第七話、≪着装指導講師≫
「すっごくきれいに着れるよう、なってきはったね~
覚えも早いし。。素質あるから先生やってみませんか」
「えっ、でもまだまだ自信ありませんし、教えるなんて・・。」
「誰でも最初は自信ないのは当たり前ですよ。でも、人に教えることにより
自分の確かな技術となっていくものだと思いませんか」
当時、まだ高等の科ができていなかった。
復習講座へやってくる生徒の中から、学院長の目にとまった人だけが
声をかけられ、先生の道へと進むことができたのである。
ほめ上手な学院長に、おだて上手な講師陣。
ついその気になって、『着装指導講師』、(このとき初めて知ったのだが、
着装を指導する先生のことを、そう呼ぶらしい←そのままやん)になったのである。
この時代、生徒上がりの講師は少なく求人募集の講師の方が多かった。
こうして、着付けの生徒さんを受け持つこととなったのである。
その頃の私は、
教えるなんてとんでもない。(聞いてる方が大好きなのよ~ )
だって、話の進め方がわからない。(ほんとは話、へたなのよ)
うわ~、どうしょうしゃべれな~い。(・・・沈黙・・・)
どうして、どうして先生になったのさ。。
ー--と、内心ひやひやの連続だった。
ここで役にたったのが、復習会の講師陣のたわいない会話だった。
何でも好奇心を持って聞いておくのも為になるなあ。
後は、学院長直伝の、長時間にわたるトーク技術
ーーーこれが一番つらかった~
しかし、これが一番人生に役立っているなあと今になって思う。
つづく。。。