリア文学への扉を開いてくれたこの一冊に感謝しています

ちなみに すぐに辞書を引かずに ヒントになる言葉が出てくるまで我慢してから引けば 辞書を引くのも一回ですみます(様々な意味があるので結局は2回引いてしまうので) との貴重なアドバイスをいただきました!! 

他の言語でも ラテンアメリカ文学(ガルシア・マルケス氏死去のニュースにショック...)とかドイツ文学 フランス文学とか 主要な言語で出たら 知らない扉を開けるようにきっと夢中で読んでしまうでしょう(#^.^#)

本は こちら

紹介イベントは こちら ←1時間では足りないくらいでした~ 

* 紹介イベントを開催してくださいましたイタリア文化会館様に心よりお礼申し上げます イタリアブックフェア2014も今日でラストですね!!



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