昨日初めて訪れた岐阜県岐阜農林高等学校の第一印象は、良いも悪いも「歴史が凄いな」だった。
敷地全体は、農業高校としては狭いと感じた。
なぜなら、高校の田畑のギリギリにまで住宅が迫っていたからである。
田んぼも昔の高さから、簡易的に30センチ程かさ上げして、そのまま今に至るという感じ。
簡易的に作った畔は、U型側溝を逆にして並べていた。
用水・排水設備も、昭和の時代に作られたものを使用しているので、継ぎ接ぎだらけ。
魚道についても、「ずいぶん急勾配だな」と感じる無理やり感もあった。
でも、それが悪いというのでは無く、逆に「良く考えたな」という感じだった。
しかし、もと農業土木の設計者からすると、「雑だなぁ」とは思ってしまったが(笑)
講義は、5時限と6時限の間の休み時間無し、6時限が過ぎても、まだ講義を続けるという、時間無視での講義となった。
自分としての講義内容は40点。
もっと上手に講義できると思っていたのだが、なんとなく気が先走ってしまったからである。
どうしてそうなってしまったのかと言うと、生徒の顔を見ながら講義をしていて、段々と「挑戦させてあげたいな」という気持が強くなってきてしまったからである。
多分、今の生徒たちの気持ちは「お米を作る」という実習の範囲だろう。
昨年、米・食味分析鑑定コンクールの全国農業高校お米甲子園部門で「特別優秀賞」を獲得しているが、実感出来ていない様だし。
これからの時代は、「美味しいお米を作ったら売れる」とはならない。
「頑張ったら評価される」ともならない。
生産者の年齢の限界も来ている。
パンドラの箱も、次々と開き始めた。
ネット販売の限界も見えてきている。
その中で、自分たちが作ったお米を、全国でブランド米と言われているお米と、肩を並べて売って行くためには、どうしたらよいのか。
教科書にはイメージだけは載っているが、それを覚えた程度では使い物にならない。
「やってみたけど、全然売れなかった」という結果が出るだけである。
しかし、なぜ売れなかったのかと言う理由は、1つも判らないままであろう。
岐阜県という環境から、どうしても「ハツシモ」という品種名が、たくさん出てくる。
しかし、「ハツシモ」は過去の品種となってしまっている。
県内であれば、まだなんとかなるのかもしれない。
であるが、過去となってしまった品種を、消費地で広げていく事は、苦労するばかりで意味が無く、時間の無駄でしかない。
どうせ苦労をするのであれば、埋もれている品種を、自分たちが1つ1つ育あげるために使った方が良い。
そのために「縁結び米」を使用するのは、面白いと思うし、可能性があると思う。
農業高校でお米をブランド化出来たところは無い。
岐阜農林高等学校と生徒たちは、どこまで頑張れるかな?