第二話、≪思案≫
「そりゃあ、いつかは、習おうと思ってるよ。お義母さん。」
「えっ、そうなん!自分で着るねんやったら、教えたるで。我流やけど。」
「でも、どうせなら、きちんと習って資格のひとつでもとりたいやん。
だけど、着付けって、ちゃんと習おう思うたら高いやろ練習用持ってないし。」
私は、この間の『カッチン叔母様』の件以来、闘志が湧いてしかたがなかった。
お~お~!、自分で着れるようになったろうじゃあ~りませんか
今に見・・・ろっとと、(・・いけない、いけない。。お上品に。。お上品に)
今に、見ておきなさいませよ。お前様より上手になってみせますわよ。
ん。。。 なんか変な闘志である。
しかし、このときはまだ、自分で着れさえすればいい。そんな気持ちだった。
その時持っていた着物は、なんと,たったの二枚。自分で買った振袖 と、色無地。
結婚するとき、すでに母がいない私に気を使ってか、義母は、
「着物何もそろえやんでええで。体ひとつで着たらいいよ。
うちにいっぱいあるから一緒に着たらええで。なにも持ってこんでいいで。」
とまで言ってくれたのだった。
今、改めて言葉にしてみると、凄く慈愛のこもった温かいセリフである。
ーーーで、練習用の着物はできた。(おし、義母にかりれるぞ
)
ーーーさて、どこで習おうか。
つづく。。。