第十一話、≪高等師範科≫
「みなさん、おはようございます。これより、第一回、高等師範科を開校致します。」
「担当講師とサブの講師の紹介と、生徒さんの紹介をしましょう・・」
「では、授業要領をご説明いたします。」
まだ、生徒さんを受け持つ半年ぐらい前のことである。
手結びを軸とした、主に『変わり結び』の基本技術を教える
『高等師範科』という新しい科ができた。
当然のように、私にも話がきた。
手結びは、基本はOK (でも、見ただけでも結べれるようなりた~い
)
まだよく理解できてないとこもあるよね。(そうやんね~)
だいたいでしてみるけど。(やっぱ、仕上がり、みっともな~い)
だから、着付けをもっとよく理解できるようになりたいんやん
しかし、ここで唯一の難関 ーー夫の猛反対。
「もう着れるのに、なんでー」 (私は人にも着せたいのっ!)
「子供どうすんねん」 (おばあちゃんにみてもらうやんか!)
「とにかく、あかんあかん
」 (なんでやねん!)
高等師範は学院へ通うことが必要だったが、主婦が家を空けるということが、
許せなかったようだ。まだ、次男が幼稚園児だったこともある。
それに自営業だったことも理由の一つか・・
このころの夫はなんだか、考えが古臭く、頑固だった。
ーーーこうなりゃ、最後の手段。
ーーー夫の弱みにつけこんで、丸めこむしかないね。。
そそくさ~と私は義母に相談しに行った。・・そう、夫は母に弱いのだ。
効き目はてきめん
めでたく冒頭の高等師範科へと進めたのであった。
今も昔も、義母は私の味方であり、
実の親娘と間違われるぐらいである。
つづく。。。